ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ



私は、それからしばらくの間、真面目に勉強した。
とはいっても独学だけど、レナが驚く程熱心に…
そして、ようやく星の力を集めて祈りの効果を高める方法を知った。



これで、私もロザリーの役に立てる。
天界にこもって堅苦しい勉強なんてしてるより、規律を破って地上に降りた方がやっぱり成長は早いと思う。
いつかこのことを公表して、修行中は地上に降りてはいけないなんて古い規律をなくしてやりたい。
そんな野望も胸に秘めながら、私は天界を抜け出してはロザリーに星の力を送り続けた。



(あ…来た……!)



今夜もロザリーはやって来た。
いつもと同じ時間、いつもと同じ服装で……



「どうか、お父さんと早く会えますように…」



いつもと同じように芝の上に膝を着き、夜空を仰いで一心に祈りを捧げるロザリーに、私は星の力をかき集めてそれをそっと降り注ぐ。



(どうか、ロザリーの祈りが早く叶えられますように…)



ロザリーはしばらく祈りを続けると、ゆっくりと立ち上がり、そして不意に短い叫び声を上げた。
食い入るようなその視線は空に向けられていたけれど、私にはそれが何を意味するのかはわからない。
次第に、ロザリーの顔は夢見るようにゆっくりと綻び…そして、弾けるような微笑みが顔中に広がった。



「神様、ありがとう!」



ロザリーは空に向かって大きく手を振り、そんな言葉叫んで駆け出した。
いつもならゆっくりと帰るその道を、転がるように勢い良く…
その様子を見れば、彼女に何か良い事があったことは間違いない。
でも、それが何なのか、私にはさっぱりわからなかった。


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