ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ



「ここはどこ…?」

「ここは親切なご老人のお宅ですよ。
ご老人のご好意により今夜はこちらで泊めていただくことになったのですよ。
さぁ、食事をいただきましょう。
ほら、この肝…良く煮込まれておいしそうでしょう?」

素直に頷くカルフの隣で、ヴェリエルはそれを凝視して息を飲む。



「……心配するでない。
人間の肝は滅多に手には入らんのじゃ。
これはただの鶏の肝さ。」

サンドラはヴェリエルの様子にくすりと笑った。
カルフとクラウドはその笑いのわけがわからず奇妙な顔を見合わせて小首を傾げる。



「ところで…今夜は仕方がないから泊めてやるが、その代わり、明日、ちょっとした力仕事を手伝ってもらえんかのう。
裏庭に畑を作りたいんじゃが、岩が邪魔して作れないんじゃ。」

「そんなことならお安いご用さ。
このクラウドは見掛けによらず力持ちだからね。」

「そうかい、それは良かった。
……ただし……」

サンドラの瞳が怪しく光る。




「なんだよ。ばあさん。
何かあるのかい?」

「万一、それが出来ない時には今夜の泊まり賃として肝を二つもらうよ。」

「ええええーーーーっっ!」

ヴェリエルは絶叫し、クラウドとカルフは再び奇妙な顔を見合わせた。




「肝とはこの肝のことですか?」

クラウドは手元の肝料理を指差した。



「違うよ、そうじゃない。
このばあさんはこの森に住む魔女で、魔法の材料に人間の肝がほしいらしいんだ。」

「ええええーーーーっっ!」

カルフとクラウドの叫び声が重なった。



「ところで、さっきから気になっとたんじゃが…この子はもしかして天使かい?」

サンドラは、じっとりとした視線でヴェリエルをゆっくりと眺めまわす。



「そうだよ。
翼は小さいけど、一応天使さ。」

(一応……!!)

ヴェリエルの傷口に、アルルはさらなる痛みを与えた。



「それは珍しい!
天使の肝なんて人間よりもずっと手に入りにくいもんじゃからのう!
よし、肝はこの子のものにしよう。」

「えーーーーっっ!
お、お、俺なんて、普通じゃない、下っ端の天使ですから、きっと材料にしても全然良くないですよ。
そ、それよりも、この方はエリートの天使ですからこちらの方がずっと良いと思います!」

そう言って、ヴェリエルはカルフを指差した。


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