初仕事4


「この……ぶくぶく
大馬鹿やろう!……ぶくぶく
許さねぇぞ!!……ぶくぶく」

町の関係者達は溺れながらもルディに厳しい視線を投げかける。



(なんでこんなことに……
まずい…!これはものすごくまずい状況だぞ…!!)



「カパエル、逃げるぞ!」

ルディがカパエルの背中に乗った。



「え?何?何?なにしてるの?」

「おまえはかっぱだから、泳ぎは達者なんだよ!
さぁ、行くぞ!!」

「え…ええ〜〜〜?」

躊躇いながらもルディに言われるがままに手足を動かすと、カパエルの身体はすごいスピードで洪水の中を進んで行った。



「うわ、僕って、すご〜い!」

「つまんないこと言ってないで、早く逃げろ!泳ぐんだ!」

「はぁ〜〜い!」

カパエルは泳ぐ!すいすい泳ぐ!泳いで泳いで泳ぎまくった。







「もう大丈夫だろう……」

町はとっくに見えなくなっていた。
追いかけてくる者ももちろんいない。



「ふぅ〜、ようやく逃げ切ったか……」

「ねぇ、ルディ…なんで僕達逃げてきたの?」

「なんでって……なんでもだ!!
っていうか、逃げなきゃどんな目にあわされてたかわかんないんだぞ!
おまえみたいにモタモタしてたら捕まってかっぱ汁にされてるぞ。」

「えっっ?!か、かっぱ汁?」

わかりにくいが、カパエルの顔色が明らかに変わった。



「ありがとう、ルディ!
君は僕の命の恩人だよ!」

ルディに抱きつき、感激の涙を流すカパエルに、ルディは冷酷な顔でにやりと笑った……

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