出会い4


ルディは目を開けてまわりを見回した。

(あれ…?
あれれれ…?
おかしいな。
何も変わってないぞ…?
もしかして………失敗?)



「ねぇ、かっぱくん……」



(あれ…??)

ルディはすぐに異変に気付いた。
なぜならば、声をかけた先にいたのはかっぱではなくルディ本人だったのだから。




(……ん?
あれ?
なんで、僕が…?)



「……本当は、こんなおじさん、いやなんだけど。
ま、仕方ないな…」

ルディの口から思いもしない言葉が飛び出した。



(……え?
僕が変なこと言ってる…
え…?え…?どういうこと?
何がどうなってんの?)



「おい、おまえ、まだわかってないのか?」

「え?
何のこと…?」

「おまえ…本当に鈍いな……」

ルディは、普段したことのないような不敵な笑みを浮かべた。



「何のこと?
ねぇ、かっぱくん、何がどうしたの?」

「あのなぁ…
今はおまえがその『かっぱくん』なんだよ。
あ、ちなみに、『かっぱくん』の名前は『カパエル』っていうんだ。」

「え?え?どういうこと?」

「……ったく、おまえって奴は。
あのな、さっきの魔術でおまえの身体と俺の身体が入れ替わったってこと。
だから、今はおまえがかっぱで、俺が人間ってこと。
わかったか?」」

「なぁ〜んだ、そういうことだったんだ。
だから、僕がそこにいるんだね。」

かっぱになったルディは大きく頷く。



「そういうこと。
で、おまえ、名前はなんていうんだ?」

「僕はルディ。」

「そうか、わかった。
あ、年は?」

「18だよ。」

「え〜〜〜っっ!!
俺と同い年だっていうのか?!
嘘吐くな!
本当は軽く三十路過ぎてんだろ?」

「過ぎてないよ!
正真正銘の18歳だってば!!」

「……本当か〜〜?」

かっぱのルディはルディのかっぱにじっとりとした疑惑の眼差しを向けた。



「だけど、かっぱくん!
君は本当にすごいよ!
こんな難しい魔術を使えるなんて、僕、かなり驚いたよ。」

「そうか。
おまえも頑張って修行しろよ!
じゃ、俺、そろそろ行くわ。」

「うん!じゃ、かっぱくんも元気でね!」

かっぱのルディはルディのかっぱに手を振る。






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