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「残念だな…せっかく仲良くなれたのに…」

宴をきっかけに、一行と獣人達の距離は一気に縮まった。
そのおかげで、獣人の村での暮らしはますます楽しいものとなった。
だが、だからといっていつまでも留まるわけにはいかない。



「俺達も同じ気持ちさ。」

「僕、このままずっとここで暮らしたいくらいだよ…」

エリオットは、今にも泣き出しそうな顔で呟いた。
カークは手を繋いだセリナを見上げ、寂しそうな表情を浮かべる。



「本当にいろいろとお世話になったな。
ありがとう!」

「いや…またいつでも遊びに来てくれ。
俺達は、あんた達を友人として歓迎する。」

「ありがとう!」

ダルシャとアルディは固い握手を交わす。

一行は、願い石を探すため、隣の大陸へ渡ることを決めた。
獣人の村を越え、山を降りると、小さな港町がある。
そこから、船を乗り継いで、隣の大陸へ渡るのだ。
この大陸にはもう願い石はないのだから。



「ダルシャ、これを持って行ってくれ。」

そう言って、アルディが差し出したもの…それは、青い双子石だった。



「こ、これは…双子石じゃないか…!」

ダルシャだけではなく、そこにいた全員が目を丸くした。



「何かの役に立つことがあるかもしれない。
良かったら持って行ってくれ。」

「何を言ってるんだ。
こんな大切なものを…」

「それは、俺達には必要のないもんだ。
あんた達にとっても、この先、その双子石に使い道があるかどうかはわからないが…
どうか、持って行ってほしい。」

それは、アルディの友情の表現なのかもしれないと感じたダルシャは、その申し出を素直に受け取ることにした。



「ありがとう、アルディ。
では、私からはこれを…」

ダルシャは、自分の首に掛けていたペンダントをはずし、アルディの前に差し出した。
深い緑色の大きな石が付いたペンダントだ。
台座の裏には、ダルシャの家紋が掘り込まれている。



「良いのか?」

アルディは、ペンダントを眺め、ダルシャに確認するようにそう尋ねた。
ダルシャは、その言葉ににっこりと微笑みながら頷く。



「ありがとう、大切にするよ!」

アルディは、ペンダントを首にかけ、嬉しそうに微笑んだ。


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