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「あ…っ!」



エリオットが飛び立って、まださほど経たない頃、エリオットが慌てた様子で戻って来るのがダルシャの目に小さく映った。



「どうかしたのか?」

ダルシャよりずいぶんと背の低いラスターにはまだそれがわからず、不思議そうにダルシャの顔を見上げる。



「エリオットが戻って来た。
なんだかとても慌てているようだ。」

「エリオットが…!?」

ラスターは想いっきり背伸びをし、片手をかざして、エリオットの去った方へ目を凝らした。



「大変だよ!」

二人の近くに辿り着いたエリオットは、抑え気味な声で…しかし、緊迫した様子でそう発した。



「どうした?なにがあった?」

まだ着地さえしていないエリオットに、ダルシャは待ちきれない様子で声をかける。




「小屋があったんだ!!」

「小屋が…!?」



エリオットの話によれば、今進んでいる延長線上に少し拓けた場所があり、そこに小さな小屋があったという。
古い小屋だが、小屋の周りには薪のようなものが置いてあり、煙突からは煙が立ちのぼり、今も誰かが暮らしているように感じられたとのことだった。




「それじゃあ、そこが獣人の……!?」

「そうだな、間違いないだろう。
私達の進んでいる方向は間違ってはいなかったんだ。
それで、エリオット…それはどのくらい先なんだ?」

「けっこう近いよ。
多分…そうだね、1時間もかからないんじゃないかな?ここからは気を引き締めていかなきゃね。」

「ついに獣人とご対面ってわけか…どんな奴なのか、楽しみだぜ!」

「浮かれてる場合じゃないぞ、ラスター。
どんなことが起きるかわからない。
エリオットの言う通り、ここからは特に気を引き締めていかなくてはな。」

その言葉に、ラスターとエリオットは深く頷く。



「では、行こう!」





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