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「な、なんだって〜!」
夕食時に聞いたダグラスの話は、衝撃的なものだった。
この森に魔物がいるというのは本当だったのだ。
しかし、その魔物達は、魔法使いの張った強力な結界によって封じ込められ、ある一定の場所からこちら側には来られないらしい。
ダグラスの曾祖父さんは、たまたまみつけた願い石を、腕利きの剣士を雇ってその魔物の森に隠したのだという。
「驚いた…
では、ここが魔物の森と呼ばれてたのは、私をここへ寄せ付けないためだけじゃなかったのか…」
「あんたを…?どういうことかね?」
「い、いや、なんでもない…」
「幸いなことにこのあたりに住んでるのはリュシーさんくらいのもんだし、わざわざこんな何もない所に来るものもおらんから良いようなものの、うっかり迷いこんだら二度とは帰って来れんぞ。」
ダグラスは、神妙な面持ちで呟いた。
「ま、どんだけ強い魔物か知らないが、俺達にはダルシャとエリオットがいる。
多分、なんとかなるさ。」
「この人はともかく、エリオットってのはこの嬢ちゃんじゃろ?
この子がどんな役に立つっていうんだ?」
「爺さん、この子はこれでもすごい魔法の使い手なんだぜ!」
「この嬢ちゃんが…!?」
ダグラスは、とても信じられないといった顔つきでエリオットをじっとみつめた。
「人は見掛けによらないっていうだろ?」
「そんなにすごいのか…
それで、この二人がいたら、絶対に大丈夫なのか?」
「あぁ、間違いない!
魔物でもなんでもどんと来いってんだ!」
ラスターは、得意げに胸を張る。
「……そうか、わかった!
では、明日の朝、出発じゃな!」
「え…?あ…あぁ、そうだな。
皆、それで良いよな?」
当然のことながら、ラスターに反対する者は誰もいなかった。
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