「おはよー楓!」
「おはよう、亜沙美!今日はテニス部の朝練見に行かないの?」
「今日は朝練無いんだー」
亜沙美はテニス部男子のファンなので、朝練がある日は必ずと言っていいほど練習を見に行っていた
「せめて、柳生君と同じクラスだったらなー」
ちなみに亜沙美は柳生のことが大好きなのだ
「うちのクラスは仁王君しかテニス部いないもんね」
楓は隣でしくしくと悲しむ亜沙美に苦笑いを浮かべた
「そういえば、美香は?」
亜沙美は泣き止むと、もう一人の親友がいないことに気付き顔をあげた
「あぁ、美香なら今日サッカー部の朝練でマネージャーの仕事するねって言ってたよ。」
「きっー!そんなこと言いながら彼氏とイチャイチャする気だろっ!」
「まぁまぁ、亜沙美ってば落ち着いてよ…」
ちなみに美香には彼氏がいて、その彼氏さんはサッカー部の部長さんなのだ
校内では理想のカップルなんと言われるくらいお似合いな二人だ
「あーあたしも彼氏欲しい!楓、頑張ろうね!」
「そうだね…、」
##Name1##がアハハと苦笑いを浮かべた
何気ない会話をしながら生徒玄関に行くと、なにやら女子の群れができていた
「何かあったのかな?」
「さぁ?」
人だかりを覗きこむと、そこにはテニス部の人たちがいた
「なーんだ、柳生君はいないのか…」
「亜沙美、聞こえちゃうよ!」
楓と亜沙美はその群れが通りすぎて行こうとしたらテニス部の一人が声をあげた
「あぁぁっー!!」
「んだよ、うるせぇ!赤也、耳元で叫ぶな…」
「き、昨日の奴!」
「は?」
ブン太は赤也が指差すほうを見た
「あいつが?」
「ねぇ、楓…」
「何、亜沙美?」
「あんたテニス部に指差されてるよ。」
「え?!」
楓がゆーっくり、振り返るとワカメみたいな髪形をした男が楓を指差していた
「お前、昨日の朝練見に来ててすっげえ高くジャンプしてた女子だろ!?」
「えっ、何のことかなぁ?亜沙美わかる?」
「あたしも知らないなー」
((…逃げるが勝ち!))
楓としては、昨日の出来事は全部なかったことにしたかったのでダッシュでワカメ頭の人から逃げた
「あ、おい待てよ!」
「逃げられてんじゃねぇか…てか、本当に今の奴が向日なみにジャンプするのか?」
ブン太はぷうっとガムをふくらませる
「そうスッ!ぜってー捕まえて、俺が言ってたことが本当だって丸井先輩に認めさせてやる!」
「期待しないで、待ってるぜー」
赤也は一人、楓を捕まえようと意気込むのだった