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何故驚かれた?と思いながらも、肩をすくめて、苦笑する。
「別に、一緒に居るだけが愛なわけじゃないでしょ。」
肩をすくめて、呟けば、眉間に皺を寄せられて、見つめられた。
ああ、信じられてないパターンですか。
恋愛を語る、恋愛偏差値底辺の人物
「これでも、忍ぶ恋のある文化の国で育ってきたの。」
「何が楽しいの?」
『いや、恋愛は楽しいものじゃないだろ。』
思わず日本語で返したら、キョトン、と首を傾げられた。
ああもう、面倒くさい。
「恋愛観は人それぞれ、あなたはあなたの好きに、それでいいんじゃないの?」
「…それもそうね。」
小さく頷いた彼女の表情は嬉しそうに見える。
その表情に目を見開いて、首を傾げた。
何が、それ程嬉しいのだろうか。
いきなり、飛びつかれるように抱きつかれる。
そのまま地面に倒れるが、彼女は気にしていないのだろう。
が、洞窟内のレオンと目が合った此方としては、何があったのか、知りたいんだが。
「エ、イダ?」
「私の好きに、させてもらうわ。」
「え、ちょ、まっ…!」
気がつけば両手を地面に縫い止められている。
蹴るのも、女の人だとわかると、こう、躊躇してしまって…。
でも、だからと言って、女の子に襲われる趣味はないんだ。
「ッ、ジ、」
「他の女を呼ぶの?」
私がひるんだ瞬間、軽く唇が触れる。
びっくりして固まっていた私を助けてくれたのは、レオンだった。
「っは、…ありがとう。」
ぐい、と自らの唇を拭って、エイダを後ろから拘束しているレオンに頭を下げる。
どこか心配そうな目をして、彼はとりあえず、エイダを引っ張って洞窟内に入って行った。