正義 | ナノ



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今日は休みだ、が、明日はサガさんとカノンさんの誕生日だ。
と、いうわけで、一応準備をしなくてはならないだろう。
ケーキでも焼いておこうかな。
あとサガさんにはお弁当くれって言われてるし、カノンさんにはどうしたものか…お酒でいいか。
消え物の方がいいと思うんだよね、どうせいなくなるのにもの残してどうするんだって話で。
それに、渡した方の私が忘れるのだ…これはひどい。
適当にお酒に合うおつまみでも作って渡そう。
私あんまりお酒飲まないから、人から聞いたり友達に褒められたやつだけど。
そうと決まれば、作れるように準備をしておこう。
お弁当の中身も考えておかないといけないし。
お弁当的にはザ・日本のお弁当的なものがいいんだろうけど…むしろハンバーグとか入れて軽くキャラ弁っぽくするか。
ふたご座モチーフで、ちょっと考えてみるのも一興かもしれない。
では、下に降りて誰かに手を貸してもらおう…ダメだったら…いっそのこと明日、カノンさんに好きなお酒でも買ってもらっても許してくれるだろう。
と、歩き始めた段階で、すぐにディーテに出会った。

「氷雨?今日はどうしたんだい?」
「明日のために、プレゼント買いに行かないとと思って」
「ああ、なら、連れて行こうか?今日は時間があるから大丈夫だよ」

にこり、いつも通りに綺麗に笑って、ディーテは手を差し出してくれる。
ありがとうと感謝をして、連れて行ってもらうことにした。
ついでにタイミングが良ければデスとシュラのこともちょっと聞いてみよう。
あと一ヶ月ちょっととは言え、しばらくはここにいるのだから、その間に距離を置いた方が良ければそうするつもりだ。

「何を買いに行くんだい?」
「お酒です。カノンさんにはその方がいいかと思いまして」

抱き上げられたままにこり、と笑って、いつも通りに街に連れて行ってもらった。
早々に必要な買い物を済ませて、ディーテと二人でカフェでお茶を飲む。
美味しいコーヒーにホッと息をついて、ちらりと伺うようにディーテを見た。
彼はどうしたんだい?と首を傾げてくれて、私の言葉を促しているようだ。
一度こくり、と頷いて、少しだけ視線を彷徨わせてから、潤したばかりの口の中がカラカラになって行くのを自覚する。
どくりどくりと心臓が痛いほどに鳴った。

「あの、ディーテ?最近、デスと、シュラが、なんか、その…雰囲気違くない、かな?」
「…気がついていたのかい?」

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