正義 | ナノ



008
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や、やばい、緊張する。
あ、なんか飛行機はチャーター機らしいです。
はい、怖いネ、お金持ちって。
沙織様と辰巳さんと、運転手さんと沙織様のBG(日本人)とメイドさんと。
飛行機の中でゆったりと過ごしていられました。
びっくりです、初体験です。

「白雲、その髪型なんとかしろ」
「へ?」

辰巳さんに言われて気がつきました。
私、部屋に籠もりっ放しで、髪伸びっぱなしってやつでして。
前髪で顔半分は軽く隠れてたんですね。
仕事中はいつも1つに縛ってたり、二つに縛ってたりしたから気にしていなかったけれど、これからは他の人としごとするんですよね。
手首にいつもつけているいくつかの髪ゴムから1つ選ぶ。
それから。上の方と横を結ぶハーフアップにしました。

「白雲…」

はあ、とため息をつく辰巳さんにもう一度鏡を見る。
が、別に、すっきりしたんじゃ…?と首を傾げた。

「それじゃ変わらんだろ、前髪をあげるなりしたらどうだ?」
「十分あげてるじゃないですか」
「ふふ、氷雨さんにはその髪型が一番似合ってますわ」

というさおちゃん…沙織様の発言でその場は収まった。
が、そんなに駄目だろうか…。
ちゃんと両目は見えるようになっている。
まぁ、ある程度前髪はのぼーんとなっているものの、それでも、女性としては許容範囲じゃないか?
首を傾げて、新しい眼鏡をかける。
うん、バッチリ。
…他の人と仕事をするってことは、自分の外見にも気をつけなきゃいけない、てことで。
化粧するの嫌いなんだけどなぁ…苦手だし。
そもそも、引きこもってたから化粧する機会も少なかったんだよねぇ。
なんて思いながら、窓の外を見て、一面の青にため息を吐いた。

飛行機の中では仕事をしたり、沙織様のお話を聞いたり、本当にゆったりと時間がすぎた。
だからと言って疲れなかった訳ではないのだが。

そして私は新しい職場へ向かい、新しい同僚たちと出会うことになる。

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