009
沙織様についていって、到着したのはロドリオ村。
星矢君のお姉ちゃんがお世話になっていた村だった気がする。
…まあ、いいや、それよりも、やな予感しかしない件についてだよ。
あれー、可笑しいなー、なんでこんな所に来たんだろう、なんて現実逃避したいのだが、それも無理そうだ。
ここで留まって、お願いだから、ここでストップしてさおちゃん、ここ見た感じ電気通ってないし、仕事場はここだよね?!
表情に変化が現れないように気をつけているものの、心の中では冷や汗がだらだらだ。
ふと、願いが通じたのか、さおちゃんはこちらを見る。
「氷雨さん」
「はい!」
私の気合いのこもった返事にびっくりしたのか、彼女はきょとんと首を傾げた。
そして、こちらです、とある家に入り、にこりと笑う。
奥の扉を指差して、怖いくらい綺麗に微笑んだ。
「これからBGが変わります。辰巳と鈴木はこちらに残ってもらいます」
ちなみにBGさんの名前が鈴木さんだ。
本名は鈴木密<すずきひそか>さん。
名前の通り、きめ細かい気配りのできる20代後半の青年だ。
ちなみにちょっと優男に見える。
でもかなり強い、一回悪者を捕まえてるの見たことがある。
閑話休題。
「サガ、カノン」
さおちゃんの呼びかけに、扉から二人が現れる。
うん、なんで双子にしたし。
その辺どうなの?仲良しさんなの?
というか、生き返ってるんだね、その辺はもう、なんて言うか。
は、と膝をつくサガさんとカノンさん。
予想以上に瓜二つだ。
ちなみに私にはどっちがどっちかわからない。