ひとり | ナノ



02


訓練内容が変わった。
今までは体力作りや基礎能力の向上を主として訓練されていた。
それが、武器を使った、実践型のものへと変わることになった。
武器の使い方なんてわかる訳がなかった。
教えてもらうと言うよりは、教え込まれた。
きっと、彼らも俺を嫌悪していたのだろう。
この、銀色の髪を。
色素が抜けきって白い訳でもなく、不気味なほどに輝く、銀色。
首許で切り揃えてはいるものの、銀色である事実は消えない。
俺にとって、コンプレックスであった銀色。
大嫌いな色の1つだった。
いや、今でも好きではない。
それに、目の色も、好んではいない。
周りの人間たちの目の色は、青かったり、黒かったり、茶色かったり、緑だったりする。
なのに、俺の目の色は青とも緑ともつかない、中途半端な色だと思っていた。
そう、過去形だ。
今は別にそう思ってはいない。
それに、目立つ色であったからこそ、俺が英雄として成り立ちやすかったのだろう。
銀髪の英雄。
そう呼ばれるのはもっと後のことだが、この頃から俺の未来は決まっていた。
訓練中は様々な武器を使わされた。
だが、俺のどこか、人離れした印象からか、それとも、他の理由からかは知らない。
俺は”カタナ”を使わされるようになった。
珍しい形であり、細いのに強度もなかなかある。
その頃、まだ力のなかった俺にとってはあの切れ味は適していたと言うだけかもしれない。
滑らせるように引くだけで、対象を切り裂いた。
その紅に見せられてしまったのかもしれない。

まあ、そんなこと今思ってもよくわからないんだがな。


物心ついた頃には既に刀を振るっていた。
(俺を語る上で絶対に逃せないだろう?)
(バスターソードも使ったことぐらいある、レイピアとかもな)

「ほう、何でもか、では世話役をやってもらおうか。」


[前へ]/[次へ]

[ back to menu ][ back to main ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -