3
「あ、この人よくヒサメさんだけをご飯に誘ってたよね?」
一番年下の女の子が差したのは『アイスバーグ』と書かれたその人。
確か、人格者だったか?母親はアニメ時代を思い出しているのかうーんと悩んでいる。
ちなみに、さら、と紙に書き出していたのは見なかったことにした。
「コイツ!ヒサメさんが声はいいのにねって言ってたのを聞いたのか、異常に話しかけて来てた!」
さばさばしていて、多分、一番氷雨に近いだろう少女が差したのは『エネル』。
そういや、氷雨の好きな声優だったな…。
しかし、神か…、母親は紙に『エネル』と書いた。
「あ、この人、あの女に懐いてる振りしながら、ちゃっかりヒサメさんに抱きついてました。」
綺麗系の子が思い出したように言った。
その指の先には『カク』。
あの女ってのが、氷雨からの手紙に書いてあった電波で厨二な人間か。
「あ、キャプテンにあの女は譲るって言いながら、ヒサメさんと二人で出掛けてた。」
『キラー』と言う名前を差した一番下の子。
そういや、彼女たちの名前を聞いてない…と思ったら、氷雨の手紙にあった。
へー、年下の子はランちゃんっていうんだね。
「こ、この人!ウチらを盾に取ってヒサメさんに迫った人だ!殴っとけば良かった!!」
そう言った元気なさばさば系は、サクちゃん。
ぴ、と差した先にいたのは『クザン』。
あれ?海賊やってるって書いてあったんだけど、これ海軍だよね?
「この方は、ヒサメさんが大人の魅力といってましたね、プレゼントがすごい送られてきてました。」
服装の印象と本人の性格が真逆に近いのがスズちゃん。
指の先には『クロコダイル』。
…我が妹は何処へ向かう気なんだろうか。
「この辺はいないねー…。」
「そうですねぇ。」
「まだサ行だもの。」
それから出てきた名前は羅列させてもらおう。
いや、多かったんだ、予想外にな。
妹の方向性が全くわからなくなった今日だ。
彼女たちの説明とともに教えておく。
酒の席でさり気なく腰を抱いていた『シャンクス』
いい剣捌きだ、鍛えてやろう、と何かと何処かへ連れ出そうとしていた『ミホーク』
何か良くわからないが、二人でよく出掛けていた『スモーカー』
よく、いい酒が入ったってヒサメさん当てに連絡が来てた『X・ドレーク』
趣味の悪いお揃いのコートをヒサメさん名指して送ってきた『ドフラミンゴ』
よければ、ずっとアラバスタで…いえ、なんてFF1の姫と同じことを言っていた『ペル』
絡むシャンクスから助けたあとは二人で話していた『ベン・ベックマン』
色恋には興味がないと言いながら、ヒサメさんにキスした『ロブ・ルッチ』
だそうだ。