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その反応に固まるその場の面々。
アイスバーグが首を振る。
「ンマー、かわりに飯でも行くか。」
「かわってます?それ、」
「海軍に行くかわりだ。」
ありがとうございます、と笑った彼女は、深々とお辞儀をした。
「ホント、助かります。」
「何か理由でもあるのか?」
「海軍のお偉いさんが悪食で困ってますよ。」
眉を下げ苦笑。
そんな彼女にアイスバーグは眉間に皺を寄せた。
彼女の言った意味を正確に理解したのだろう。
彼が何か言おうとしたとき、ヒサメは誰もいない方向に目を向けた。
視線の先には5人の男女。
彼女はアイスバーグに断って、そちらへ向かう。
職人たちはその動きを目で追っていた。
「何?」
「お金が、無くなりました。」
「無くなったじゃねぇだろ。」
「……使い切りました。」
彼女ははぁ、と深く溜息を吐く。
考え込むように額を叩いて、声を出した。
「ヒョウ、アレある?」
「…ああ。」
渡された電伝虫を受け取り、少し戻った位置でためらうようにしてから電話をかける。
聞こえる声は、低い、独特の声。
「デートのお誘い?」
「いえ…その方が良いですか?」
「そうだね、ヒサメちゃんからの電話ならなんでも嬉しいよ。」
その一言に彼女ははあ、と気のない返事を返す。
それから、覚悟を決めたように彼の名前を呼んだ。
「クザンさん、海軍って給料いいですよね?」