samurai7 | ナノ
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ヘイハチを連れてユメカはマサムネの家に帰った。
するとゴロベエが、すぐにヘイハチに興味を持つ。


「おや、そこの御仁は?」
「この方はヘイハチさん。
すぐそこで出会ったんだけど、機械に興味があるみたい」


そう紹介し、ユメカはマサムネを呼んだ。


「どうも。林田ヘイハチと申します」
「某は片山ゴロベエと申す」
「俺はマサムネ。
機械に興味あるんだったらこっち来な」


ヘイハチは、嬉しそうにマサムネの後についていく。


「サムライだな」


ゴロベエがヘイハチの様子を見ながら、
ユメカにだけ聞こえるくらいの声で話した。
ユメカもゴロベエのみに聞こえるように小さく返す。


「うん。それに、仲間になってくれるサムライだと思うよ」
「ほう。それは興味深いな。
では後で、某が話をしてみよう」
「うん!」















時間はあっという間に経ち、
機械を貰う代わりにとヘイハチが薪割りを始めたため、
話をしにゴロベエが近付いた。
そして「野伏せりを四十機ほど斬ってみんか」と、大胆な勧誘をしたため、
ヘイハチは思いきりこけたのだった。


薪割りが終わり、再びヘイハチは機械を物色する。
そんな様子を近くでユメカは見つめた。
自分より随分年上のはずだが
小動物のように動くヘイハチが、可愛くて退屈しなかった。
刀の柄に付いているてるてるぼうずも、
ヘイハチの動きに合わせて揺れていて、思わず目で追ってしまう。


「ゴロさんの発言、びっくりした?」


あー……、とヘイハチは言葉を濁した。


「そりゃあもう、野伏せりを斬るなんて、普通は言いませんからねぇ。
しかも四十機なんて……」


眉をハの字にさせて苦笑する。


「……嫌?」


仲間になってくれると分かっているものの、
ヘイハチはどう思ってるのか気になりユメカは尋ねた。


「いえ、驚きはしましたが嫌というわけでは。
米が報酬とのことですし……。
いやーそれが私、米に目が無いんですよ」


ヘイハチらしい言葉と笑顔に一安心する。


「そうなんですか。ありがとう!」
「いえいえ。
カンナ村の米をこの手で守ることが出来るのも、
なかなか乙なもので」
「あはは。
日も沈んだし、皆ももうすぐ帰ってくると思……」


そう言った傍から、カンベエ、カツシロウ、キララ、リキチの四人が帰って来たらしく、
外の方から話し声が聞こえた。


みんなの帰りを待ち構えていたゴロベエからヘイハチのことを聞いたのだろう。
興奮した様子でユメカとヘイハチの居る所にやって来た。

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