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「絵、見せてくれませんか?」
突如、ヘイハチがユメカの持つスケッチブックを指した。
「!?……これはっ」
ついさっき誰にも見せられないと思った絵。
みんなの姿が描いてある。
もちろん、ヘイハチと分かるものも……。
「ごめんなさい…!どうしてもこれは……」
ぎゅっとスケッチブックを持ち、ユメカは勢いよく謝った。
そこまで必死に断られるとは思ってもいなかったヘイハチは、片目を開けて驚く。
「あっいえ!見られたくないのでしたら結構ですので」
「……ごめんなさい」
ヘイハチはすぐに、いつものにこやかな表情に戻り
「いえいえ、そんなに謝らないで下さい」と言った。
「では、そろそろ私は……」
ヘイハチが立ち上がったため、慌てて口を開く。
「あの、これからどこに?」
「噂ですぐそこの鍛冶屋は、機械類も豊富だとお聞きしたのでそちらに」
興味がありまして……と、たははと笑う。
(マサムネさんの家…!)
アニメ通りにヘイハチが来たことを理解し、
嬉しくなってユメカも立ち上がった。
「それなら一緒に行きます。
そこ、私の帰るところだから」
その言葉が意外だったらしく、ヘイハチはきょとんと開眼した。