samurai7 | ナノ
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「ユメカ姉さま白状するです!オラ応援するですよ!」


興味深々といった様子で、コマチはニィと笑顔を向ける。


「だ、だから違うんだってー!」
「これコマチ、そのくらいにして。
ユメカさん、もうひとつの指輪
もう決まった方に渡すつもりなんですか?」
「…………」


キュウゾウにあげたい……
そう決めているため、ユメカは眉を下げ控えめにコクリと頷いた。
その様子にキララは柔らかく微笑む。


「そうですか。そのお方は幸せですね、
ユメカさんみたいな、
素敵な女性から想っていただけてるんですから」


思いもよらない褒め言葉に、ユメカは目を見開いた。


「素敵!?何言って…!
私全然そんな要素持ってないから…!」


自分は鈍臭いため、とてもじゃないが素敵という褒め言葉にユメカは納得できなかった。
キララの方が礼儀正しく、よっぽど素敵な部類に入るのではないだろうか。


「ユメカさんは沢山、魅力を持っていますよ。
優しくて、素直で、可愛くて……って、私ってば勝手に失礼ですね…!
すみません……」
「ううん……ありがとう」


まさかそんな風に思って貰えているとは。
ユメカは少し照れながらお礼を言った。


「あ!そうだ、忘れるとこだった…」


ユメカはキララの目の前に、
琥珀色の宝石でできたブレスレットを差し出した。


「これプレゼント」


キララは目を丸くして、反射的に受け取る。
続けてコマチにも、お揃いのそれを渡した。


「うわー!とっても綺麗な輪っかです!」
「ブレスレットだよ、腕に付ける輪っか。
可愛いふたりに似合うといいんだけどな」


説明を聞き、キララが驚いて声をあげた。


「このような高そうな品…!とても受け取れません…!」
「大丈夫だよ、それもおばあさんから頂いたものだから。
それとも……気に入らない?」


とんでもない…!、とキララは首を横にふる。
謙虚なところが愛らしく、ユメカはにこりと笑みを浮かべ言葉を続けた。


「じゃあ、貰って。
私が選んだけど、おばあさんからのプレゼントでもあるから」


そこまで言って、やっとキララは縦に頷いた。


「ありがとうございます。
……とても綺麗。嬉しいです」


キララは本当に嬉しそうに、
目を細めてブレスレットを見つめる。


「そういえば、お花の髪飾りは頂かなかったんですね。
よく似合っておいででしたのに」
「え?貰ったよ、ほら……」


今までつけていた髪飾りを触ろうとしたユメカの手は、
癖のある自分の髪しか掴まない。


「…………」


(あれ……?)


「無い!?」

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