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【涙の落ちる場所】

 エルヴィンからの直々の指名を受け、そして自らの意志でその作戦を受け入れヒストリアに成りすました海。次の作戦は何だ。女としてではなく、今は兵士として彼の傍に居たい。濡れた身体を拭こうとタオルを手に浴室を出た時、

「終わったか」

 ドアの隣の壁に凭れて待っていたのは紛れもなく他の誰でもないリヴァイだった。

「リヴァイ…」

 首元から見える綺麗で誰にも穢す事の出来な白い肌にまざまざと浮かびあがるその醜い紫色に変色したその痣を見たリヴァイは無言で海の腕を掴むとそのまま自分の部屋へと連れて行った。

 普段は自称よくしゃべる部類のリヴァイは何も言葉にしない、大丈夫かとは聞かなかった。海の大丈夫が大丈夫だった事なんて今まで一度もなかったからだ。
 ベッドに座らせながらリヴァイが用意した新しい着替えは首元まですっぽり隠れる色白の肌に映える黒のタートルネックだった。

 そうしてそれでもうなじまでの隠しきれない痣に用意した絆創膏。リヴァイは無言で海を抱き締めて震えていた。安堵させるように全く平気じゃない中で海は努めて明るく振舞っていた。

「ふふ、大丈夫だよ、リヴァイ、あなたはちゃんと助けてくれた。それに…これはただの怪我みたいなものだよ…だから、平気、あなたが気に病むことはないからね」

 傷付いて落ち込んでいるのは海なのに…まるで海の痛みをそのまま受け止めるようなリヴァイの姿がそこにはあった。
 きっと、こんな風にいつも兵士長として冷静な眼差しをし、凛とした彼が弱々しい姿を見せることが出来る限られた存在はきっと目の前の彼女だけだ。

 自分に生き方を、処世術を施した男がそんなリヴァイの弱った姿を女に平気で見せて甘えるその光景を見れば間違いなく殴るだろう。
 決して誰にも弱みを見せるな、生き抜くためなら女は欲を散らす為だけの使い捨ての道具だと思え、情は残すな。愛を捨てた男はそう言い放ったのに、リヴァイは今現にこうして唯一の愛する存在に身を託している。

 愛を失ったからこそあの男はリヴァイにも説き伏せたのだろうか。失う苦しみを知りたくないのなら愛を知るな。と。
 しかし、リヴァイは愛を知ったことで余計この世界から巨人を抹殺すると言う揺るぎない目的が出来、その為に今こうして自らの手を汚すことを選択した。
 まさか、もし死ぬのが巨人だったと思っていた中で、巨人ではなく同じ人間に今殺されようとしているなんて。

 作戦とは言え兵士長としての立場に立たされて男としての自身を殺し、目の前で愛する女が助けてくれと叫んでいるのに助けに行けないもどかしさは男を何よりも苦しませた。
 それを証拠に握り締めた拳からは赤が滲んでいた。
 それを見た海がやるせなそうにその手を握り締めそっと口づけた。
 傷ついたその背中をいつも癒してくれたのは海の優しさと温かな口づけ。
 ほんのり桃色に染まる花のような鮮やかな唇の色、

 海が今回の作戦の為に犠牲になったことで作戦は成功し、リーブス商会を味方につけることが出来たが、彼女には大きなトラウマを呼び起こさせてしまったことをリヴァイはこれからも悔やむだろう。

「リヴァイ、あんまり、見ないで…。暫くは消えない…こんな醜いの…あなたに見せたくない…」

 元々色素が薄く、肌も色白でほんのり薄桃色に染まる肌が美しいからこそ、余計にこの作戦で男に良いように嬲られた所為で浮かび上がる痣が痛々しくもあり紫色に変色して禍々しい。

「無理に擦りやがって…余計な痕が残っちまうだろうが…」

 その痣を消そうと爪で引っ掻いたのだろう、リヴァイは顔を悲痛に歪めながら無言でその胸元に、項に顔をうずめた。

「やっ、んんンっ…!」

 内出血の痣はそう簡単には消えない、しかもこんな風に生々しく深く吸い付かれたのなら、リヴァイはその醜い痣を刻み込まれて本心は怖くて怖くてたまらない彼女の痣を優しく撫でる。そうして、リヴァイは海の肩下まで切り落とした髪に触れうなじを露わにするとそのまま耳の後ろにキスをした。刻み込まれた赤い烙印を消し去るように、傷ついた心を少しでも癒せるように。

「あっ…!」
「海、…作戦の為にお前を犠牲にした俺を幾らでも憎んで構わねぇ…だが、忘れるな、俺はお前を誰よりも愛している…」

 耳元でぼそりと低い声で囁かれた彼からの愛の言葉を受けて海は思わず肩を跳ね上げ過敏に反応していた。

「相変わらず敏感だな、」
「っ、そ、うだよ…リヴァイのせいだよ、感じたくないのに、リヴァイが…だから…」
「俺が? 俺のせいか…思い当たる節がないんだが、」
「っ…い、わない…で」
「お前を女にしたのは俺なんだ…お前をこんな風にしていいのは俺だけだ…耳元で俺が声出せばすぐ、…こうだ」
「っ…あ…っ」

 リヴァイに後ろから抱き締められて、長身が多い調査兵団の幹部の中でもとりわけ小柄だが、鍛え抜かれた力強いその腕の中に包まれると全身の力が抜けてしまい、愛する彼の腕の中に囚われては何も言えなくなってしまうのだ。

「リヴァイ…っ、もう、いいから…!」
「お前が良くても俺が駄目だ、他に何処を触られたのかちゃんと教えろ」
「そ、それは…」

 膝の上にそのまま抱き上げられ、完全に後ろからホールドされ、その腕から逃れることが出来ない。海は戸惑いながらも振りほどけないリヴァイの力強さに先程感じた恐怖を一瞬で消し去る普段見せない彼の甘い言葉、労わる様なその眼差しに当てれらて力がカクリと抜け落ちた。

 それを視界の端にふ、と収め。リヴァイは背後から覆い被さるように、風呂上がりのいい香りのする項に噛みつくようなキスを何度も何度も繰り返すと海は耐えきれずに甘い吐息を漏らしながら仰け反っていた。

「あっ、んんっ…」

軽く歯を立て、そのまま吸い付き、生々しく刻まれた痣を上書きしていくように。うなじから今度は肩にかけてのしなやかで華奢な海の身体のラインを辿る。元々骨格が細いのか女性らしい華奢な腕から肩、足、しかし、服をめくりあげて下着もずり下げ、そして露わになる柔らかな双丘に触れると、海はびくりと震えて硬直してしまう。

触れているのは自分なのに…あの男の感触を思い出して強く目を閉じて震える海の姿にリヴァイは海へ狼藉を働いたあの男に激しい怒りを覚えた。

「(あのクソ野郎…!! 俺の女をこんなに怯えさせやがって…いっそ目玉潰しておけば良かったか)」

この柔らかな胸も、外気の空気に触れて硬くさせている両胸の敏感な先端も触られたのだろうか。両胸を無遠慮に揉みながら指先でその先端を触れると海を穢された怒りに思わず力が籠ったのか痛みを抱き海が顔を歪める。

「んン…」
「悪ィ…」
「だいじょぶ…痛くてもいい…」
「海…お前が辛いならもうこれきりにする…」

5年前よりも兵士を止めてから筋肉が落ち肉付きが良くなり柔らかく感じるその感触を持ち上げるように確かめながら中央に寄せてリヴァイの目つきが変わる、あの男への怒りがまた蘇る。しかし、殺してはいけない、あの時もし彼女が止めなかったら間違いなく海の身体を見たあの男の目を潰していたかもしれない。

「ダメ、…っ、いや、っ、だめっ…」

五年間の空白を経て離れていた二人を引き合わせた喧騒の中で。今は離れないようにと固く結ばれ、少しずつあの五年間の空白を取り戻しつつある中で、いつの間にか覚えていた体温は先ほどの件で何もかも破壊されてしまった。男に乱暴されたトラウマに怯える海が震えている、快楽ではなく恐怖に…。振り向かせれば海は快楽を甘受できずにただ、ただ、恐怖と悪夢の再来に目を強く閉じて耐えている。

「海…なぁ、俺の眼を見ろ…」
「っ…ごめん、なさい…」

本当ならばここでいったん中断してゆっくり髪を梳きながら彼女が眠れるようにと温もりを施してやるのが男の役目だろう。しかし、ここで止めてしまいあくむにうなされこの先二度と海に触れられなくなってしまっらという思いがある。

「海…お前が嫌なら止める…、」
「え…?」

本人は自覚が無いのだろうか? それとも…、過去の忘れた筈の記憶を揺り起こされて無意識に震えていたのかもしれない。怯える海を抱いたままそのままリヴァイの太い腕が小さな身体を包み込むようにと、優しくベッドに押し倒して穴が空くほど海をじっくりと見つめれば海はようやく目の前にあるリヴァイの鋭い猛禽類のような目を見つめ返した。その瞳には確かな光を感じさせる。先ほどの男は濁っていた目をしていた。歪んだ眼に見つめられ委縮していた気持ちが消えていく。

「止めないで…リヴァイ…こわくない…好き、だから…怖くない…、お願い、みんなの前ではちゃんとするから…」

それが今の海の思いだった。リヴァイにかき消して欲しい、何も思い出せなくなるように。地下街で男達に身ぐるみ剥がされて、その恥辱を味わったあの時のトラウマを消してくれたリヴァイに。もう自分には後にも先にも彼だけ、なのだ。彼以外に触れられることは二度とないと言えるだろう。

あの時受けたこの傷を癒せる人はいない。求めるように、蘇る恐怖を堪えながら海はリヴァイの首に腕を回して身を委ねてきた。2人きりの空間、部屋の鍵はかけてある。2人を邪魔する者は誰も居ない、少なくともこの空間には。誰も触れられない禁領区の中で。

「忘れさせて…」

そう告げて自ら服をまくり上げると、日に当たらない真っ白なくびれたウエストのラインに釘付けになるリヴァイの薄い唇に柔らかくて小さな唇を重ねてきた。受け入れるようにリヴァイはゆっくりとその手招きに従い海を抱きしめ慰めの抱擁を贈る。

「っ、あっ…」
「海…」

最初は控えめだった海の声が行為を重ね愛撫を交わしてだんだん甘いモノへと変わっていく。貞淑でおとなしい外見からは想像もつかない甘い声に絆され自分が持つ技術を総動員して海を快楽の海に落としたのだ。

「好きだ…、」

囁く声が優しく、そう告げ、頭の先からつま先まで全身を優しく彼の言葉が降り注ぐ。それだけで身をよじらせ、普段冷たく低い声。今は普段の不愛想な表情の彼からは想像もつかない甘い声で。囁きながらその全身に纏わりつく海の恐怖を全て拭い去るように受け止め抱き締める。お互いに何処か早急に服を脱がせあいながら一糸纏わぬ姿になる。先の見えない不安の中でこれから待ち受ける困難、激闘を予知するかのようにリヴァイのゴロツキ時代からは想像もつかないくらいに筋肉で覆われた兵士としての逞しい肉体に触れ、彼に今こうして確かに触れているのだと、安心の中にいるのだと海はひしひしと確かめる。

「お前は俺だけしか知らねぇままでいいんだ…」
「んっ…リヴァイ、あ、んっ…」

覆い被さるずっしりとした小柄だがその重量に息が詰まりそうになる。が、今はその重みさえもが愛おしい、早く抱いてほしい、早く忘れさせてほしい。
その一心だった。トラウマを揺り起こさないように、細心の注意を払いながら…。

「あっ…そこは、触られてないから、大丈夫…っ!」
「駄目だ。どこ触られてたか確認してるだけだ…」
「私、汚くない?」
「わ、たし…汚いから…触らないで…」
それは地下街で同じような目に遭ったあの時と重なる言葉だった。リヴァイはギリッと唇を噛み、奪うように深く海に口付けた。

「お前は何も汚くねぇ…。出会った時から何も変わらねぇ…お前は綺麗だ。可愛いままだ、俺だけだ…」
「…っ、」
「泣いてもいいが目を閉じんじゃねぇ…俺を見ろ、お前をこんな風にできるのは俺だけだ…


(汚ぇのは…何も知らねぇガキだったお前を女にして、快楽だけを植え付けて離れられねぇようにした…地下で生きてきた…俺の方だ)」

海に聞こえぬよう。リヴァイはこれから自分が行うおぞましい行為を覚悟しながらもその前に、この手が海を汚したように、今度はその手で海の穢された身体を元通りにしようと自分の持つ全てで清めていく、繊細な手つきが這ようにさっきの嫌な記憶を上書きしていく。

「んぁ、…り、ヴァイ…」

頬、項、首筋に触れ、生々しい痣の上からかき消すように吸い付いて、上書きするように、消毒するように自分の温度を刻みつけていく。

「海…俺の事だけを考えろ…俺を見ろ、…俺だけを信じて、着いてこい…」
「ん…、リヴァイ…あっ、んっ、信じる…リヴァイを…っ、うっ」

これから何が起ころうとも、俺を信じろ。力強いその言葉に何度も何度も頷きながら、海はリヴァイの伸ばしてきた指先を絡め合いながら、そっと唇を重ね合わせる。

「んんっ、あぅ…っ、」
「可愛いな、」

リヴァイの伸びた舌が海の小さな口の中をかき回し、目を閉じないままのキスに溺れていく。もう目の前のリヴァイの欲に染まって何時も色白の肌がほんのり熱情に色づき煽情的で慈しむような眼差ししか感じられない。

「っ、んっ、あっ、んっ…」

武骨な掌の中で柔軟に形を変える華奢な身体に目立つふくらみを揉みしだきながら、チクリとした痛みにたまらず声を上げれば、リヴァイが息を乱しながらこの状況に興奮して、そしてその肌に傷をつけた痣を上書きするように歯を立てながら吸い付いて鮮やかな色彩で肌を彩っていく。

「んんっ…!」
「俺以外の事を考えるな」

フラッシュバックする記憶の中で、呪文のようにリヴァイの意志を持った強い言葉が生き物のように全身に響く。何度も何度も目を閉じようとすると生々しく、鮮明によみがえるあの忌まわし記憶を塗り替えるような愛撫に身もだえ、剥き出しの胸をぎゅっと鷲掴んで、硬く起立している突起に舌を這わせる彼のその目つきの鋭さに恥ずかしさがこみ上げる。

「(リヴァイ…)」

こんな…私の事を彼は心から大切にしてくれているのだと、その力強さの中に押し隠した彼の優しさが伝わり、愛しさがこみあげてくる。自分より歳も離れた彼を抱き締め自分の持つすべてで守りたいと、そう純粋に思う気持ちに嘘は無い。
初めて抱かれたあの日の夜。確かに最初は彼も自分も愛し方もうまく出来ずに何度もすれ違い、何度も悲しくて苦しい思いをした、それが愛というものだから…それでもお互いがお互いの孤独と自由を選べなくて、離れそうになる手を重ねていつも寄り添い確かめてきた。痛みのない愛は無い、幸せだからこそ時には苦い思いもする、だけどその苦さがお互いの絆をより強固にしてくれる、その言葉の通りに二人は無我夢中で愛し合い、先ほど海の受けた傷に揺り起こされた悪夢を粗暴に見えながらも繊細な手つきで優しく労わるように抱いてくれた。

「良いか、俺の目を見てろ」

かつて地下でその手を暴力に染め、今は普段調査兵団の兵士として超硬質スチールの半刃刀身の剣を逆手に持ち、目にも見えぬ驚異的な速さで巨人を屠るその手が今は自分の下着を取っ払った剥き出しの両手で胸を中心に寄せたり、揉んだり突起を吸って敏感になった淡く色づく突起を転がす。いつも以上に敏感な身体、快楽に俯きそうになりながらリヴァイは何度も何度もその度に顎を掴んで持ち上げて、海を見つめる。

「うん…」

戸惑いながらも昨晩重ねた肌の余韻を思い出しながら力の抜けた海の下肢の間に手は伸びていく。

「あっ…やっ、リヴァ、イ…そこは…触られてない、ッ、から…っ、」

下肢の間に伸びた手に戸惑い、その手を掴んで止めさせようとするが、そんな可愛らしい抵抗をするだけ無駄だと、そう言わんばかりに海の言葉を遮りながらリヴァイは無言でその指先を埋めた。

「此処も触られたんじゃねぇのか…」
「あっ、んっ、違っ…んっ、んっ」

未だ胸しか触られていないのに…、リヴァイの指が沈んだそこはまるで泉のように潤いに満ちていた…。

「あっ、はっ…あっ…」

乱暴にかき回すのではなく、膣口を傷つけないように海が痛まないようにゆっくり、だがその感触を植え付けながら、ぬぬぬぬ…と、リヴァイの中指が胎内に埋まると、ゆっくり上下に動きだす。リヴァイに触れられると思うともう自分の意志ではトロトロと溢れ出した愛液を止める術はない。

「っ、すげぇ…なぁ、聞こえるな。お前の音」
「あっ、んっ、んんっ」
「もっと聞かせてくれ…なぁ、気持ちいいか…?」
「っ、あっ、んっ、気持ち…いっ、んっ」
「もう大丈夫だ…他の男じゃ、こうはならねぇだろう?」
「っ、うん、っ、あっ、リヴァイ、じゃなきゃ…やん…っ」

粘着質な音が優しい空気で満ちる部屋に生々しく響いて、その奏でられる音色の恥ずかしさから内腿に力が籠り、縋るように閉じようとするもリヴァイの太い腕ががっちり固定して離れない。

「っ、あっ…りヴぁい、…んっ、あっ」

リヴァイの力強くも巧みな手つきに男に酷く穢されたあの生々しい感覚が薄れていくようだ…。身体も心も、まるで昨晩小屋の外で自然の風を受け少し乱暴に抱かれたあの時の感覚が巻き戻しされたかの様に再び戻っていく…。止められない、唇を噛み締めた所から解かれていく声に海はリヴァイの逞しい肩にしがみつきながら我慢せずに昨晩出せなかった声を上げていた。

「海、っ」

くちゅくちゅと響く水音は海の胎内から発せられている、自分に感じている何よりの証、何度も何度も中指が膣口を行き交う中で、主張し始めた海の好きな膣口に上にある可愛らしい突起を親指で転がすと海はビクリと肩を跳ね上げ、寒くもないのに全身が歓喜に震えた。

膣口に中指の他に人差し指も増え、海の胎内をかき回し、そしてクリトリスを擦られるとますます愛液が溢れ、リヴァイの指先から溢れた抑えきれない愛液がシーツを濡らしてしまう。

「すげぇ音だな…」
「んんっ! だめぇっ…あっ、シーツが、汚れちゃう…っ」
「構いやしねぇ…取り換えればいい…」
「あっ、ああっ、もう、だめ、っ!、いっ、いっちゃう…!!」
「イきゃあいいだろ…見ててやる…俺に感じてる証拠を見せろ…」
「ああっあ………ッ!? っ…っやぁ、ッは、あ…、あ゛ん…ッあ、あっ、もう…ッ」

ビクン、ビクンと震えながら海は強くリヴァイの指を締め付け、太腿で逞しい腕を挟んで甘い声で達した。短く切られた柔らかな色彩の髪がシーツに広がりながら真っ白なリヴァイの部屋の上で淫らに跳ねた。

「海…」

強く深い快楽に視界を真白に埋め尽くされくたりと目を閉じて脱力した海を仰向けにすると、リヴァイが真剣な眼差しで海の上に跨ると柔らかな胸がたぷんと揺れ、その揺れた胸の白さに釘付けになる。そして、この柔らかな胸をあの男も揉んで感触を確かめたと思うと、脳内をまたどす黒い感情が支配した。筋肉に覆われた重みのある彼の体躯がのしかかると下腹部にあたるリヴァイのこの状況に興奮し、腹まで熱くそそり立つその赤黒い猛ぶったリヴァイの熱。その熱さと先走りから溢れる粘着質なそれに綺麗な顔をしている彼の獰猛さを現すそれから目が離せない。その柔らかな感触に触れ互いの胸板と胸を合わせながら寄り添い合う。普段以上に優しい声とその手つきに満たされ海はうっとりとした表情でリヴァイとまたキスをした。目を閉じたままのキスよりも目と目を開けたままのキスはお互いの熱情に浮かされた顔が何とも言えなくて…。

「海…お前は俺の女だ…俺だけの…大事な…」

うわ言のように、そう呟くリヴァイの優しい声に海は傷ついた心が癒されていく用だった。涙ながらに彼の、のしかかる重みに、聞こえる心臓の音がやけに響いて。恥ずかしくて仕方なかった行為が、今は恥ずかしさから安心感に。愛を確かめ合う大事な営みなのだと、お互いの存在を噛み締めていた。
五年間誰も受け入れいない海の膣口を開いてこの一カ月半の間に彼の熱量を思い出した身体は海の気持ちと比例してゆっくりゆっくりと行き交うリヴァイの熱に浮かされていた。

「んんっ〜…」
「は、気持ち、イイか…」
「はっ、んっ、あ、ぁぁああ゙ッッッ〜〜ツッッ!!!」

無意識に腰が浮いてしまう。もっと、もっと、身体は素直に求めるように自分から彼を求めて膣が熱さを感じることは無い筈なのに、はくはくと動いてリヴァイの腹に着くほど反り返る熱い楔の形に刻み込まれた胎内が彼を飲み込もうと生き物のようにうねり出す。

「あ、んっ〜…!」
「っ…ンっ…」

いつも締りのいいソコはいきなり挿入してはただ痛いだけ、初めてが最悪だったからこそ海にこれ以上の痛い思いはさせたくない、まして先程まで辱めを受けていた海を怖がらせたくはない。低く漏れるリヴァイの快楽を押し殺したような声がたまらなく色っぽい。しかし、海からすればゆっくりゆっくり確かめるように入ってくる彼の熱量に待ちきれず、焦らされているようで逆に燻ぶらせる情欲に苛まれて、駄々をこねる子供のような声で甘えるように自分から何度もキスを求めてくる。

「あ、ゆっくり、しな、いで…んんっ、リヴァイ、挿入れて…ぇ」
「は…どこに入れればいい…?」
「っ…」

何度肌を重ねても純真さを捨てきれない海が愛おしい、向かい合い、お互いの胸が潰れてしまいそうになるほどの距離の中、可愛らしい海を乱したい、欲に包まれ耳元で海が告げた淫猥な言葉に満足したのか慣らし終えた自身を一気にぐぷぷぷぷ…と、ねじ込んで来た。

「んん〜!!」
「大丈夫だ、海。俺が前みてぇに全部消毒してやる…。あの悪趣味な変態ゲス野郎が触れた部分も、記憶も、全部、忘れちまえ…忘れて俺だけの事を考えてろ…」

海の腰に手を入れて、臍に付きそうなほどに熱り勃った男根を、今か今かとヒクヒク震えながら待ちわびる愛液でしとどに濡れてトロトロに溢れる膣口目掛けて真上から叩きつけた。

「あ、ああっ、んあッッッああ〜ああ!!!!!!」

ゴツンと、ひとつきで子宮口を潰すようにゴリゴリと始まった重い衝動、突き動かされながら海は受け止めきれない彼の名の通り立派なそれを受け入れ、甘く仰け反り、背丈の割に重量のあるその重みが彼からの愛の証なのだと、その快楽を受け止めながら何度も何度も達して、その温もりに酔いしれた。太腿を抱えなおし、ずり゙ゅ…っと引き抜きぱちゅんぱちゅん、とすぐにまた奥へ叩き込みまるで白く焼ききれた思考の奥、海の視界で眩い火花が散った。

「あっ、あっ…!……!…だめ……ひっ……イッッ〜〜! ……や……………はぅんッッッ!ぅあ、すきっ、あっ、あついよ、リヴァイのっ、ッ!!んん、あっ、あああ、んんっ……いッ〜〜!!」
「っ、くっ…本当に、締りがいいな…喰いちぎられちまいそうだ…」

リヴァイの柳眉が寄せられ、押し隠せない漏れたその切なげな声に胸の奥がじんじんと疼いて止まらず。その疼きが海の膣口の最奥にまで届いた。

「あっ、っ、気持ち、いいっ、だめっ、声、我慢できなっ…!…やっ、動いちゃだ、め。今、ぁん、動いちゃだめえっ!」

無我夢中で腰を振りたくり、漏れる息を絡めあいながら交わすキスに上も下も深くつながり合いながら身悶える。耳殻にリヴァイの舌が差し込まれ、五感を使って混じり合うと、リヴァイも限界が近いのかグングン、と一突きが重い律動に海の横に流れた胸が揺れ、視界でもリヴァイに興奮を覚えさせた。そういえば煌々とした明るい場所でこうして肌を重ねるのはいつぶりだろうか。

「あっ、っ、はぁっ、や、リヴァイ…! あっ、奥、に…当たってるっ…、」
「あぁ、そうだな…当ててんだよ…」
「んっ、んっ、あっ、んっはぁ、あっ…気持ち、イイ、ッ…?」
「…分かり切ってること、聞くんじゃねぇ…昨日は我慢させながらだったからな…今は鍵も掛けた。誰も近寄らねぇようにしてる…我慢しねぇで声出せよ…お前ン中、…くっ、海、力抜けっ…も、持たねぇ…っ」
「いいよ…、リヴァイ…私の中に、いいよっ…出してぇっ…、欲しい、リヴァイでいっぱいにして…っ」
「はぁ〜…もう、知らねぇぞ…っ」
「ンン〜〜あああっ!んあぁぁああっ…!」

がくんと海のまっすぐで張りのある両脚担ぐと、リヴァイはその柔らかな内腿に口づけを落とした。そのまま鍛え抜かれた逞しい肩に担いで、はぁ、はぁ、と吐息を漏らしながらリヴァイは真上からの叩きつける様な律動へと変える。

「あぁっ、や、まだ、イクっ、んんんっ! やぁっ、だめえぇっ、あっ、あっ、んっ、」

ギシギシと、古いマットレスを軋ませながら、海は快楽に酔いしれながら叫んで何度も何度もリヴァイから贈られる優しくも激しい行為に夢中になった。二人は限られた時間の中で幾度も抱き合い、陰茎から濃くドロっとした精液が膣内へと一気に流れ込み、リヴァイが果てる頃には海の穢されたショックが癒えていくようだった。

「もう…離さねぇ…お前をもう傷付けねぇと誓う…だから…」

弱々しい声で、リヴァイは願う様に、そして祈りを込めて海の中へ子種を注ぎながら果てた。柔らかな胸に顔を埋め、そしてあの男が着けていない柔らかな胸の谷間の中心に吸い付くと自分だけの部分に鮮やかな花を咲かせた。

これから待つ、出来事。だが、目の前の彼女を守る事にもつながる。
この世界を守る、その為なら…もう一度自分はこの手を。
たとえこの手が血に染まっても、この血にまみれた手で、海を抱き締めて離したりはしない。強い決意の中で確かに宿る情欲。衝動、抱き合いながら無我夢中で愛を確かめた。後にも先にもこんな風に思いを突き動かされるのは海だけだと、確かめながら。

「今の俺だけを…覚えてろ…」

行き過ぎた快楽に力なく項垂れる彼女がその意味を知るのはその数時間後だった。
最後に自分が唯一許した愛、幾度も刻み込んで来たその温もりたちを全身にしっかり刻み付け、男は決意を秘め再びその手を血に染めるべく重厚な扉を開いた。

Fin.
2020.05.12
【涙の落ちる場所】

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