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【永遠に強欲/Side Levi】

 真の暗闇を知っているか。風もない、星も月も見えないこんな夜。平地よりも標高の高い山の空気。はより底冷えして肌寒さを増していく。屋内の薄着では心許ない温もり、冷える体温に比例して心までも冷えていくようで。見張りを続ける体は雨具に夜露が付着し肌寒さをさらに助長する。エレンとヒストリアと海。調査兵団にとって重要なこの3人を匿うためにトロスト区を離れ、潜伏先の山小屋で始まった隠居生活の夜。頼りなくともる明かりを消してしまえば壁外調査で野宿する時と等しく、そこは本当の夜の深い闇の帳に包まれる。見張りを交代し、小屋に戻ればそこに居たのは、今にも夜の闇に溶け込みそうな目の前の少女。

「怖いか」
「うん…このまま、溶けちゃいそうで…」
「何にも脅える事なんかねぇ…俺が居るだろうが」
「うん…」

 何年も変わらない、いつまでも色あせることのない。静かに芽吹く思い。よく見れば、彼女の大きな瞳がきょろきょろと不安を抑えきれずに暗闇の中で確かめるように抱き合い、俺を探し求めて小さなその手を伸ばしている事が容易に認識出来た。

「俺はここにいる」
「よかった…暗くて何も見えないから…」

 眠れないの。と、まるで幼い子供のように。薄着で1人山小屋をさ迷い歩く後ろ姿の何とも頼りない事。募る庇護欲。暗闇に今にも溶けて消えてしまいそうな儚さを抱かせた。

「慣れれば見えるはずだ」
「リヴァイの目が良すぎるんだよ…」
「かもな、」

 普段は調査兵団の精鋭として自ら先陣を切って我先に危険に飛び込んでいく切り込み隊長の面影はどこにもない。冷えた均一の温度の中。確かに交わる温度。ふつふつと湧き上がるこの感情に支配されたまま無我夢中で求め合う。

「海…」
「ん…っ、」
「なぁ、ヤリてぇのか…?」
「っ…」
「言えよ…正直に…」

 あまりにも直球的なその言葉が合図だった。暗闇だからかより敏感に感じる。互いに熱を燻ぶらせ、その情欲に濡れたお互いの弾む吐息だけが今のお互いの確かな拠り所となる。耳元に唇を寄せて思ったよりも低い声が出る。俺の声に海の華奢な肩が跳ねるように震えた。
 沈黙は肯定だと感じるよりも早く、暗闇の調理場で日暮れ前まで楽しそうに新兵のガキ共と談笑しながら野菜の皮を剥いて居た場所に海を押し付け背後からその肢体を弄った。

「あっ、…っ、駄目、こんな…所で…駄目…誰かに見られたら…!」
「構いやしねぇ…大人になるには誰もが通る道だ…」
「何を…っ。そんなの、絶対、だめっ…リヴァイの、お部屋がいい…っ」
「もぞもぞ足擦り合わせて…駄目だ、俺の部屋の方が下の奴らに聞こえる、お前の声…新兵共に聞かれてもいいのか…なぁ」
「っ…、それは」
「お前、背徳的なのが好きだからな…聞いてもらうか。俺が出すんじゃねぇから別に構いやしねぇが」
「そ、それは…っ、」
「は、冗談だ。他の野郎には聞かせられねぇよ…お前が俺に感じてる声なんぞ、普段のお前しか知らねぇ奴が聞いたらひっくり返っちまうような…」

 暗闇の中、恐る恐ると伸ばしてきた海の手を手繰り寄せ、指先と指先で絡め、結び合う。暗闇の中で唯一分かる確かな温度。弾む吐息。

「あっ…リヴァイ…」

 風呂に入っても入らなくても海の肌から絶えず漂う香水と体臭の入り混じる香りを辿り、ようやく見つけて引き寄せた華奢な肢体、小さな身体、あの手この手で尽くして俺の望むままに心を許した俺の女。

「海…」

 俺より真下にある目線を向ければちょうど見つけた海は期待に胸を高鳴らせ震えていた。

「1人でほっつき歩いて…堪らなかったのか?」
「…あ、…んっ、」
「なぁ、どうなんだよ…海」

 耳殻に口唇を寄せ、低音で息を吹き込めば華奢な肢体は歓喜に震えた。背後から腕を回し抱き締める腕の拘束を強め、小さな抵抗さえも封じる。「超大型巨人」の口内に放り込まれて焼け焦げてしまい、仕方なく切り捨て肩上まで短くなった柔らかな髪に触れ、そこに顔を埋めれば変わらない海の匂いに酔いしれそうになる。

「あっ、…ん…っ」

 身に着けていた海の胸の下から広がる真白な夜着の裾から滑り込ませた手が太腿から臀部へ、そしてもう片方の手でその胸元に手を突っ込むと普段潰されている胸が柔らかく肌になじむ。幾度も触れて覚えさせた。俺だけにしか感じないように、それだけですっかり快楽を植え付けられた敏感な身体は魚のように跳ねる。太腿に指先を沈ませ鍛えていても柔らかな臀部を下着の中に手を突っ込んで直に揉んだ瞬間。

「んぅ…ッ、」

 触れられた箇所から反応して甘い声で吐息を漏らした海が背中をのけぞらせて甘い快楽に享受し悦んでいる。相変わらず腰にクる声だ。普段の落ち着いた甘くないソプラノが艶めいた甘い艶声に変わる。俺しか知らない声、俺だけの…。

 離れていた5年間の空白、そして兵士を辞めていたその間に華奢で鍛えられていた兵士の身体だが、いつの間にか年頃の肉付きの良い肌質に変化していた。甘いその肌を堪能するように臀部を柔らかく揉みしだきながら夜着の胸元をずり下げると揺れながら剥き出しになった柔らかな胸を掴んだ。

「っ、ふ…ん…だめ…っ」

 裾からまくり上げればそのまま腕から引き抜けそうな、すぐ脱げそうな夜着なんか着やがって。たまらず舌打ちしてその胸を強く両手で内側に寄せてそのまま揉めば柔らかな脂肪に俺の指は難なく沈んで隠れた。

「てめぇ…こんな薄着でうろつきやがって…」
「あ、ごめんなさい…っ!」
「なんだ。下着も、つけてねぇのか…てめぇは」
「だ、だって…夜だし、寝るだけだし、それに、最近…服も下着もつけさせてくれなかった」
「俺の部屋では服なんか着なくてもいいだろ。それより、お前な…こんなに乳首おったてて、そんな刺激的な格好を免疫のねぇガキ共に見せびらかしてぇのか?」
「ちっ、違う…んんっ…!」
「見ろ、簡単に手が突っ込めて、乳揉めてるじゃねぇか…」

 暗闇でもわかる先端の淡い色して硬さを増したそれを弄り回す俺に海はまた甘い声を漏らす。さっきまで外にいた俺の手の冷たさに海は心臓を鷲掴みにされたように大袈裟に反応し、肩を震わせて不安そうにその色素の薄い瞳で俺の目をじっくりと熱を孕んだような眼で見つめ返してきた。

肌を伝う冷たい空気。だが交わる吐息は熱を持ち全身から火照るように熱い。

 何故か思い出す。あの夜の記憶。あの晩、無防備に眠る海は年の離れたまだ幼いガキだと思っていた。色気も何もない平面ばかりが目立つ、その身体に欲情どころかそもそもファーランと約束したはずだった。だから仲間に手を出すはずもない。いつまでもあどけないガキ。そう思っていたのに、自ら俺に差し出した身体。

「ああ、あの夜みてぇだな…」
「え…」

 武骨な指先が沈む海の素肌の感触が病みつきになる。海に触れた箇所から少しずつ、確かに灯る情欲に任せて本能で抱いたあの夜を思い起こさせる。何も知らなかった無垢な少女だった海を女にした。痛がろうが泣き叫ぼうが構わない。娼館で売れれば高値になるくらいの価値ある誰にも染まらない無垢な身体を暴いて女として大事な一度きりのモノを奪い、もう手遅れだったと気付いた時には戻れなくなっていた。痛みだけを覚えねぇように、俺色に染まるまで。幾度も、幾度も、覚え込み刻み付けた。俺無しではいられなくなればいい、俺が与える全てを甘受し、そして…。

「お前を初めて抱いた…あの夜を思い出さねぇか…?」
「っ…あっ、」
「純粋で何も知らねぇお前をこんな風にしちまった…責任は取らねぇと、だよな…。俺に出会わないままで居られりゃよかったな…海よ、なぁ、そうすりゃ、こんなに風になる事も、何にも、知らねぇマトモなままで良かったのにな…」
「っ…ふ…、」
「まだガキのヤツらも居んのによ…自分から抱いて欲しいとオネダリするような悪い女になっちまって…」
「っ…ご、めんなさ…」
「謝んじゃねぇ…」
「でも…あなたにもし、あの時、会えて居なかったら、…私はあの地下でそのまま死んでたよ…」

 純粋な女がどんどん俺の好みに染まる、俺だけしか知らない無知な海に教え込み、それからは止まらず、純粋な人間が煩悩には抗えずに乱れる姿、甘い声、白い肌、肉体を包む柔らかな肢体。飛び散らし迸るソレに。猛烈に興奮と快楽を覚えた。

「オイ、声は出すなって、言ったじゃねぇか…」
「んっ…!」

 獣の本能のような情欲に駆られて、腕を引き壁に押し付けて、背後から見えないように誰にも見られないように隠す。ガキみてぇな独占欲。窓から差し込む月明りも無い暗闇の中でならどれだけその本性を暴いても彼女は拒まない、暗闇に染まらない白に背徳的な興奮を覚えた。

「あっ、ああ、んん、リヴァイ…っ、」

 海の普段の凛とした兵士らしくない夜着のギャップにソソられながら、夜着の肌触りと心地良さで冷えるからこそ肌をただ、無言で重ねる。だが、このまま最後まで…欲望のままに犯す。恐らくそんな時間など無い、じっくり愛し合うのはここでは無理だ。海の夜着の裾をまくりあげ、それを猿ぐつわ代わりに海の小さな口に咥えさせると、下肢を寛げ、ベルトを外してこの状況にいたくご満悦に興奮した息子を露出させる。「ああぁ…」悩ましい声を上げながら海の履いていた下着を内側から手を突っ込んでそのままケツをむき出しにするようにずり下げると真っ白な果実みたいな尻から閉じさせた脚の間へ向かって擦りつける。

「あぁ、挿入れねぇから安心しろ…海…」
「っ…え…?」
「んな寂しそうな顔すんなよ…足を閉じて俺にケツを突き出せよ…安心しろ、「先っぽ」だけだ。こんなところでガタガタ言わしたらバレちまうかもな…こんな風に上官二人がしけこんだ場所でガキ共も明日から自分らのメシなんか作りたくねぇだろ…」

 流石にこんな夜更けに見張りの交代時間までは誰も来ないかもしれないが、それでもコイツみてぇに寝れねぇと水でも飲みに、近くの便所に、いつ誰が来るかも分からない場所で淫猥に耽けるのはさすがにまずいのは理性が勝る俺も理解している。ならばと、俺は身じろぐ海の言われるがまま素直にピッタリ閉ざした柔らかな太腿と太腿の間に先走る自身を擦り付けた。

「挿入(いれ)ねぇ。「先っぽ」だけ…擦るだけだ…」
「あっ…いやぁ…ダメダメ…っ!! あ…っ、ああっ、ああっ! んんっ! リヴァイ、あんっ、やめてぇっ、こんなの、いや、っ、ああっ」
「はッ…、なんだ……挿れて欲しいのかよ、ッ…はぁ、すげぇ…顔、してるぞ……っ」
「ひっ、あっ、んんっ、だめぇ、だめっ…」
「「先っぽ」だけって言ってんのに吸い込まれちまいそうだな…」

 何度も何度も刻みつけた、その敏感な身体、俺の愚息を柔らかな太腿をピッタリ閉じてその間を擦ってるだけ。それだけ。直接刺激も与えていないのに。太腿から粘着質な音を立てそのまま臀部から膣口をなぞって前の敏感な突起まで亀頭で擦り付ける。声を抑えられない位の快楽に変な声が止まらないと海はひっきりなしに甘い声を漏らし噛んでいた裾を口から離して仰け反った。その拍子に柔らかな両胸が揺れ、俺の胸板に柔らかな髪が触れた。鼻腔一杯に吸い込む海の甘い香り、ガクガクと震えて止まらない立体機動装置のベルトのアザが生々しい内腿に擦り付けているだけでじわじわと溢れる愛液、俺の先走りではないと知ると加虐的な笑みが浮かぶ。

「俺も…無理だ…お前のナカに入りてぇ…けどこんな場所じゃな…なぁ、海よ…お前っ…な、っ…いつもより濡れるの早くねぇか…?…ああ、やっぱり好きなんだな。こういう背徳的なのも…」
「っ、はっ、ああっ、いやあっ、ゆっくりしないで…っ、ああっ、んっ、」
「は…っ…悪くねぇ…、」

 ただ愚息を突っ込まず入口手前ギリギリで挿入れるか挿入れないか、擦ってるだけだと言うのに海の蜜は期待にどんどん溢れ出し、張りつめた陰茎に待ちきれずにクパクパと海の蜜が溢れる深淵がそのまま俺を飲み込もうとしている。膣は筋肉だ、相変わらず締りがいいそこに吸い込まれ、欲望のままに壁に押し付けて背後から思いのままに突き上げたくなる。

「は、…っ、ア…っ、海…っ」
「あ、んっ…んんっ、」

耳元で這う様に囁く「このままナカにブチ込みてぇ、俺のが使いモンにならなくなる位」優しくしてやりたい。最初の時のような、肉便器よりも扱いの酷い、欲のままに捌け口にしたくはない。優しくなんでも受け入れてくれるから…何もかもブチ壊してしまいたい衝動が足音も無く静かに忍び寄る。

 ここで後処理は出来ねぇ。ただ擦るだけ。と海に前もって言わせて自分で宣言しておきながら亀頭はもう海の胎内にまで収まっている。

「ああ、っ、クソ…っとに、」
「んん〜!!」

 先っぽと言ったが俺が無理だった…。

「あぁ、無理だ、…っ、な、ぁっ、」
「ん〜〜ッッッ!? んあ〜ッ、ああっ、〜〜ッッッ!」

 こいつのナカが良すぎるんだ。ザラザラしてそこに亀頭擦り付けるだけで長くは持たねぇし絡みついて3段階に分けて俺の愚息を締め付けてくる。生き物でも飼ってんのかよ、ってくらいに赤い粘膜に吸い込まれるようだ。背後からなら容易に届く敏感な入り口の子宮口、奥へ向かっていきなり突っ込めば海は唇を噛み俯きながら達した。その拍子に一気に脳内を稲妻が走るような衝動に腰をヒクつかせながらも何とか耐える。

「んっ、ああっ、ごめん、なさぁ、っ」
「は…あっぶねぇなぁ…オイ、いきなり締め付けやがって。てめぇ俺のを食いちぎる気か。声出すなって言ったのによ…」
「はっ、あっ、ごめんなさ、っ、んっ、あっ、嫌いになっちゃった…っ?」
「は、…馬鹿野郎。んなワケあっかよ、」
「んん〜!んあああ〜!!」

 それくらいで嫌いになるとかならねぇとか。相変わらず呆れるくらいコイツどんだけ俺が好きなんだよ、まぁ、…俺もこいつにすっかりハマって…いや、ハメてんのは俺だが。

「んっ、あっ、あ、あっ、あっあっ…ああっ…あんっ、はっ、はぁっ、はぁっ…はぁっ、あっっ!!」
「っ、はっ、すげ…っ…ああ、くっ…!」

 沈黙の空間に不似合いな激しい水音が響く。ガタガタと海が寄りかかっている台が揺れる。海の胎内は海の意思に反して蛇のように絡みついて俺の形を覚えるまで突っ込んでも締め付けて離す気配がねぇ。何度も擦り付けられる性器を飲み込もうと吸いついてはヒクヒクと動いて叫び出したいくらいに気持ちがいいがグッと堪える。

 俺が突き上げる度に重力に従い下向いてしょんぼりしたように触られないままの寂しそうに揺れる胸も忘れずに背後から持ち上げその先端を触りながらまた子宮口の奥を突けば海は行き過ぎた快楽に続けさまにイって敏感な身体を震わせて泣きながら達した。

「ッ…っあ、っく、リヴァ、イッ、う、っ、あっ、無理、あっ、あっ、んあ〜〜〜〜〜〜っ!!!」

 挿入れないと言ったのに!泣き叫ぶような声で抗議する海に心臓を鷲掴みにされたようだ。俺も時間差で達して零さねぇようにみっちり栓をする。

 残念ながらその決意は脆くも崩れ去った。無理だ。この締めつけに慣れちまえば離れられなくなる。弛緩していく海の身体を抱え、海が息を整えるのも待たずに我慢できず、また起立していく愚息に苦笑する。いい歳した三十路が毎晩ヤリまくったのにそれでも満足しねぇのかと。ズコズコとみっともなく腰を振りたくってしまう。

「声、我慢してろ」
「はぁーッ…ひっ…!!ああぁっッやめ、んっ、おっ゛っ、も、う、ゆるし、っ、んん〜っ!」

 理性が飛んじまい本気の喘ぎ声に変わる。このままじゃ普段の声とまるで違う甘い声で新兵が起きちまうじゃねぇか。声を殺すために海が必死に夜着の裾を噛むが激しく突かれて衝撃により噛みきれず唇から零れる普段の落ち着いた声とは違う、完全に雌と化した女の行為特有の甘い声、裾はまた広がり海と俺の繋がりあう下腹部を隠した。

 一度海からガチガチの自身を引き抜き海の肩を掴んでこっちに向かせるように振り返らせ、唇に噛みつくように漏れる吐息を塞ぎ甘い声を俺の咥内に招く。

「こっち(唇)で塞いでやる、舌は噛むなよ」
「やっ、無理、っ、だめ、もう、」

 すっかり海の大好きな片脚を腕に担ぎ今度は下から勢いよく突き上げる体位に切り替え連続しての行為に海から力のない悲鳴が上がる。もういい、頭の端では兵士として上官としての在り方を。と思うのに、目先のこいつとの行為に未だ溺れていたい邪な考えを捨てきれずにいるもう一人の本能を剥き出しにした自分がいる。

 片足だけの不安定な体勢を支えるため、海の両手を自分の首に回させ向かい合いながら立ったまま、唇に噛みつき引っ張り出した舌を出して激しく絡め合う。ついでに揺れる胸を自分の胸板で押さえつけてその柔らかな感触に夢中になる、こいつに出会う前、どんなに身体を重ねても唇…他人の体液を受け入れるなんてもってのほか、それなのに…こいつとは最初から同じ個体だったみてぇに…ああ、なんて顔だ。海、

「あっ、リヴァイ、っ!…あ、いや、ああっ、だめ…っ、やぁああんっ、あ、あ、ああっー!」
「あぁ、俺も……出す……っ」
「あ、い、い〜〜っ、きもちい、そこぉ、ああ〜っ…ごりごりしな…でっ…!それっ、だめ、すき、っ、あっ、リヴァイ、も、イくぅっ…ンン〜!!!」
「……っく、は……っ」

 譫言のように潤んだ眼で限界を訴える海の胎内が俺自身を締め付け、その締め付けの強さに俺の愚息も耐え切れずにびくびくと震えながら、海の胎内へ子種を植え付けるように、本能の土壇場でただ孕め孕めと子宮へどくどくと精を吐き出した。
俺と混じり合ったのをそのまま引き抜いて、床に垂らす前に全部ここに留めておけと、海の履いていた下着をずり上げ、そしてゆらゆらと揺すりながら送り込んでいた精液を零さねぇように。ズルンと抜け落ち萎えた愚息をしまう。こんな場所で我を見失い見境なく海を抱いた事を冷えてゆく思考の中で思いながら。ふと、気づいた。俺達の視線の先、入り口のドアの隙間、暗闇の中で鈍く光る漆黒を確かに見た。

「(誰だ…?)」

 漆黒の中に見えた真の闇それは。一瞬エレンかと思ったが違う。奴ならすぐわかる。それに、こんなに気配を消せるなんて…一人しか知らない。俺と似たような…野生の勘ってやつなのか知らねぇが根暗の陰鬱な雰囲気を纏う、押し隠せない漆黒の闇を秘めた瞳。

「あ、あん、あ、あ…ナカに、あっ、」

 一体いつから…。ミカサには今の今まで見えていたはずだ。俺に揺さぶられ、後ろからガツガツに貫かれた胸揺らして叫ぶ上半身裸の、海のあられもない痴態が。

「ん…あっ、リヴァイ…あっ、気持ちいいよ…っ、もっとしてぇ…先っぽなんて嫌っ、寂しいっ、あんっ、」

 俺が抜け出ていったことで寂しいと膣口を締めてねだる様に甘え、尻で俺の愚息をまた扱いて勃起たせようとしてくる。何度も何度も唇に頬を寄せて、華奢な腕を俺の首に絡める海。剥き出しの柔らかな足が俺の足に絡み、そして下着をつけていない剥き出しの胸が衣服越しにも分る。

「は…、」

 海からは背中を向けている状態だから気付かねぇようだが真横から一心不乱に乱れる俺達を彼女は見ていたらしい。抱き合いながらどちらからともなくキスをする。海はミカサが見ているにも関わらず、いつも俺が抱くときと同じ声をあげていた。
 ミカサはただ驚いてしまって固まっているらしい。男と女のまぐわいを見るのは初めてか? いや、こいつの興味はエレンだけ、興味もないか。だが、お前のその目はエレンと自分を重ねて思うのか。ミカサよ。お前も知らねぇ、俺だけしか知らねぇこいつの本性を知ってそれでもお前はこいつを姉と慕うのか。よく見てろ、こうやってこいつは俺の腕の中で女になる。成長期だが外見は俺よりも既にデケェが中身や経験はガキのままのお前もいつか経験することだ。

 俺だけが聞けると思っていた声も俺だけが口づけ出来ると思っていた肌を、晒して乱れる姿はどうだ。

「い…やっ、また…またいっちゃう…んっ、あっ…!」
「イケばいい、何度でも、見ててやる…」

 海が居ないのを心配して様子を見に来たのだろう、まさかこんなところで目線が交わるなど。俺は再び海の太腿に萎えた愚息を挟み、ゆっくり上下に擦る。俺達が繋がり合う光景が横から見える角度でミカサに見せつけ壁に手を突かせ、前につんのめる体勢で海のケツを持ち上げた。

俺はミカサに向かって静かに人差し指を立てた。
ミカサの息を呑む音が聞こえる。そして、その指先でくるりと弧を描き調理場の出口を示した。躾の出来ていない犬に命令するような、回れ右をする。

 俺に背を向け、俺の腕の中で甘えた子犬みたいに啼く海を腰から抱き寄せ、柔らかなその髪に触れ、ミカサを部屋から追い出した。審議所でわざとエレンをボコってからあいつが俺を恨んでいるのは知っているが…。今回の件でますます恨まれたな。

「あぅ、ぅっ、んぅ、っ、ああっ!そんな、奥まで…んんんっっ…」
「海…、」

 ここじゃあさすがにマズイ、そう思った俺は海の手を引き、愚息を突っ込んだままの状態の震える足の所為でうまく歩けない海を正面から繋がったまま抱きかかえて裏口から小屋の外へ連れ出す。山の空気に自然豊かな静かな無音が今は心地いいと思う程、この熱情に溺れている。

「あっ、いやっ、だめっ、あっ、あっ」
「は、声、出すんじゃねぇ…」
「あっ、ああっ、リヴァイの! あっ、硬い、っ、っんんっ」
「お前がそうさせたんだろうが…責任取れよ、海。お前の一番いい場所に突っ込んでやるから…受け入れろ。欲しがれよ…素直になれ、」
「あっ、んっ、ひっ…、」

 どこか遠くでは獣の遠吠えと、その家の近くで俺と交代して見張りを続けるジャンとサシャの声。
 どうやら、サシャは腹を空かしたからと貴重な食料を隠し持っていたらしく、ジャン怒鳴られているようだ。っとに、相変わらず落ち着きのねぇうるせぇクソガキ共だ。エレンが三年間共にしてきたダチとなら緊張せず本来の実力を発揮できるんじゃねぇかと思って選抜したが…。
俺の人選ミスかもしれねぇ。ここが見つからねぇようくれぐれも静かに、目立たねぇようにしろ。と、最初ここに来た夜に言い聞かせた筈が、誰も覚えちゃいねぇ。もしこの居場所が知られればエレンとヒストリアと海を隠している意味が無いだろう。耳のいいサシャが居る以上気を付けねぇとな。上官二人がしけこむ姿なんぞこれから共に行動するガキ共に…良からぬ影響を与えちまう。

海が甘く叫んだ声を唇で塞ぎながら、海によく似合う夜着を汚さない様に俺は自分の身に着けてい雨具を脱ぎ捨て草むらに放るとその上に海を抱き抱えたままの状態で押し倒した。

「あっ、んっ、待って、あっ、だめっ、ああっ、」

 そのまま背後から覆い被さり、項に噛みつけくように口づければ海は嬉しそうに華奢な肩を震わせていた。俺と膣口の間から垂れてきた俺達の交ざり合った体液が糸を引きながら今にも敷いたその雨具に垂れそうになる。指で押し込みながら四つん這いの体制で一気に突っ込んだ。

「ン、っく、は、海…」
「あああっ!! はぁあああ〜っ、」
「は、声、は出すなよ…聞こえちまうじゃねぇか…それとも興奮してんのか、外でこんな風に俺にケツ突き出して…ここに居る全員に聞かせてやろうか、なあっ、海?」

 精子を吐き出してもまだ止まらない。激しく腰を振りたくれば海の柔らかな皮膚に恥骨がぶつかり、ぱんっ、ぱんっ、と音を鳴らした。風の音に混じりながら聞こえる愛液がはじける音、俺達はサシャとジャンのくだらない話を遠くで聴きながら、動物の交尾のように伏せた上半身はそのままに腰だけを持ち上げ濁音を鳴らしてまた打ち付け始める。海は漏れ出す嬌声を俺の雨具を掴んで何とか堪えケツを持ち上げ続けるがさっきからガクガクと膝が震え、その上半身は雨具に完全に伏せって、ケツだけ俺に向けている状態。気持ちがいいのか、力が入らず、かといって逃げようとしても俺がガッチリ腰を掴んでるから逃がさねぇ。全てを受け入れる事しかできない。

「海…、っ、海…」
「あ、あっ、リヴァイ、あっ、んんっ、」
「「愛してる…」」
 唇を交わし、舌を交わり合いながらどちらからともなく声が漏れた正直な思いだった。ああ愛しくてキリがねえ。

 運命なんぞ信じたりはしねぇ。この心臓を自分以外の。それも女に捧げる日が来るとは思わなかった。だが、生涯好いた女、俺の一世一代の思い、ひと時の時間でも離れたくない。俺達を引き裂けるものはもう何も居やしない。例え、俺がいつかこの命を失ったとして。それでも、この胸に宿る思いは消えないだろう。こいつの中に俺の種子を注ぎ果て、永遠にその中で生き続けたい。愛を叫び果てる海の顔が見たくて俺は肩を掴んでそのまま胎内をぐるりとかき回しながら正面から横を向かせ、両足を肩に担いでそのまま真上から叩きつけるように種付けすべくその律動を激しい物へ変える。

 永遠に終わりそうにない、夜の闇に紛れ俺達は人知れず愛し合った。海の足の間から溢れるそれを掬い、そのまま海の口に運べば海は普段の笑みとは違う、うっとりとした半開きの口が艶やかな恍惚の笑みを浮かべ、それは嬉しそうに俺の指先を受け入れ甘く噛む。それは麻薬のように俺達をのめり込ませた。

 終わらない奴をくれてやる。さぁ、欲しがれ。
もっと、永遠に、

Fin.
 2020.05.09
【永遠に強欲/Side Levi】

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