Going Under | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

【メメント・モリ/Side Heroin】

生まれてから死ぬまでの間に果たして自分が何者か。だなんて、考える人はいるのだろうか。
恐らくはいないだろう。

物心つく頃から兵士だった私はただ、ただ、戦いに明け暮れる日々を過ごしていた。
抱いた初恋はあっけなく散った。

それでもいい、戦いに身を投じる事で自分という存在を私は確立させていた。
刃を振って、空を舞って、巨人と戦い食うか食われるかの瀬戸際、
同じ志を共にした仲間が食われる瞬間を目の当たりにしても、次第にそれが自分ではないことに内心安堵しては、命と命のやりとりをしている時は自分の存在が何者かだなんて考えずに済んでいた。

巨人の返り血は浴びてもすぐに蒸発するけど、胸に燻る火はどうしても消えなかった。
眠ろうとするのに身体が酷く疼いて眠れない。そんな夜。
次第に死んでいく感情が、自分という存在が、どんどん人間から遠ざかるような感覚さえ抱いた。

その火の消し方を知らずに過ごした。
あなたに出会いあなたに、女としての自分を暴かれるまで知らなかった。
この熱を解き放つ術なんて。
そんなこと…お父さんもお母さんも誰も教えてくれなかった。

壁外調査で多くの人が死ぬ度にその無力さを私は覚えたての身体をリヴァイに預けた。
リヴァイも私を求めてくれた。
そうして出来上がった関係を愛だと信じて疑わなかった。
もうこれで何者か探す必要なんかない、私は私、あなたの傍でただ存在するだけの。
まるで動物みたいに二人だけの空間で無言で仲間が犠牲になってしまったことやお互いの無力さ、行き場のない感情をこうして抱き合う事で発散してきた。
決して弱さや逃げなんかじゃない。

離れる間際まで路地裏で散々抱き合ったのに、あの時の感覚がもう消えてしまった。
だから、上書き更新をさせて欲しいと縋り付く私をリヴァイは静かに受け入れてくれた。

「お前がこんな風にボロボロになっちまったのは、あの森で無様に負傷した俺の責任だ。
エルヴィンの件でもう自分を責めるんじゃねぇ…もし、お前が死んじまって、そんで、エレンだけが戻ってきても…きっとお前を失った事を誰にも責めることが出来ねぇまま、お前の命を、故郷を奪ったあいつらを一匹残らず殺して、あの巨体から本体を引きずり出して本体を殺すまで俺はただ機械のように戦うだけの存在になっていたかもな…」

リヴァイのその言葉。
どこか冷えたようなナイフみたいに鋭い瞳に見つめられて背筋がゾッとした。
彼なら本当にそうなってしまいそうだった。
離れることと、死ぬことでは、意味合いがまるで異なってくる。

「上官として負傷したお前の身体を気遣ってやってるんだがな…お前が無事に帰ってきて安心している俺が居る。
お前といると俺は兵士じゃねぇ。俺はただのリヴァイになる…」
「うん、そうだよ。私も、リヴァイの前ではただの海になるんだよ」

ゴロツキと端金で売られた娼婦、
ゴロツキと仲間、
新兵と分隊長、
兵士長と一般市民
そして、今現在は私は彼の副官として傍にいる。
彼との出会いから今までもこれからも、長い年月で幾つにも変化した立場、関係だけど二人の思いはあの頃のまま、何一つ変わってやしない。

「私を…リヴァイで、埋めて…いっぱいに、満たして欲しい…」
「それは、俺のセリフだ。海。俺を満たしてくれ…お前が足りねぇ、どうしようもねぇくらいにお前を抱きたい」
「いいよ、私もリヴァイが欲しい、こんな状態なのに、こんな状態だから尚更生きてることを、感じたいよ…」

言葉が足りない私達、まるで肩を寄せ合う様にして寒さから身を寄せて温もりを、愛を求めあう動物みたい。
ならもうこれ以上は言葉を交わす必要はない。
ただ抱き合い、剥き出しの傷ついた裸の私をリヴァイはタオルでくるりと包むと、そっと膝裏に逞しい腕が通り、軽々と浮遊して、服を脱がないと分からない私しか知らない筋肉で盛り上がったその肩にしがみつく。

そのまま誰もいない無人の廊下を突き進みリヴァイの部屋の前に着く。

「もう、自分で歩けるよ?」
「いいから黙ってろ、」
「はい…」

優しい手付きで横抱きにされて、そのまま器用にリヴァイは足でドアを開けると、そのままなだれ込むように、無様に負傷した私をまるで壊れ物を扱うようにシーツの上に横たえる。
その私の上に跨る命の重量(重み)に呻く。
柔らかな豪華な作りのマットに私とリヴァイ。二人分の体重が沈んだ。

「ずっと聞きたかった。眠るお前に呼びかけていた。早くその声が聞きてぇ…と。なぁ、俺だけにしか聞かせねぇお前の声を、聞かせてくれ…」

傷だらけの私の姿を見下ろすリヴァイの鋭い眼差しが余すことなく視姦する。
その鋭い眼差しが「兵士長」から、ただの「男」の目に変化するその瞬間を、見逃さなかった。

傍から見たら無愛想に見えるし、感情の変化に乏しい彼だけど、彼はただ自分の気持ちを表情に出すのが苦手な、ただ、不器用なだけの人なんだと知れば目の前の彼がとても愛しくてたまらなくさせた。

104期生のみんなはきっと彼を怖い人だと思ってるよね。
そして、そんな彼にずっと恋をしてる私のことを命知らずの猛者だと言う。
だけど、みんなは知らない。誰も知らない、本当は誰よりも痛みに敏感で繊細な心の持ち主である、慈愛に溢れた彼の本当の姿を。

リヴァイのその切れ長の鋭い綺麗なグレイの瞳、口元の動き、離れている間に起きた出来事、不安でたまらなかったのは彼も同じ。

私が彼の立場ならきっと同じ気持ちだった。
神経質で繊細な彼だから、きっと不安で眠る事も出来なかったのかもしれない。
でも、この腕の中にいる間だけは壁外から来たお父さんの存在やその「名前」によって迫害を受けていたお母さんの事とか、自分が何者だとか考えなくてもいい。

私はあなたの為に生きてあなたの為だけに存在する私でいたい。
どんな出来事が起きたとしても、誰も私と彼の愛した記憶を引き裂くことは出来ない。

「きゃっ、」

突然、身体に巻いただけのタオルを一気に引き剥がされ、傷ついた裸体を隠そうとした私の両腕をそのまま頭上に掲げられる。

「あっ…いきなり…」
「よく見せろ、俺しか知らねぇお前を…」
「っ…恥ずかしい、よ…」
「何も恥ずかしがる事はねぇだろ、すぐに慣れる」

甘えるように、寄り添う様に抱き合いながら孤独を分け合う。
普段のリヴァイの死んだような瞳に微かにギラギラした獣のような光が見えた。
荒っぽく自分の兵団服に手を掛け、ジャケットを脱ぎ捨てクラバットを外し、シャツを脱ぎ捨てインナーも脱げば逞しい上半身が私の目の前で露わになる。
綺麗な鎖骨、手首や腰、骨格は細いのに筋肉質な胸板、肩、八つに割れた腹筋そしてその腹筋に向けていた目線を更に下に向けようとしたところをそのまま顎を掴んで静止されて私達はお互いに生まれたままの姿になる。
見つめうと、目の前の灰色は泣きそうなくらいに優しく弓のように細められているのに獣のように生を貪った。

「ん…あぁっ、」

私の裸の胸に当たり前のように埋まる顔、綺麗に刈り上げられセットされたサラサラの髪、私の胸の先端の突起は寒気からか頼りないランプの明かりに照らされて見られている興奮からか、早く触って欲しいと硬く起立していた。

「あ…んっ」

リヴァイの伸びた手がそのまま私の胸を優しく包むように揉んで、まるで生き物のように指先に沈み揺さぶられながらその姿と形を変えていく。

「俺の足もマトモに動けるようになってきた。お前をこのまま抱きてぇ。が、お前はまだ本調子じゃねぇのに酷だと思うが…辛くはねぇか?」
「ううん、平気、だよ…」
「なら…なるべく、加減はするが...こうしてお前を抱くのは久しぶりだから保証は出来ねぇ...。なるべくデケェ声は出すな、」
「ん...頑張る。けど…声を出させるのはリヴァイ、でしょう…?」
「は、違いねぇ…」
「ね、やっぱりせめて明かり…消さない?」
「は、暗闇で手探りでお前を抱けと??冗談じゃねぇ…お前の全身…余すことなく俺に見せろ」
「っ…んっ、分かった、」
「ああ、いい子だ」

両胸を寄せるように揉まれたり、突起を指や舌先でツンツンと突っつかれ、彼の頭を私の胸に押し付けるように抱き寄せる腕に無意識に力が入ってしまう。
まるでその先を催促するように...。
柔らかな胸に埋まるリヴァイの小さな頭をかき抱きリヴァイはそれに満足すると、歯を立てて私の口に指を噛ませていない方の手がもう片方の胸の突起を転がし、胸を覆うように激しく吸い付いてその刺激すら気持ちよくて身じろぐ度にシーツに皺が寄ってしまう。
彼に触れられる喜びに下半身が熱を持ったように切なく疼いて、たまらなくなって膝で擦り合わせてしまう。
すると、「そんなに待ちきれねぇのか、」
と、次第に欲に染まる私を楽しむように見つめるその瞳に射抜かれたまらなくて…両脚をすり合わせるように太ももでリヴァイの全身細身なのに服を脱ぐと屈強な肉体をしたいくつもの視線を潜り抜けてきたその強靭な腰を強く挟み込んでしまった。

「っ、お前…本当に、海か、」
「え…?」
「俺が何しても恥ずかしがって嫌だ止めろと騒いでたのに…自分から強請ってくるなんて…」
「あ、違、それは…駄目、汚いから…」
「隠すな。
俺はそっちの方が好きだ、どうしようもなく溺れてるお前は何よりも綺麗だ…」
「っ、あっ、言わないで…耳元で…」
「俺の声がそんなに好きか、」
「ぅ…意地悪、しないで…下さい」
「ああ…昔みたいだな、その喋り方…本当に可愛い女だな、お前は、本当に…」

耳元からこの人は私を溺れさせる気なんだ。
普段口にしない彼の愛の言葉はよけいにクるものがある。
浮遊した私の腰、無意識に硬くなったリヴァイのモノに押し付けるような形になっていて。擦れ合うそこから生まれる強い刺激に耐え切れず声を上げてしまった。

「あ…っ、んあっ、」
「っ、ああ、」

私の身体に投げ込まれた欲望にじぐじくと疼くソコをリヴァイがいつの間にかこの状況に興奮して雄々しく猛ぶったような熱で下着越しに擦る。
なるべく声を出さないように、咄嗟に口を噤むのに、興奮しない方が無理だ。
気道も声帯の熱傷も未だ治ったばかりで、声を抑えなきゃ、隣にはエルヴィンも同じ階にハンジの部屋もあるから尚更。
それなのに…、心とは裏腹に私の身体は彼の熱に反応してしとどに濡れてしまう。

「なぁ、海…まだ触ってねぇのに…こんなセックスのマネ事で濡れるようになっちまったのか?」
「っうっ、ひっ、ううっ、」

蔑むような眼差しに見つめられて身体がひくりと震えた。止めて、そんな目を私に向けないで。
たまらなく恥ずかしいのに、恥ずかしいと思う気持ちと裏腹にリヴァイの言葉に自分の意思と無関係に濡れてしまう。噛み締めた唇から漏れる吐息を抑えられない。このままじゃ。

「んっ、あっ…っ、…ん、」
「ああ、いいこと教えてやろうか…ハンジはモブリットと出張ってる。エルヴィンはまだ処置が終わるまではここには戻らねぇ…つまり、」
「っ…」
「残念だな。清純ぶって大人しそうな顔してる割にお前はヤッてる時の声を聞かれるのが好きなんだよな。些か物足りねぇかもしれねぇが…まだ本調子じゃねぇ、その声ならこれでも噛んで抑えてろ」
「え、あっ、むっ…ふっ」

重なる口づけににゅるりと差し込まれた舌を夢中で絡め合いながら深い場所で重ねる。声を抑えろと言われながらその行為が止むことはない、
そして暫し口づけを交わした後、伸びてきたのは綺麗に爪を切り、整えられた彼の小柄なのに太い指。指の太い人は...確か、

「オイ、口を開けろ、」
「ん、はい…」

あーん…と口を開くとリヴァイが「お前な、エロイ声をいちいち出すんじゃねぇ」と苦笑した。
彼が見せたの久方ぶりの笑顔が嬉しくて…心なしか可愛いと言いたくなってしまう程微笑ましい。等身大の姿が見れた気がして…。
私の口の中にリヴァイの中指と人差し指を束ねた指がニュル…と、入り込んできた。
これを噛んで声を抑えろって意味かな??聞くのは野暮だと思ったから、言われるままに入ってきた彼の指をどうか噛まないように、歯をしまい、口元をすぼめながら、この前の彼のそそり立つ大きなソレを口で愛した時と同じように舌を這わせた。

「っ…すげぇ…」
「ふっ、んっ、」

たっぷりと唾液を含ませ懸命にリヴァイの指を舐める私の浅ましい姿。
リヴァイのいつも睡眠不足で青白い顔色が次第に熱に浮かされていくのが見える。見上げるように指を彼自身に見立てて舐めていると、リヴァイは満足そうに穴が空くんじゃないかと思うほどじっくり見ていた。
その目つきの輝きの卑猥な事。
粗暴に見えるその口調の割に彼はただ育ての親の影響で口が悪いだけで、本心は触れる手はいつも優しい。
泣きたくなるくらいに優しく傷を受けた私を甘やかしてくれる。

息が絶え絶えになるほど、窒息死してしまいそうな程、抱いてくれる。
その時、リヴァイの手が私の裸のまま下肢の間に手を伸ばし、そこは自分でも驚くほどしとどに濡れていた…。

「ん、…あっ!」
「オイ、俺のくわえさせてたら噛みちぎられちまう所だ…」
「っ、ふぁっ、ん、」

そんな大層なモノをお持ちなのに、噛みちぎれる訳なんかないのに。
私が声を出さないように、彼自身の指をくわえさせたまま、リヴァイはそう比喩して囁く。

「あ〜…!んんんっ!」

不意に腰が浮いてしまい、擦れ合うそこがクチュリと卑猥な音を立てた。
擦り合うだけでまだナカには挿入っていないのに、恥ずかしいのに、私の下肢の間からは卑猥な音が止まらない。

「あっ!ン!んんっ!」

「…海」
「あっ、はん、ああっ…」
「すげぇな、こっちだけじゃねぇ…ケツまで垂れてるじゃねぇか...」
「いやっ、あっ…馬鹿、言わないでっ…」
「あ?バカだと?随分大きく出たじゃねぇか」
「キャッ、ごめんなさい…あっ!痛っ!そんな所…噛まないで…」
「ああ。すげぇな、…見ろよ、ヌルヌルだ、どんどん溢れてくるぞ…」

今も眠っているエルヴィンや忙しなく動き回るハンジに対して隣の私たちはこんな風に抱き合って求めあっている。
不謹慎だと分かっているのにリヴァイの、逞しいそれが何度も何度も入口をする度に、もうソコはリヴァイの熱が欲しくて自分の意思で溢れる水音を蕩けそうな愛撫を止めることが出来ない。
リヴァイはすっかり硬くなった逞しい自身で私の入口からもうとっくに硬くなっている突起まで何度も何度も往復させる。
その度に聞こえるグチュグチュとした音にビクビクと腰が震えてしまう。

私たちは密やかに寄り添いながら現実を忘れるように、こんな風に寄り添いながら片隅で抱き合っている。
仲間たちへの申し訳なさの中で、リヴァイはそれを見越したかのように余計な事を一切考えさせないように優しく囁く。

「だから、声は我慢しろ」

無言の私の上から見下ろす瞳はそう、言いたげで。
最近はリヴァイの上に乗って私が動いていた行為が今はリヴァイの怪我が落ち着いて彼は形勢逆転だと今までの鬱憤を晴らすかのように私の上に跨り貪るように私の全身を余すことなく強くなる。

「んんッ〜!!」

比喩する言葉、私を責めるような卑猥な言葉、悪魔だと思う事もあるけれど、その手つきは決して私を傷付けはしない、いつも泣きたくなるくらいに手と手を繋いでくれるし、何度もキスをくれる。甘い言葉と優しい眼差しで私をいつも抱いてくれる。
私だけしか知らない、彼の姿。

「あっ、んんっ、いやあっ、」

リヴァイの指を噛みながら私は声を抑えなきゃいけないのにそれとは真逆にリヴァイは私を感じさせようと胸の愛撫と硬くそそり勃つ自身の挿入を真似した擦り合わせだけで濡れた下肢の間に今度は当たり前のようにリヴァイのキスが落ちた。

「ひ、あぅ、ッ、んっ!っ……ひっ!
……っ!やっ……ァ!やっ、んん…!」

じゅるじゅると卑猥な音を立て、生き物のように舌が動き続ける。突然の予想外の刺激に大きな声が漏れてしまう。

「声を出すな」
「んんっ...!ふっ、んっ、」

枕を投げられ、私はその枕に必死に顔を埋めて声を抑えた。
リヴァイの鋭利な舌は敏感な突起からどろどろの膣口まで拭うように、全て舐め尽くしていく。
突起を覆っている皮をめくり、露になった粒を舐めながら吸い付き、舌先で突つかれた。

「あぁ...!!んんッ!んんんっ、んっうんッ〜〜〜っ!」」

私はまた腰をビクビクと跳ね上げて達してしまった。
もう辛いのに、リヴァイの屈強な逞しいその腕は私の腰をガッチリ掴んで離さない。

「あぁっ、だめっ、やだ…ぁっ…リヴァ...!あぁぁんッ」

埋め込まれた舌先、リヴァイ自身を何度も擦られるように広げられたソコをジュルジュルとした音を立てて味わうように興奮したような厚ぼったい舌が敏感な粒を転がすから腰が浮いて、立て続けに口の愛撫だけで私はイカされてしまった。

「さっきから、声を抑えろって言ってんのに…」
「ひぁ、っ、んああッ、あああッ!」
「意味ねぇじゃねぇか、」

そう言いながらリヴァイは私の噛み跡だらけの自分の指を引き抜きながらそれを当たり前のように舐め取りながら私を見つめる。
その瞳に射抜かれ下半身が切なく疼く。
私のしとどに濡れている下半身もその舌がその目が射抜くように見つめて舐めてるのかと思うと、イケナイ妄想が止まらない。

もっと、して欲しくて…抱いてほしくて、声が否定しても、嫌がっても、リヴァイの頭に手を置いて私の下半身に彼の顔を押し付けてしまう状態になってしまう。

「お前…舐められるの好きだもんな…あぁ、どんどん溢れてくるぞ」
「いやっ、ああっ、言わないで…無理ぃっ…もう、だめぇっ…!!」
「駄目か??本当に??いいのか?なら止める。お前も回復しねぇといけねぇからな」
「あっ!だめ…ッ、止めないで…っ、」
「なら、我慢だ。出来るな?出来たらもっとすげぇ事、シテやる」
「きゃっ、」

リヴァイはより私を感じさせるために、逞しい腕が腰を持ち上げ、あろう事か自分の端麗な顔の上に私をそのまま座らせたのだ。

「あっ、やっ、な、何、するの...?」
「明るいから丸見えだな、」
「っ、やぁっ...」

しなやかな指先で割れ目を開かれてまじまじと、息がかかる近くまで。なんてことを。その時、私の抗議の声が愛撫が始まったことで一気に嬌声に変わる。
私はそのままバランスを崩して彼の逞しい身体の上に俯せに倒れ込む。彼にお尻や下肢の間をマジマジと見られている状態だ。

すると、反転した私の視界の前には大きくそそり立った彼の太くて、逞しいそれが飛び込んできた。
綺麗な顔に不似合いな直視出来ないくらい暴力的なリヴァイの...。

血管が浮き上がりビクビクと震える先端からは先走りが溢れ、彼の「人類最強」と言うなの称号にふさわしい位に逞しくそそり勃つそれがいつもこの身体を貫いていると思うと…。

「ンンン!?あっ!だめっ、だめっ、それは...あああっ!」

予告もなしにグチュウウ…と伸びた舌がクニクニと生き物のように蠢き愛液は止めどなく溢れ声も抑えられない。

「っ…ん、舐めても舐めてもキリがねぇんだが…声もさっきから出しっぱなしだしよ、」
「っ、ひっ…んっ、」
「負担は掛けたくねぇ...声を出したら止めるか、」
「あ...っ…!」

リヴァイの逞しいそれを恥ずかしげに見つめている私に次の瞬間、愛液を掻き出すようにまた舌を埋め込まれる。

「あっ!ああっ!ひぁっ…あぁぁぁっ…!」

中指を差し込まれ、グプッ、グップと空気を含ませて音を立てる。
突起を舌で転がされ、埋まった中指で胎内を貫いて、突然の快楽に、耐えきれずに逃げるように腰を動かしたら大きな手で腰から尻にかけて力を込めて掴まれ動きを押さえつけられた。

もうダメ、これ以上は…。
そう思った瞬間、胸に残る期待と裏腹に舌が引き抜かれてしまう。

「っ、あ、っ、あ、...え...?」

酷い、こんな...こんな中途半端な状態で止めるなんて...。これは一体何の罰ゲームなの。

「え...あっ、ああっ、」

非難の目を向けようと私がリヴァイの顔面に跨る状態で、私の視界の先にはリヴァイの逞しいソレ。
私を美麗な顔の上に乗せたまま動かない彼に振り返る前にまた下肢の間に埋まる舌が、逞しくそそり立つ彼の自身を挿入した時の動きを模しながら動き出した。

「ひっ、ううっ!ンンー!!」

私は声を出したら終わりだと言うその悪魔のような囁きに抵抗するように、その快楽の逃げ場を求めるように、リヴァイのさっきよりも大きくなった逞しいそれに触れた。

「オイ、何しやがる…」
「んッ、むっ、...っ、」

リヴァイ自身も突然の刺激に抗議の声を上げる。
彼はこうしてこの行為に興奮して猛ぶったそれを口で愛されるのをあまり喜ばない。

リヴァイがこうして快楽を知ったのは、まだ子供の頃。たまたま歩いていた地下街で女の人に誘われてそうして突然こんな風に犯されてまだ何も知らない少年だった彼は突然その身体に女を、快楽を植え付けられそれはとても怖かったと、得体の知れない感覚に支配されただ、ただされるがままだったと。無様な過去を話していた。

だから、自らの意思に反した行為はあまり好まない。
私は抱きたい、私は余計な事はしなくていい。と、自分の下で喘いでいろと。

自分は私の下肢を喜んで口で愛してくれるのに。私だって、彼を感じさせてあげたいと思うのに。

女の人を知ってからの、リヴァイはそれからは地下街で欲を消化させるために仕方なく女を抱いたそう。
そして、その他人の体液に塗れる自分がおぞましく、今も忘れられないと言っていた。

恋しい女だから、お前は穢くはないと、言うけれど。
私の愛液でトロトロになりながらもしつこく愛撫をやめない潔癖症の彼はもう何処にもいない。

リヴァイは私の蕩ける其処を何の抵抗もなく舌や口唇で散々啼かせてきたのに。

「ん、んっ、ん、ぁ、あっ!ああっ!」

子宮の入口の指をくの字に曲げたところにちょうど当たる部分を刺激されると、次第に強い刺激に力が抜けたその瞬間、自分でもコントロール出来なくなりわたしは彼の顔にピュッピュッと愛液を飛ばして果ててしまった。

「や...っ、あんっ、...」

私に構わずその口元を拳で拭って…。
彼の顔を汚してしまった、潔癖症の彼の顔を...。
想像するだけでまた自分の意志と反してトロトロと溢れた私の愛液、ジュ、と吸い付き聞くに堪えない卑猥な音。
微かに掠れた声、熱い吐息がまたそこをお構い無しに...。ああ、ダメ、ダメ、また...。

「あ、あっ、イ、っ…く、あぁ、ひっ」
「ッ…いいぞ、また吹け、」

先端から迸る先走りでぬるつくそれに声を我慢するために、リヴァイは欲に染まり普段の潔癖症は名を潜めた。嫌だと言っても私への愛撫を止めないのなら…。

私は決意した。
私だけがこんなに乱され啼かされっぱなしなんて嫌だから…。
私が生きているのは、彼のお陰で、彼が今の私の支え。

「オイ、…っ、うっ…!、てめ、いいって、」

人類最強の暴力的なまでにそそり立つそれを睨みつけるようにもうそこまで猛っているのにまだ挿入(いれ)てくれない彼のそれを彼の唾液で光る未だ硬い先端と持ち上げた胸を寄せるように彼の逞しいそれを包み込んで、収まりきれない先端を口に含んだ。

「ッ…んっ、…くっ…!」

その時、うめき声と共にリヴァイの屈強な腰がシーツの上で跳ね上がった。

「っ!止せ、何しやがる…っ、」
「っ、ん…っ、」
「あぁっ、クソ...っ、てめ、いい度胸じゃねぇ…か」

お前は娼婦じゃねぇ。だからそんな事するな。強要もしねぇ。
そう言った彼の言葉を自分から裏切るように私はそのまま彼の逞しいそれと胸と収まりきらない部分で愛撫して快楽から逃れるようにお互いがお互いのそれで刺激して誘った。

「っ、はっ、...止めろ、...っ、なんだ、これ、くそっ」

胸で挟まれ先端を窄めた口で吸いながら覚えたばかりの下手くそな愛撫をやめない。
だけど、向こうのリヴァイも腰を跳ねあげ気持ちいいのか私への愛撫が止まる。

お互いの負けず嫌いの精神に火がつきながらいつも恥ずかしい部分を露わにさせられて喘がされたばかりの自分が嫌で、彼を私も気持ちよくさせたい一心で触れると、リヴァイも私に負けじと更なる快楽を与えようと激しく愛液を啜り取った。

「ンぁああ!ああっ、んぐっ、んん!!」
「ああ、クソっ…気が散る…やりやがったなてめぇ…覚悟しろよ...!お前が気絶してもハメまくってやる...」
「いやっ、ああっ、待って...ああんっ!!」

報復の私の愛撫に普段と違う快楽に驚いて、それでも感じるリヴァイの熱が余計に口の中で膨らんだ気がした。

吐き捨てるようにいきなり何本かわからないけれど中指以外の指も音を立て、私の胎内をズン!と貫き私はあまりにも強いその快楽に耐えきれずに口の中に収めていた彼の自身を離してしまった。

「ひぁあっ!あっ、んうぅっ...!」

その拍子に萎える事のない彼自身がブルンと震えながら私の胸の谷間から顔を覗かせた。
下肢を疼かせながら結局彼自身を気持ちよくさせてあげられないまま声を押さえろという彼の言葉も忘れて私は未だひりつく喉を叫びに変えて喘いだ。

「ヒッ、ああっ、...やっ、ああっ!」

とっくに臨戦態勢の彼自身を私の散々慣れきった胎内がゆっくりと彼を受け入れた。
私の上に覆いかぶさり、ヌプヌプと確かめるようにゆっくりゆっくり侵入してくる熱い熱に仰け反る腰を捕まれ、一気に彼の大きすぎる其れに貫かれて私は声なき声でわなないた。

「あっ、ひっ、んんっ、」

声以上にもう呼吸すらできない。声なき声が出ず、強い衝動に喉を通り抜け痛みを抱く。
私の其処はもうとっくに慣らさなくても良い程、そこはしとどに濡れていて、聞くに堪えない卑猥な音がひっきりなしに響く。
腰を引くと、ズルルル...と引き抜かれ、またズン、ズン、ズン、とリズミカルに始まる律動に甘く身じろいだ。

幾度かスタンダードな本来の体位で交わると今度は私の中を埋めていた自身を引き抜かれて、そのまま這いつくばった状態で今度は後ろから貫かれる。

「あっ、...やっ!」

後ろは嫌だ。顔が見えないから愛し合ってる実感が貰えないし苦しい。みっちりと臍の裏まで胎内を埋め尽くす熱に私はただどうすることも出来ずにシーツを握り締め、快楽から逃れようと上半身を起こすとリヴァイが私の両腕を掴んで後ろに引き、ズブブブ...と埋め込んでまた腰を動かす。腕を引っ張られているせいで仰け反った状態で上手く息が出来ない。

「あっ」

声を抑えるようにその熱を感じながら、今度は繋がったまままた仰向けにされて、グルリと胎内を掻きまわすその逞しい彼に一瞬チカチカと星が飛んだ。

「んぐっ、はっ、んんっ!!」

私は何度も何度も達してもリヴァイはまだまだ果てる気配がない。怪我していた足はもう大丈夫なの?
彼の身体を気遣う余裕さえも奪われ、与えられないままリヴァイの上に跨ってぎこちなく腰を振っていた今までの行為をかき消すように、リヴァイに真上から貫かれる。
グイッと軽々と片脚を持ち上げられ、頭上に掲げられればより奥深くまで繋がる。

「ンぁああ!ああっ!もうだめぇ!!はあああっ、」
「っ、声は…出すなって言ってるのに…」

もうお互いの意志では止められない、このままじゃ死んでしまう。
飛んでいきそうな思考の中、パン、パンと、肌と肌のぶつかり合う音が止まない。
指では届かない子宮の入り口の方までゴツゴツとノックするように彼の熱が迸る。そこをノックされる度に私は何度も何度もイカされ、声が漏れないようにリヴァイの激しいキスに呼吸さえ奪われそうになる。

「はっ、んんっ、あっ、あっ」

何度目かの果てに堪らず、その快楽から逃れようと身を捩るのに、そのたくましい腕に抱き込まれてまるで檻の中に閉じ込められたように離してくれない。
そして8つに割れた腹筋の先でお互いの下生えが混ざり合うくらいに激しい律動が私を抱きつぶそうとする。
両足を肩に担がれ、2人の繋がるそこを見せつけながらリヴァイは汗を垂らしながらニヤリとほくそ笑んでいた。

その笑顔に殺される。
一回、二回、私は仰け反らせながら3度ガクガクと震えながら達した。

「んん、むっ、はっ、」
「んんッー!!んっー!!」

大きな声が出ないようにリヴァイはねっぷりと、私の開きっぱなしの口に舌をねじ込み酸素を送るように呼吸が出来なくなっていた私に息を吹き込む。

骨の髄髄まで愛され、それでもリヴァイの逞しいそれは萎えることはなく私の中を突き進む。
その手は優しく私の律動の度に揺れる両胸を包んでゆっくり刺激してくるのに、下半身の動きはより一層その強さを増していた。

「っ…あぁ、はぁっ」
「んぁ……っ、ああ、あああ、リヴァイ、リヴァイっ...!」
「く……っ、んんッ...海...」
「あっ、...ああっ!」
「あ...っ、クソ、...ナカに...出す、いいか」
「ああっ、出して...リヴァイの、ちょうだい…!」
「っ…!出すだけで、いいのか、それで満足しちまうのかよ...」
「んんっ!あっ!ん!はぁっ!!もっと、奥まで来てえっ、指じゃ届かない場所まで、もっと、突いて…!」
「はあっ…ああっ…くっ、お前の望み通りに...」
「はぁ……んぁっ!!あああぁああーっ!!」

リヴァイが顔を傾けて私の小さな声が届くようにと耳を寄せてきた。
そのまま擦り寄るようにその耳に囁いて、自然とリヴァイの硬い筋肉質な厚みのある胸板に私の胸が潰れるのさえも刺激になる。

リヴァイの種子を根こそぎ搾り取るように、私の胎内が5年間の沈黙を埋め尽くすように、入り口が強く収縮して彼の大きなそれを扱く様に締め付ける。
全身が勝手にビクビクビクッ!と痙攣して、それに呼応するかのようにリヴァイの自身がドクリと脈を打って、逞しい背筋の浮かぶ背中を震わせながら...。

「んぁっ、…ーー!!!!っ、んっ、むっ…」

子宮口に叩き付けるように穿たれて、私が声を抑えきれずに叫びながら達した瞬間、リヴァイに唇を奪われた。息が出来ない。鼻から抜けるような声に明らかに大きいリヴァイ自身を強く締め付けながら呻くと、強く眉を寄せて、ビュクビュクと私の中に迸る勢いで白濁を散らして覆いかぶさって果てた。

「あ...ん、」

脱力しながらそのままリヴァイは普段の潔癖症の面影はどこにも感じられない。
また深く唇を絡め合い、私はされるがままに甘いキスを受け入れていた。
でも、リヴァイ自身は彼のようにタフで。そのまままた熱を持ち熱く反り返っていた。

今度は私を抱き上げ向かい合いながら真下から貫かれ抱きしめ合う。もう腰に力が入らないのに彼はお構い無しに私を貫く。

「ああ...!ああんっ!きもち、いっ、おかしくなるっ、」
「もう、とっくになってる、」

彼は、私が命をまた宿して幸せになれるようにと、離れていた今までの分も含めて私を抱きつぶす勢いで抱く。
もう若くないのに、疲れているのに無理してまで私を…。
対面座位で交わると今度はそのまま私を押し倒して腰を掴んで激しくゴリゴリと下から突き上げられ、私は枕に顔を埋めながらまた、達してしまった。

ビュクビュクと溢れる種子に、もし今子供が出来たらと、脳裏に過ぎる。
妊娠した兵士は基本壁外へ出ることは許されない。となると私は兵士ではもういられない。リヴァイのそばにいられなくなる。
でも、もし願うなら今度こそ…空に帰ってしまった私の命をまた。そう願う母親の自分が居る。

でも、今は兵士として、私は彼と共に居たい。
もう離れ離れは嫌なのに。女として、母として、兵士としての矛盾。

「あっ、あっ、んねぇ、っ、りヴァイ...っ」

リヴァイも、いつか私を遺して置いていくのなら。
あなたによく似た綺麗な顔の、綺麗な黒髪をした、可愛い子供が、欲しい…。

もし、もし...。いつかこの命が果てたとしても…私の生きた証は、あなたの生きた証もこの世界に残せるのかな。
一度淘汰された命がある。
もうこの先、子供が出来ないかもしれないのに…それでも私を抱く。
生を貪るように、これ以上お互いがどこにも行かないように。

ああだめ、…もう無理、腰に力が入らないのに

え、そんな事したら、もう無理、

息が出来ない、頭がくらくらする…。

「あっ、はっ、もう、だめ…だめ…」

もうとっくに下半身に力が入らない。
幾度目かの果てにリヴァイはとうとう私の胎内からズルン、と抜け落ちて栓を無くした其処からどろりとした二人の体液が溢れ、下肢の間を伝い2人の愛液で既にトロリと濡れたシーツに落ちた。
ぐったりと力を無くして突っ伏す私の腕をまた掴んで、そして、また深く奥まで繋がる。

「ああ、もう無理だ…止めてやれねぇ…海…」
「あ、はぁ、」
「お前とこうしてる間だけだ...お前を、感じられるのは...もし、このまま腹上死しても...構わねぇよな、いいよな...離れてた5年間が...そう簡単には収まらねぇ…だから、言ったのによ、」
「っ、ア、んん…」
「なぁ、もうどこにも行くんじゃねぇぞ…」
「うん…、うん…っ、行かない、行かないから…っ、離さないで…」
「ああ、離さねぇよ...死ぬまで、一緒だ、」

願うなら、もう誰も私たちを引き裂かないで。
巨大な力に今にも飲み込まれそうなこの世界の渦の中心に息づく中で、
たとえそれが不可避で、なおかつ不可能な願いだとしても、彼の幾度目かの果てに意識を遮断するまで、願わずにはいられなかった。

「ん…」

静かに目を覚ます、声がまた掠れてしまっているようで咳き込むと、確かに意識を飛ばすその瞬間まで傍に居てシーツが汚れるのも構わず潔癖症の皮をはがしたリヴァイの姿はもう何処にもいなくなっていた。
まるで彼が死んでしまったかのような不安に襲われる。
「人類最強」と呼ばれる彼が負ける訳なんかいない。
死ぬはずなんかないのに。

「まだ起きあがるんじゃねぇよ」
「リヴァイ…」
「居なくなったりしねぇから安心しろ、」

慌ててベッドから抜けだそうと身を起こそうとした時、下半身がガクガクと震えてそのまままたベッドに崩れ落ちると執務室からリヴァイの声がしてその声に安堵した。

「よかった…リヴァイ。居た、んだね…」
「声…大丈夫か…すまねぇ、加減なくやっちまって。
お前が居なくなると思ったら、抑えきれなかった…」
「いいの、私から、してほしいって言ったし…ね、」

あれから…どれだけ眠っていたのかわからないけれど、目が覚めたら私はリヴァイのシャツを着ていた事に気が付いた。私より大きな肩幅、袖、微かに香る紅茶の香り。
そういえばミケさんは兵士の中で一番リヴァイがいい匂いがすると話していたな…。
クライスは香水臭くて鼻が曲がるって…。

懐かしくなって微笑む私に「大丈夫か」と尋ねるリヴァイはもうすっかりいつもの「兵士長」としての姿、表情に戻っていた。
昨晩私が意識を失いかけても貫き続けた男の顔はもうそこには無い。
窓から見える外の景色はもうとっくに明るくなっているし、気を失うまで抱かれ続けてから私はしばらく眠っていたんだと言うことが理解できた。

「お前はしばらく休め。明日からその鼻の手術だ、俺は執務室に居る。ここにいる限りお前を狙う奴は誰も居ないから安心しろ。それに備えて今のうちに寝てろ」
「うん…じゃあ、」
「しばらくは静養してぇだろ、俺は執務室で寝る」
「え…?」

じゃあ今日は丸1日リヴァイと一緒に居られる…と喜んでいたのも束の間、リヴァイはそう告げるとまた執務室に行こうとしてしまう。
どうして?喉元から出かかった言葉に気付く前にリヴァイは泣きそうな顔をしている私に気が付くとベッドに腰かけポンポン、とまるで子供をあやすかのように昨晩の情欲に浮かされた餓えた獣のような瞳から、今は普段の兵士としての彼の眼差しのまま、そっと私に告げる。

「昨夜も散々抱いたのに…まだお前が足りねぇんだ。
今お前にガキが出来たらお前の願いを俺が奪うことになる…それなのに、足りねぇんだ…夜が来ればまたお前を抱きたくなる…やっと足もマトモに動けるようになってきて。今度はもう抑えきれねぇ、お前が傍に居ると思うと…」
「リヴァイ…」

どうしてこんなにも愛する人を愛して愛する程、こんなにも心細いのだろうか。
私は簡単に壊れたりしない、愛されたいと思うのは私も同じ気持ちなのに。

「それでもいい…抑えなくていい…」
「海…」
「私も、ね…5年間、足りないよ…女の人は1年男の人に抱かれていないだけでね、...その、処女に戻っちゃうって...クライスが教えてくれたの...」 
「っ...あのクソ歩く生殖器野郎…海に余計な事ばかり吹き込みやがって…」

リヴァイが比喩したその名前の人はもう何処にいない。みんな、みんな死んでしまった。
優しいミケさんもナナバさんもゲルガーさんも、クライスも、そして、ハンネスさん。
ハンネスさんも死んでしまった。
お母さん、お父さん...またみんな、死んでしまった。
ハンネスさんの事、迎えに来たの?
ミケさんも?
クライスも?

私の壊滅した班の中で唯一生き残ったクライスまで死んでしまった。

次は誰が死ぬの?嫌だ、考えたくない。

「ハンネスさんも...クライスも、ミケさんも…もう、何処にも、いない...」
「ああ、居ねぇよ、死んじまった。
虚しくなるな...俺たちは何のために...いや、いい、」
「リヴァイ...、」
「考えてもあいつらはもう...帰ってこねぇ。
死んだ人間の話をしても残された俺たちは生きていくしかねぇ...このクソみてぇな世界を...お前の故郷を取り戻すまで...」

もういいよ、もう、考えるだけ辛いから、
今はただ、いつまでもリヴァイとこうして居たい。

「リヴァイ...どうか、あなただけは...
死なないで、」
「海...」

言葉が拙い私たちは死んだ仲間を悼み、そしてまた身体を重ね合わせた。

「あっ、はっ、...んっ、私が、する、から...」
「は、無理すんじゃねぇよ」

今度は私が上になりながら夢中で腰を振る。
ぎこちなかった動きがだんだん自分のイイところを目掛けて当てられるようになって。
下から時折激しく突き上げ、私は仰け反りながら唇を噛んだ。

「あ、あっ、リヴァ...いっ…ん、あぁ、ひっ」
「ッ…出る……!」
「あっ...!ああっ、も、壊れる...っ、」
「海...、」

いつ死が訪れるのか。分からない。
あなたが死ぬのが先か、私が先に死ぬのが先か。
死がふたりを分かつまで。
出来るのならば、あなたと一緒に死にたいと願うけれど、でも私はこれ以上多くの者を失い続けているあなたを置いて先には死ねない。

例え...もしこのまま死んだとしても、あなたを愛してあなたに愛された記憶だけは一生誰にも奪わせはしない。
もし...。
そう遠くない未来、いつかこの命が終わる日が来ても、この世界が終わりを迎えたとしても。

もしあなたが逝ってしまったとしても、私が先に逝っても、どちらも寂しくないようにたくさんの家族をこれから築けばいい。

そうすればきっと、あなたとの思い出を胸に私はこれからも生きていける。

Fin.
2019.12.02
※夢主はウィスパーボイス(囁き声)で喋っています
【メメント・モリ/Side Heroin】

prevnext
[back to top]