Going Under | ナノ
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【あの日と同じ夜空の下で】

「えっ、あの…!?リッ、リヴァイ!?」
「海…」
「あ、…な、もう、行かなきゃ…」

繰り返される彼からの甘い口付け。幾度もこの腕に抱かれて...こんな状況だと言うのに、このまま彼の腕に抱かれてもいいと願ってしまう浅ましい本性を見透かすようにリヴァイの鋭い眼光がこちらをじっくりと見上げている。

そんな中、突然、当たり前のように海に誤解させ、彼女を傷つけた事への贖罪か、許しを乞うようにその鋭い双眼は甘い熱を孕んでこちらを見つめている。

確かに今ウォール・ローゼが突破されたと。
そんな緊迫した状況の中で路地裏の人影も街灯もない暗闇で包まれたここを通る者は誰もいない。

リヴァイは目ざとく見つけた木箱が積まれた建物と建物の間に海を引き寄せ、そのまま柔らかな肢体に手を伸ばしていた。

「リヴァイ、あの…っ!?」

しかし、こうしてのんびり抱き合い愛を確かめあっている場合じゃないのは百も承知。
しかし彼の腕から逃げる事が出来ない。

ウォール・ローゼが突破されたと。
そんな緊迫した状況の中で路地裏の人影も街灯もない暗闇で包まれた2人だけの空間となったここを通る者は誰もいない。

「あっ、んんっ、待っ、て、あっ…」

忽ち甘い声に変わるキスにただどうしようもなく溺れた。
ここから離れたら2人はしばし離れ離れになる。初めての別行動にリヴァイはあの日を重ねていた。

母が死に、あの男が去り、そして…イザベル、ファーランも去り、そして海までもが...居なくなってしまう。
また自分は置いていかれてしまうのか?
その鋭いグレイの双眼は海を真っ直ぐに見つめていた。
まるで今から非力な草食動物である自分を捕食しそうな飢えた目付きで。

「まだ、行くな…行くんじゃねぇよ」

早く戻らなければハンジが、みんなが待っている。それに早く南西へと行かなければ...。
それなのにリヴァイは離してくれない。
こんな風に性急に求めてくる彼の姿なんて見たことない。いや、これが本当の彼なのか?

たまらず彼の眼差しを見つめればそこに居たのは、人類最強と呼ばれ崇められるこの壁の世界の救世主ではない。
負傷し、弱りきった愛する男の姿だった。

「リヴァイ…?あの、んんっ、」

その時、リヴァイは懇願するように見つめ、その逞しい腕で海を抱き抱え、歩き出そうと背中を向けていたその身体をこちらへ方向転換させると、自分よりも小柄な海を壁に押し付け、真上から食らいつくように幾度も深いキスを落とした。

「ん!
…んんっ、は、あっ!」

吐息と共に漏れる甘い声は彼の口腔内に吸い込まれていく。抵抗さえも許さないねっとりと薄い唇から割れた厚ぼったい舌が海の逃げ回る舌を捕まえて離さない。

益々エスカレートするように深まるリヴァイからの甘い甘いキス。寸劇のようなうっとりするような優しいキスではなく、互いの口の周りはどちらかの唾液かも分からないくらいに濡れ、これはまるで本能を暴くようなキスだ。

幾度も彼の力強い雄々しい腕に抱かれた海の身体はそれだけで甘く疼き、5年前と何も変わっていないお互いの愛する思いを重ね合ってから、その空白を埋めつくす勢いで抱き潰しにかかる。

「あっ…リヴァイ…、」
「海…」

戸惑う目線、たどたどしくも漏れる甘い声、暗闇に視界が慣れてきた頃。
夜の帳に包まれた路地裏の片隅。
いつも、2人は静かに寄り添い、静けさの中に確かに宿る愛の中で、狂おしくなるほどにその絆を確かめ、深めてきた。

沈黙の中でリヴァイは、海の両腕を簡単に片手で一纏めに掴み上げ、海の腰の後ろに回して固定すると、空いた手でリブニットを鎖骨まで押し上げ、露になった下着に包まれた両胸が揺れながらリヴァイの視界に映った。

「あ、っん…、だめ、っ、ああっ、見、ないで…見ちゃダメ、」
「どうせ暗くて見えやしねぇよ、」

戸惑いながらも露になった真っ白の肌から目を反らす事は出来ない。中心に寄せられ、白くですべすべの柔らかな谷間。そこにゆっくりと顔を埋めて。
その甘い海の肌の温度と香りを忘れないように鼻腔に閉じ込めた。

「あっ…んあっ、ふっ、むっ…」
「海…っ」

リヴァイが耳元でその「名前」を呼ぶだけでたまらなくなって、足腰も立たなくなりそうだ。
しかし、力強いその腕がガッチリその腰を支えて離してくれない。

「あぁ、…」

耳殻に唇を寄せ舌を覗かせて囁く甘い声、脳内まで埋め尽くすような水音にピクピクと跳ねる腰。
目の前のこの人は分かっていない。その低く甘い声に自分が弱いと言うことに...。
海の耳元で囁けばたちまち腰砕けになる。

それを知ってか知らずか、リヴァイは熱を孕んだ低音で海の全身から理性に包まれ頑なだった心を、そして抵抗する余力を容赦なく奪っていく。

「こうしておかねぇとお前がどこかに行っちまいそうだ…」
「リヴァイ…」
「お前といれば居る程離れがたくなる…」

今もこうして自分の心を奪い、乱すのは彼だけだ。
だから、またこうして心も体もひとつに繋ぎとめておかなければまた海が居なくなってしまうのではないか。リヴァイはそんな不安が拭えないまま俯く。

「大丈夫、だよ?私はちゃんと、ここにいるから…、ね?」
「海、」

自分よりも小さな海の手が自身の頬に触れ、包み込まれるようにお互いに瞬きさえも忘れそうになるほどに食い入るように見つめ合う。
ふ、と乱した吐息の中で見つめ合う彼の眼差しを見た。何処か怯えたような。
強固な精神力を持っているリヴァイが人前では見せない、自分だけしか知らない本当の愛しい彼の顔。
ただ1人だけの、男の顔。

「リヴァイ…、」

目の前で自分を見つめる彼は人類最強でもなんでもない、誰よりも失うことに酷く怯える、地下街で必死に生きていた幼い頃の彼に見えた。

あまりにも弱々しい姿に胸を打たれ海からリヴァイに口付けそのまま柔らかな胸に抱き留めていた。
このままこの彼を離してしまえば、抱いていなければ壊れてしまいそうなのは自分ではない、彼の方なのかもしれない。

幾度も失い続け、幾度も仲間を見送ってきた仲間の亡骸の中で佇む男。
これが、本当の彼の姿なのかもしれない。

そして先程までのやり取りで彼を酷く傷付けたのだと後悔した。彼と誤解や些細なことで意地を張ってしまい傷つけた自分。
彼の言葉をどうして1番に信じてあげられなかったのか。
不安になる度にこうやってお互いはお互いこうして存在しているのだと、抱き合い、そして温もりを確かめてお互いの絆を確固たるものにしてきように肌と肌で抱き合い、言葉が拙い自分達は動物のように本能をさらけ出しこうしてでしか確かめあえないのだ。

二人の間にもうこれ以上の遮るものなんか要らないのだと。
今からそれを身を持って証明するのだと。
薄っぺらい言葉を何百回囁くよりもたった一度だけ肌と肌を重ねあえるのなら。
もう、二度と離れることがないように。
リヴァイはただそれだけを切に願う。

「んんっ…は、…」

失う事に本当は誰よりも敏感な、置いていかれることに誰よりもトラウマを抱えているリヴァイを海は拒む事なんて出来ない。

自身の腕の中に海を隠すように抱き締めながら男は下着を押し上げ、柔らかな双丘を露わにしたのだ。

「あっ…!だめっ、それは…!?」
「…確かにダメ、だな...暗くて何も見えやしねぇ」
「んんっ、違っ、ああっ、そう言う意味じゃ…っ!」

暗闇の中手探りで愛し合う。
お互いの顔も暗闇に慣れてきた目でやっと認識出来るような暗闇の中、誰も居ない路地の片隅、密やかに愛を重ね結びあう。

下着からふるりと零れた柔らかなふたつの膨らみから見えた淡い色の突起。
顔を埋めると開かれた唇がそれを目敏く見つけて、そのまま舌で器用に転がしながら海が抵抗しないのを確認する。

後ろ手に拘束していた腕を解けは海は大人しくリヴァイの衣服越しでも分かる逞しい肩に両手を置き、腰を低くしたリヴァイの目の前にちょうど見える両胸をされるがままに好き勝手に弄り回され、甘い声で身じろいだ。

「あっ!ンンっ、っうん…!あっ、」

幾度抱いても、その理性を捨てきれない海のぎこちなくて控えめな甘い声が好きだ。

もっと、もっとその甘い声を聞きたい。
無骨な手が海の胸を鷲掴みにし、むにむにとその柔らかな感触を楽しむように揉みながらも束の間の限られた時間の中でのお互いの5年間のわだかまり、誤解が解けたあとの行為に溺れていく。

「っ、あっ…ダメっ!」
「ダメじゃねぇ…隠すな、」

戯れに触れながら海はまだ捨てきれない理性の中、その腕の優しさに絆されながら、まさか…本当に最後までここでするつもりなのかとリヴァイに目で訴えかける。

路地裏だからといって人がいつ通るか分からないのに。ましてこんな所を憲兵にでも見られでもしたら…公然わいせつで捕まったら…。
こんな非常事態に何してるんだとハンジの激昴する顔が浮かび、調査兵団で一番怒らせると恐ろしい事になるハンジを怒らせる前にと彼の腕から離れようとするのに、自分を求めるリヴァイの手つきは止まらない。

「待って、ハンジが、…!あっ、んっ、リヴァイ、待って…っ、だめだよ、っ、あなた、まだ怪我治ってないし、こうして抱き合うなら、帰ってきてから幾らでも…っ、」
「なら殴ってでも止めろ…!」
「リヴァイ…」
「俺自身でも抑えきれねぇ…こんな風に…、お前と抱き合ってる間にも状況はどんどん悪くなっちまってることも理解してる…だが、駄目だ、お前をこのまま行かしたくねぇ…どうしてもだ、このままお前を失いたくねぇ…」
「リヴァイ…」
「もし、今こうして離れたら…お前とこのまま永遠に離れちまいそうな気がする。そう思ってたまらねぇ…嫌な予感が、消えねぇんだよ…」

人類最強と呼ばれる男の、人前では見せない姿に海は胸を打たれた。

「リヴァイ…」

弱々しい人類最強でもなんでもない彼の姿に海は庇護欲をそそられ、居た堪れなくなって、リヴァイのサラサラの髪を抱き寄せそのまま胸に抱き留めていた。
こんな時に気休めの言葉では彼を安心させてあげられない。自分は絶対に彼の元から二度と消えたりしない、孤独を与えてはならない。

「リヴァイ、っ…リヴァイ…!大丈夫なんて言葉、調査兵団で...使ったら、いけない、って分かってるし、5年前…何も告げずに貴方の傍から勝手に居なくなった私の言葉なんて、もう信じられないと思うけど...私、そばに居るよ、ずっと、リヴァイの傍に…居る、から…」
「誓うか。今度こそ、もう離れねぇと…?」

これが「誓約」だと。
男は本気の眼差しで見つめている。
外で、日中は人が行き交う路地の片隅、夜にリヴァイに双丘をさらけ出しながら海は戸惑いながら調査兵団のマントを解いた。

ジャケットを着ていない上半身のニットは鎖骨付近でたくし上げられたまま引っかかっている状態で、両胸が露わになる中、海はマントを腰に巻き付け、リヴァイの頭を抱えるように抱き寄せていた。

「っ、あんまり、…見ないで…」

傍から見たら分からないようにと下肢を隠すと、自ら履いていた黒のズボンのジッパーを自ら引き下げ、彼の身体にブーツを履いたままの脚を絡めて耳元で囁いた。

「海…約束だ…俺からもう二度と離れることは許さねぇ…いいな」
「はい、っ、」
「約束だ。海、」
「うん、うんっ…」

普段の落ち着いた海の声が行為になると甘えたように高くなり、たどたどしいものから甘い悲鳴へと変貌を遂げる。

暗がりでは分からないだろうが、その表情は耳まで赤く染まっているのだろう。
たまらない。下半身の熱は下着越しでも分かるほどに熱を放ちたがっている。
自分は海のこの声に弱いのだ。こんなにも求めた女は生涯、ただ、一人だけ、海だけでいい。

もう誰も自分の元から去って欲しくない、あの時のように置き去りにされたくない。
自分が不出来だからあの男も去っていったのかと30年以上過ぎた今も悩み苦しみが消えないのだ。
幼い頃の少年だった自分は今も膝を抱えたまま、あの日から時間が止まったまま、尚も叫んでいる。
今も疑問符が消えない。

ー「ケニー、何故お前は俺を置いて消えた?」
その答えの出ない疑問符は今も彼を苦しめる。

絡み合い縺れるように口付けを交わしながらリヴァイは木箱の上に腰を下ろすとその上に海を抱き抱えて座ると貪るように口付けた。
を振り払うように。
自身はきっちり貴族のように私服を着ているのに海は自身の膝の上で胸をさらけだし下肢も履いていたズボンは足首までずり落ち、上品なレースをあしらった下着だけ。
下着さえも脱がせるのも、もどかしい。
いつまてモタモタしては居られない。
早急にその隙間から指を埋め込めば、ソコは自身のキスと胸への愛撫だけでクチャア…と、粘着質な音と共に、ねっとりとリヴァイの指に絡みつき、しとどに濡れていた。
そんな風に触れないで、しかし、リヴァイは普段の潔癖症が感じられないほどこの行為に溺れている。
昨夜彼の部屋で抱き合い確かめていた余韻もまだ残る中で、男はその卑猥な水音に一気に下半身に熱が集まるのを感じ、そして目の前の、清楚なのに下半身の淫らな海に堪らず耳元で低い声で囁いた。

「あぁ…やっと思い出したみてぇだな、お前のナカ、俺のカタチに馴染んでるな…」
「あっ、ハアッ、嫌っ…言わ、ないで…っ」
「しっかり思い出して、偉いぞ…」
「ンンっ!」
「よく思い出せ、思い出すまで...頑張ろうか、なぁ?


目の前の飢えたケモノのような、興奮しきった冷静なのにその瞳に宿した情欲と射抜くような双眼に見つめられて、海は下半身の疼きを止められない。トロトロと溢れる愛液をどう止めたらいいのか自分でコントロール出来ない。もう栓をしなければ止まらない。

「あっ、ンん…っ」
「っ、…」

大きくて無骨な男らしい手が無遠慮に胸を揺さぶり、言われるがままに誘い誘われ導かれるように。
愛撫もそこそこに、がっつくように。
リヴァイは木箱に腰かけたまま煉瓦造りの建物に背を凭れるとそのまま海の腰を掴んで自身の膝の上に軽々と乗せた。
いつの間にか下着から取り出し既に臨戦態勢の自身で、彼女の濡れそぼったワレメを探り当てるように何度も擦る。

「あっ、ひ…!?んああっ、」

一瞬、女なら容易に感じてしまう繋がり合う部分より上の突起を何度も亀頭で擦られ、海は息を詰まらせながら甘くのけ反った。

「おい、誰かいるのか?」
「っ!?」

ふと、聞こえた声に海が慌てたようにリヴァイに目線を合わせた。
路地裏は不気味なほど静かで、この混乱で大通りに人が密集してるのかと思いきや、まさかこんな外れにまで人が居るなんて。と、慌てふためいた。
まさかこんな裏路地まで逃げ遅れた避難民が居ないか、探しているのだろうか。

「いや、だめ…!だめっ…!」

小声で囁くようにリヴァイにこれ以上はもう止めてと懇願する海。
強靭な精神力を持つリヴァイならここで情欲に燃える炎を抑え込んでくれると信じたが。

うっすら雲間から射し込んだ星の光に照らされた彼のギラリとした視線に海は悟る。
口から漏れそうな声を必死に両手で抑え込んで、快楽から溢れる甘い甘い声を我慢する海。

しかし、リヴァイはそんなもの気にするなと言わんばかりにふ、と一瞬何かを考え込むと、近くを通り掛かる人の声に驚いた海に構わず、そのまま真下からズンッ!とお構い無しに海を突き上げたのだ。

「ひっ、んんっ!んむぅっ、」

抱き合うように真下からの挿入は深く、リヴァイに幾度もの行為で貫かれて初めは痛みしか感じられなかったのに、今は何度も突かれて感じるようになってしまった子宮の奥の部分に当たり、あまりの刺激にもんどりうった。

「このまま、気付かれたら…どうなるのか、分かるよな、」

低い声で囁かれ、ゾワゾワと身の毛もよだつような刺激に海は必死に唇をかみ締めて吐息を漏らさぬようにと必死に堪えるも、目の前の男はそれすらも奪い去っていく。

見つめ合い、そして抱き合い、見上げるように見つめる男の目に射殺されてしまいそうだと震え上がる。
男は海と繋がりあうこの空間を見つからないように海を抱き寄せながら海はリヴァイの足がまだ完全では無いために下から突くタイミングで腰を緩く動かし始める。

「こんな途中で止めて辛いのはお前じゃねぇのか…?」
「っ…んんっ、」

ヒソヒソと、誰にも聞こえないように。
耳元で囁きあう声はまるで2人だけの秘密の会話。
リヴァイも海も今更こんな半端な状態で止められない。

リヴァイは海の漏れる吐息を唇で塞ぎ、両胸の愛撫を繰り返しながら海は腰を上下させる動きに合わせて、屈強な腰の動きだけで真下からズンズンと貫いた。

引き抜く度トロトロと溢れる愛液にたまらず腰をビクつかせ、腹の奥まで届きそうな逞しい彼の猛ぶった自身に貫かれてもう何も考えられなくなってしまう。

「ひいっ、んあっ、んっ、ひぁぁー…っ、」
「声、抑えろ…聞こえちまうだろうが…」
「んっ、むうっ、…はっ、んあっ、」

キスをしながら舌と舌を絡め、漏れる声はあまりの快楽にどうすることも出来ず溢れる愛液が繋がる部分から伝い落ちるようで、このままではお互いの服が使い物にならなくなるとリヴァイも履いていたスラックスを引き下げ上は着衣したまま下肢を寛げ繋がり合う部分をマントに隠しながら求めあった。

「っ、っ…は、海…っ、」
「んあっ、あアッ、ひ、んんっ」

息が出来ない。苦しさでリヴァイの厚く硬い胸板を叩き、離れるとリヴァイはふるふると揺れる柔らかな胸に顔を埋めた。
人形みたいに華奢な肢体に目立つ胸の柔らかさを堪能しながら舌でチロチロと舐め、首筋を辿りまた重なる唇。

「はアッ、ンッ、んむっ、っ」

トロトロに蕩けた顔に溢れる愛液を垂らし、ヘコヘコ腰を揺らしながら先走りでヌルヌルした先端から溢れる白濁が愛液と混ざり聞くに耐えない卑猥な音色を奏でていた。

ズルルルルと引き抜き、ズチュッ!とリヴァイ自身が再びズン!と胎内の奥深く子宮の入り口まで押し込まれ、その度にリヴァイ自身から伝う愛液がトロリと溢れて、海は空いた口が塞がらない状態でただ、ただ、声が漏れないように身悶えている。

こうなってしまえば後はもう果てまで止められない。
理性を捨てて、本能だけしか残らない。
誰よりも淫らで可愛らしい、自分だけの愛しい存在。リヴァイは心ゆくまで抱き締めていた。

「んんっ、んあっ、はあっ」
「っ…く、」
「あっ、リヴァイ…っ!」
「っ、声を押さえろ…お前のそんな声、誰にも聞かせたくねぇ…」
「あっ、ああっ、出来なぁ…っ!ああっ!!」

叩きつけるような粘着質な水音を立て、幾度も真下から貫かれて海は涙交じりにもう無理だと訴えている。
しかし、それは出来ないとリヴァイは一向にその行為を留める気配が無い。
自分は未だ一度も達していない。それどころかこの路地裏での行為に興奮し、その行為はますますエスカレートしていく。
海の華奢な腰を抱え、腕の力だけで海を持ち上げまた下から突き上げる、漏れる吐息を塞ぐ愛撫に唇と唇で塞ぎ合い二人の間を銀糸が顎を伝い落ちた。

「ひ、ああっ、も、だめぇっ、」
「今更止めるか…?なぁ、出来るわけねぇだろうが…」
「ああぁ、っ、んん…ひっ、んぁっ!」

上半身を反らした事で余計に深い場所を擦り付けられ、仰け反りながら達した海はもう声を押さえることが出来ない。
自身の負傷した足を抱え直し、一番深い場所で繋がり合い、そして手と手を結んで確かめ合う。
今も思う様に動けない足を庇いながらの行為に幾度目かの果てを迎えた海が苦し気にリヴァイの胸板にもたれて荒っぽい呼吸を繰り返していた。
上になった体位での、限られた時間の中で求め合う。
自分で思う様に動けないもどかしさに苛立ちながらも海はもう幾度も達し、腰を動かせそうにない。

密やかに愛を育む場所に適していないこの場所での行為に理性等もう既にない。もし2人が密やかに愛し確かめ合うこの状況が見つかれば…。もう弁解することも出来ない。
しかし、海はリヴァイに真下から貫かれて声も抑えきれずにいるのに、苦しくて仕方ないのに、彼に貫かれながらも彼を求めてしまう…。
どうか、この瞬間が永遠に続けばいい、果てなんかなければいつまでもいつまでも繋がっていられるのにとそう思った。

「んっ、ンンっ…!」

慣れてきた海の腰つきが無抵抗なリヴァイの上で種子を絞り取ろうと、気持ちいい箇所を擦られ甘く咽び啼く声は紛れもなく海だった。

「んあっ、はっ、ああっ!」
「時間が惜しい…しっかり捕まってろよ、」
「えっ…!?ぁっ、ああっ、んああ〜っ…!?」

ゆっくりと確かめるように動いていた腰をリヴァイの無骨な手が掴んで、揺さぶりをかけてきたのだ。
リヴァイもキツく締め付けられ肉壁に扱かれながら限界が近いのか勢いよく突き上げ、

「んぁっ、ああっ!ダメえっ…!んんっ!ああっ、」
「っ、確かにっ、駄目だな…」
「んあっ、はあっ、ああっ!だめぇっ!ダメっ!」

ズップズップと捏ねるような、叩きつけるような律動がより一層深まって、海は仰け反りながら身悶え、ビクビクと震えながら達してしまう。

雌の顔を浮かべる海の乱れる様を眺めながら男は吐息を漏らしながら激しく下から突き上げ、開かれた子宮口をゴリゴリと擦り続け、海は甘い声を漏らして2度目の絶頂を迎えた。

しかし、リヴァイはまだ満足していない。

「ああっ!無理いっ、ダメぇっ、ああっ!壊れる…!ああんっ!!」
「っ!ああ、俺も、壊れちまいそうだ…」

クセになりそうだった。
離れていた期間を埋め尽くすような行為にこんなふうに上も下も余す事無く繋がって。
抱き合いながらも激しく絡み合う唇、時間は待ってくれない。
もう行かなければならない、お互いのそれぞれの為すべきことを為す為に。
しかし、この行為がいつまでも続くようにと2人は我を忘れて抱き合いリヴァイはやがてその海の中に自分の熱情、全てを注いで果てるのだった。
そしてまるで栓をするように、自分の温もりを海の胎内に刻むこむように暫しそのままでいた。

「海…必ず、帰ってこい…」
「それは…命令…?上官としての…それとも、」
「どちらでもねぇ、兵士としてではねぇ…俺個人の、私情だ…」
「リヴァイ…」
「海」

息を乱しながら力強い腕の中、抱き合い確かめ合う。
どうか、もう二度と離れる事が無いようにと…、足音もなく迫る足音、湧き上がる不安に今こうして見つめ合う瞬間、願うしかなかった。

いつも無邪気なイザベルの利発的な笑顔、優美に微笑むファーランの優しさ、全てが当たり前のように存在していた、いつまでも続くあの日々からいつの間にかこんなにも遠く離れた場所まで来た気がする。

だからこそ、2人は誰よりも今を見つめ合って。
調査兵団で一番怒らせてはいけないハンジに怒られるのを覚悟で海は行き過ぎた快楽の果てに涙交じりでリヴァイの腕の中で自身の身体を満たすリヴァイが穿った熱をいつまでも確かめていた。

「っ…んんっ」

海はゆっくりと引き抜かれたリヴァイの感触に身悶え、甘い声を漏らした。

「あぁ、そんな声出すんじゃねぇよ…止められなくなるだろうが…」
「ごめん、なさい…」
「俺も…まだこんなもんじゃ足りねぇ…この足のせいで思い通りにならねぇが…早く治すつもりだ…だから、お前も何としても生き延びろ」
「っ…うん、」

もう行かなければならない、暫しの別れ、だけど、束の間の時間だけでも離れたくない。
だからー…離れ離れの彼の熱を忘れないようにと、海は臀部に強く力を込めて彼の感触を忘れないようにと自身の身体の中に閉じ込めた。
ー…私だけが彼をこんな風に愛せるのだと言う、優越感に支配されて。

彼のこんなにも泣きたくなるほどに愛おしげに自分を見つめる眼差しを独占できるのは自分だけなのだと。
抱き合い、見つめ合い、泣きそうになり、時に愛が見えなくて不安になったとしても、もう迷うことはない。
誓いの指輪に込めた永遠の思い。ここには2人だけの愛しか存在しないのだから。

その上空。
あの頃の記憶。地上に出た頃にイザベル、ファーラン、リヴァイと、4人であの日見上げた星空のように。美しい空は優しく見守るように2人の行く末を見つめていた。

fin.
【あの日と同じ夜空の下で】

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