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【破壊衝動/Side Levi】

閉ざされた世界が全てだった。
地上に、壁外に出てからも同じ。
降りしきる肌を伝う血のように生暖かなそれは……ああ、これが雨か。
雨は嫌いだ。そう、嫌でも思い出しちまう。
あの日の選択を、ただ、無力だったあの日を。
永遠に失われた命、
もう二度とそれは戻らない。

「いいか、ドチビ。この世界で生き延びてぇのなら…くれぐれも女には気を許すんじゃねぇぞ。痛い目に遭いたくねぇならな。ほんの少しでも心なんか許してみろ。
まぁ、お前ぇみてぇな愛想のねえ、言葉も拙ぇチビガキに惚れる女なんざ、果たして世界中の何処を探しても見つからねぇと、俺は思うがよ…もし、そんな奇特なヤツが居たとしたら、死ぬまでにぜひ拝んでみてぇもんだな…」


かつて共に暮らした男との記憶。ヤツは酒を呷りながら俺に女がどんな生き物か、何度も自分自身にも言い聞かせるように繰り返していた。姿を消した今となっちゃあそれはヤツの実体験に基づく教訓だったのかもしれねぇが。
言われてみりゃあそうだ。あれから女という生き物を味わったが、事が済めばそれまでで。それ以外のやり取りにそんな仮初の言葉、意味なんかねぇ。
この世界を生き抜く処世術。一瞬の油断が命取り。いつ背後から刺されるか分かったもんじゃねぇ。
裸体を晒し無防備な状況を決して見せるな。
片時もナイフは手放すな。
出すモン出して用が済めばそれまでの関係だ。

反吐が出そうに甘ったるいその場しのぎの言葉が、髪を撫で甘い声で囁き、見つめ合う事が明日の命すら保証されねぇ世界には必要無い。常にこの身一つで切り抜けてきた。甘く脆い言葉は直ぐに砕け散る。この世界は昨日まで語らっていた相手が一瞬で目の前から消えるのが常だ。

「ねぇリヴァイ、」
「何だ」
「…いよいよ、明日なんだなぁと思って、」

海は俺の執務室兼自室がある部屋に居た。宛てがわれた椅子に腰かけ呑気に紅茶を飲んでいる。純粋無垢な白い寝間着姿の海は初めて肌を重ねたあの日を思い起こさせた。こうしていると、まるであの時地下街で寄り添い暮らした海との日常がまた戻ってきたかのような錯覚さえ抱かせる。

今朝古城の荷物を纏め、あいつら4人の遺品を整理し、1ヶ月ぶりに戻ってきた兵団本部。相変わらずの塵や埃ひとつない俺の部屋。
1人の部屋は、1人の夜は、余計にまだ個室ではなかった兵舎でファーランとイザベルと海が来ては騒いでいた頃や古城であいつらや海と過ごした騒がしい記憶を蘇らせ、余計にやるせなくさせた。

だが、そんな中でまだ海は今も生きていて俺の手の届く場所にいる。そんな俺の心情を察したのか、もしくは俺と同じ気持ちなのか。その無垢な瞳の奥に押し隠せない慈しみを感じた。

「あの、」

ちびちび冷ましながら紅茶を飲んでいた海の華奢なその手首を掴んで黙って向かうは奥にある寝室のベッド。そのまま無言で連れて行き、黙ったままベッドに突き飛ばし、俺の真下には人形みてぇに静かに伏せられた睫毛、年端のいかねぇガキみてぇなあどけない顔立ち、小さな体。
だが、着ていたものを全て奪うように脱がせれば忽ち女になる。

「ああ、悪いもんじゃねぇよ、」
「ん?」
「ああ、何でもねぇ。唯の独り言だ」
「そ、そうなの?大きな独り言だね…やっぱり疲れてるんじゃ…」

それは去りゆくあの男に向けた言葉だ。首を傾げる愛らしい目の前の、こいつに出会ってからの俺の人生は一転した。嫌なほどその言葉を教えた男の言う通りに思い知ることになる。俺の前から去っていたあの背中に。今も呼びかけている。

「大丈夫だ。問題ねぇ、」
「えっ!?」
「なぁ、ヤリてぇんだろ?」
「っ!」

図星か、本心を見抜かれて黙り込む赤い頬。
結局身体は嘘をつけないのだ。わかっている。

「の、割にお前は俺の部屋に来るのが好きみてぇだが…夜這いにしちゃあずいぶん大胆だ」
「あっ、それは……そんな、つもりじゃ…ただ、お話がしたくて…」
「話か…、そうか」
「大丈夫…?リヴァイ、やっぱりずっと寝てないから顔色も良くないよ?疲れてるのに…」
「……は、」

いや、俺だけじゃねぇ。こいつもこの部屋に来た時から求めていたのだ。特別作戦班壊滅の事実をそして、その首謀者がかつて3年間面倒を見てきたガキだったこと。その身に受けた屈辱、無念、無力を俺に抱かれる事で忘れようと。
耳殻に口付けそのまま耳元から犯すように囁けば海は可哀想なくらい濡れたように赤く染めて。俯きながらこくこくと小さく頷いた。

「なぁ、海よ…俺の前では遠慮も建前もいらねぇ」
「ん、ンンっ…それは……っ!」
「相変わらず、素直じゃねぇな…まだ、5年分の埋め合わせが出来てねぇぞ」

海は俺の声が駄目らしい。ただ耳打ちするように囁く俺の声だけで淫らに堕ちていく。縺れあいながら抱き合い、裾がめくれてしなやかな足が剥き出しになる。着ていた真白の夜着を脱がせれば、更に白い下着姿の海を暴く。俺好みの清廉な白、そしてそれを汚すどす黒い欲望。

何処も彼処も柔らかな硬い筋肉の落ちた柔らかな肢体。5年前よりも一回り実った胸を俺の胸板に押し付けながらキスをして欲しいと不慣れな体制で俺の上に乗っかり強請ってくる甘えたな俺の女。恥ずかしがり屋な癖に、時に大胆に、時に淫らで。
いつもこんな風に俺を求めてくれりゃあいいのに。そうすれば何時でも望むままに応える。恥ずかしがり屋でウブでマゾな目の前の女が普段の清楚で貞淑な理性を捨てて甘い声で乱れる姿を見られるのはほかの誰でも無く。この世で俺だけだと、自惚れていたくなる。

「あっ…はぁっ、」

いつものように甘く口付け割り入れた舌を差し出せば海もそれに応え、無我夢中でお互いにキスをした。その間にも衣服を脱がせるのは忘れない。海も俺の私服を脱がせながら互いに裸になる。ああ、鍵は…まぁ、いいか。こんな夜中に誰も来ないだろう。

包みを解くように海の身体を柔らかく解していけば伸ばしっぱなしの長い髪が揺れる。俺のために伸ばせ。と、そうして別れて離れていたその間も今も律儀にそれだけは頑なにそれを守ってきたのだと知りたまらなくさせたもやはり長い髪の方が似合う。
5年間の長い長い空白の日々はより互いを離れられなくさせた。そして再び繋がり合う身体に俺たちは溺れ、そしてその関係はより強固なモノになる。

「海、」
「あっ、んっ、」
「疲れが溜まってんだ。なぁ、癒してくれよ」
「っ……んんっ、だって!」
「今更かよ、」
「んあっ、だって、昨日も、一昨日もっ……」
「5年間誰ともシテねぇ俺を褒めてくれねぇのか、」
「っ、んんっ、よし、よし…」
「オイオイ、俺は犬か?」
「そ、れは…」
「お前みてぇなガキに飼い慣らされるのも悪くねぇか」

まるで飼い犬を褒め宥めるようなその手つきに、自分より年下の若い女にこうして抱きとめられ、そっと髪を触れられるのはどこか男として思う所があるが、それでもその手を失いたくはないと今度こそ、そう願う。
理性を失った猛獣に食い荒らされる飼い主か、それでも構わねぇ。なぁ、どうすればいい、どうすればお前を永遠に繋ぎ留めていられる。

「なぁ、嫌なのか?止めるのか?こんなに硬くしてるくせによ…」

比喩する直球的な言葉に海が赤い顔に大きく口を開けて叫んだがそれさえもかき消す唇を奪う。
「ヤツ」もかつてこんな風に女と関わり俺と同じ感情を抱いたのだろうか。どんなに愛し合い抱き合おうが境界線が消えねぇ事も、愛すりゃ愛するほど…この体温の違いに、柔らかさに触れていつか失うこの世界への虚しさを身を持って知ったのだろうか。だからこそまだガキで女の何たるかを知らねぇ俺にそう教えたのか。

「あっ、んあっ、はあっ、」

下着の留め具を外せば揺れながら肌と同じ白い胸が揺れながら早く触って口にしろ、と誘う。俺の上に乗っかり甘く息を乱して両胸の硬く起立した頂きを転がしながら首筋を唇で辿れば海は嬉しそうに眉を寄せ身じろぎながら素直に感じている。
そのままくたりと、脱力する肢体を反転して今度は俺が覆い被さる。馬鹿みてぇな力が湧き上がったあの時から急激に増加した俺の体重に押し潰されてしまいそうな海に問いかける。

「オイ海、気持ちいいのか?乳首ビンビンにして…赤くして、なぁ?」
「っ、んっ、あっ、はぁっ……気持ち、いい、」
「素直じゃねぇか、」

果実みてぇに赤いそれを口にせずにはいられねぇ。こいつを見てるとたまらず触れたくなる。余すことなく全て暴いて、こいつの隣にいるのは悪いもんじゃねぇ、それは今ならヤツにハッキリ言えんのかもしれねぇ。あの男は言うが、心底愛した女を抱くのは決して悪くはねぇ。



「あっ、んあっ、あぁ、ああっ!もう無理ぃ!ダメ、ダメなの…んああ…!」

甘い声が無人だった寝室を埋め尽くしていた。あの日消えたあいつみてぇにこいつも一度消えた。あの日の俺を置き去りにしたままで。願うなら、もう二度と、もし失うのならせめて真白なままで安らかな微笑みを浮かべていつまでも俺の部屋に囲っていたい。絶対的な快楽を与えて身も心も俺無しで生きられないように。

「ん、んうう、んあ〜っ!」

何度目かのオーガズムにビクビクと震える海の両足。腰が浮くくらいの強い刺激に足の間に当たり前のように顔を埋め、硬くなったクリトリスを吸いながら舌でしごき、中指と人差し指で何度も胎内のざらついた箇所へ指をワザと空気を含ませてグチュ、グチョと往復させてやれば聞くに耐えない卑猥な音色、悲鳴みてぇな喘ぎ声が響く。

「あ、ああっ!ダメ、ダメなのっ!っん!んあ〜〜〜!っ!」

普段の落ち着いた声から明らかに行為特有の甘く鋭い高い声に変わって。
力を入れていないと快楽に負けそうだと両足を思い切り閉じて俺の頭を締め付けながらまた脱力した海。まだ俺の息子も受け入れていないのに上も下もグズグズで、息も絶え絶えだ。

「なぁ、海よ…あんまりんなでけぇ声出すと隣のエルヴィンに聞こえるかもな」
「っ!」
「あの野郎はお前の初恋なんだよな、」
「ちが…う、」
「あ?何が違ぇんだよ」
「っ…エルヴィンは、恋じゃない…、私をこんな風にしたのは…こんなに好きなのは…リヴァイだけ…だもんっ、」

その声は隣の団長室に居るエルヴィンにまで届いてるのかもしれねぇ。こんな風に口で愛するなんてこいつにしかしたくねぇと思った。
指で海のワレ目を開いて、比喩された言葉にケツまで愛液垂らして甘く乱しながらもその思考は目の前の好いた女を抱くも別の事を考えるのは男の性か。

「なぁ、お前の声聞かせてやれよ、初恋の男によ…セックスが大好きな淫らな女に成長したって見せつけてやれよ、あいつもお前の声聞いてシコってるかもな、」
「やぁっ…!言わ、ないで…っ、」

海をイジメながらも思考はここでは無いどこか別の場所に居る。危惧するのは明日の事。エレンが王都に引き渡されちまう。だからこそ作戦を立てた。エレンを失えば今度こそ調査兵団は終わりだ。壁外調査は凍結され、

「もうっ、むりぃっ!ああっ、ん!壊れる、おかしくなっちゃうのっ!」
「海」
「はっ、あっ、ねぇ……っ、どうし、たの?」

ー…こいつの故郷は永遠に失われる事になる。
母親の遺体を回収出来ねぇまま。調査兵団が失われれば俺達は今度こそ本当に壁の中で息絶える。

「やら、やぁっ! あああん!ぁ、もう、ダメえっ!苦しっ、死んじゃう!死んじゃううっ!」
「人はこんなモンで死なねぇからもっと頑張れよ」

施していた愛撫で散々目の前の海を乱れさせ、仰向けになり両足を開いて俺に貫かれたくて、でも簡単には与えない。焦がれてがくがくと震えていた華奢な手首を掴んで仰向けに寝そべった俺の腹の上に乗せる。堅い体に柔らかな肢体が肌になじむ。

「なぁ、俺の上に乗って動いてみろよ。治るまではお前が頑張るしかねぇんだからよ、」
「アッ、んっ、でも、っ…怖いっ、気持ち良すぎて…おかしくなるから…っ」
「やれ。
なぁ、イキてぇんだよな?いっそ怖いくらいにおかしくなってぶっ飛んじまおうぜ。ほら、ココにゴリゴリ擦り付けてアンアン言いたいんだろ?なぁ、」
「〜〜〜ッ!」

女型の本体の捕獲作戦作戦が始まると思うと緊張と第57回壁外調査で特別作戦班壊滅という絶望に叩きつけられたあの日の悪夢、親族に遺体を見せられない程に最も残虐な方法で殺された仲間たちの無念の死に顔が気持ちが高ぶってどうしても眠れない。

「今だけは…何も考えられなくなる方がいいだろうが」
「リヴァイ…」

して、
微かに呟いた小さな声が俺に求める。海は浴びたグンタの返り血もまだ忘れられないと、突然降りかかった悪夢を振り払うように俺の腕の中で微睡みながら幾度も求めたのにそれでも俺自身を求める欲求に抗えずに再び獣のように温もりを分かち合う。
明日に備えて早く休まなければならねぇ、身体を気遣うなら今すぐ眠るべきなのに、昨晩も夜更けまでヤリっぱなし、

「〜〜〜ンンッッッ!!!!」

真下から一気に貫けば海は言葉の代わりに悶絶して軽くイッた。
俺の代わりに託した刃。俺の持つ「兵士長」とやらの権力を使い今度こそ傍に置いた。もう二度と離さねぇと誓いそれでも目の前の女を死地へ送る。海に作戦の全てを託さねばならねぇこの現状に、俺の手足となり俺の刃として。5年間の空白を超えて、再び俺の前に舞い降りたこいつをまた失う日が来ないことを願うしかない。

「ひゃぁぁぁっ!あっ、んあーーーっ!」

これ以上手を汚さずに綺麗なままで隣に微笑んでいて欲しい海に調査兵団の存続がかかっている。彼女へ託さねぇとならねぇこの現状が歯がゆい。この使いモノにならなくなっちまった足が、激化する戦いに巻き込みたくねぇと、安全な場所で民間人として、ただの女で暮らしていて欲しい海を再びこの世界に引き込んじまった。いつか悔やむ日が来るのだろうか。
だが、離れたことで余計に思いを繰り返して、判明したが、こいつの故郷は巨人共に食い尽くされ唯一の母親も亡くした。そして2度目、こいつはまた巨人の脅威の前に引きずり出され、そして俺の目の前でその命を賭けて巨人から2度目の故郷を奪還した。
ハッキリ判明した。俺の目が届く場所。俺の傍に居なければ…こいつは死ぬ。俺を置き去りにまた1人、逝っちまう。と。

「んっ、ああっ、んああっ!」
「海、ああ、クソエロいな、たまんねぇよお前は本当に」
「っ、いい…、あっ、もうっ……!アッ、んぁっ!んああ〜っ!」

腕の力だけで海の腰を掴んで、持ち上げて、真下からの挿入だと俺の息子は海のイイ所をゴリゴリと刺激しちまうようだ。
ガクガクと肩を震わせパクパクと口を震わせてまた海は俺の上で長い髪を振り乱し甘い声で胸を激しく揺らしてイッた。

「あっ、んあっ、ああっ、もう、おかしく、なる……!」
「なっちまえよ、おらっ、なぁっ、イイんだろ?ここが、」

繋がり合う下からは聞くに耐えない卑猥な音がする。負傷した足のせいで満足に動けない俺の上で淫らに腰を振る、腕の力を緩めれば自らのクビレで上下に、前後に、この数日で上達した腰使い。その度に激しく揺れる胸が、程よい肉付きになった相変わらず締まりの良い膣内が俺の愚息をより締め付ける。

「んあっ、あぁっ!もう、だめぇ、あっ、あっ、リヴァイ……リヴァイ!」
「止めんじゃねぇよ、」
「あっ、んアッ!」
「っ…く……っ、なぁ、我慢しないでイケよ!」
「ンン〜!!」

下からは腰の力だけで突き上げ、女が主導権を握る体位だが俺に抱き上げられがっちり腰を捕まれ真下から責められ痴態をさらす海の姿が普段とのギャップに当てられそうになる。行為に明け暮れているのに、未だに恥ずかしいといつになっても純粋で、俺に余計罪悪感を植え付けてきやがる。

海、もう俺無しでは生きていけなくなればいい。どちらかが死ぬまで終わらない。

「なぁ、海よ。俺と、お前、果たしてどっちが最初に死ぬんだろうな。」

次々と脳裏に浮かぶ仲間たちの悲鳴、血、無念を込めた瞳が俺達を見つめている。その中に俺の選んだ4人が加わった。だけ、

「ああっ!んあああっ、一生、一緒が、いいっ!」
「お前は俺を看取るって約束、守れよ。何としても……生き延びろ」
「んっ、ああっ、ひぁっ、ああっ、もう、ダメえっ!ダメえぇ!!」

行き過ぎた快楽に涙を流しながら海はイキながら何度も頷き瞳を閉じた。人殺しが巨人殺しに変わっただけの俺も、お前の腕の中で逝けるのなら楽園に行けるだろうか。
明日に備えて早く休まなければならないと分かっているが、眠れずに仲間を失った、この行き場のないぶつけようのない虚しさを暴力のようなセックスにぶつけた。

親の愛も、人への愛も温もりも知らずに育った俺はこいつをこうすることでしか満たしてやれない。
だがな、ー…

エレン。
てめぇみてぇな得体の知れねぇ力に飲み込まれてこの世界の理すら覆しそうなクソガキに尚更こいつを明け渡す気はさらっさら、ねぇんだよ。まして、こいつはもう俺の虜だ。俺無しでは生きていけないように身体に教えこんだ。お前みてぇなガキには刺激が強すぎるような事をこいつはやってのける。

「…ハ…ッ、イキそうだ…、もう出す、」
「ああっ、いやぁっ!中は、ダメ、」
「もう遅ぇ…、」
「っ、はぁ、っ、ああっ、出てる、出てるのっ!」
「ああ……っ、しっかり受け止めろよ、」
「んああ、ああっ!あっ、うあっ、ンあ〜〜っ!」
「はぁ……、っ、やべぇな、……」
「あっ、ああっ!来て、ああっ、リヴァイ、あっ、ああっん!ぁうっ、ああ〜つ!!」

何度も仰け反り、行き過ぎた快楽に両胸を揺らしながら許しを乞うかのように連続でイキ続け、俺も中にドプリと放出した。勢いよく愛液が飛び散り、シーツを、互いの身体を汚した。どうやら気持ちよすぎて潮でも吹いたのか漏らしたのか…海は真っ赤な顔で戸惑いながら俺を見ていた。

「吹いたな」
「っ…」
「いい、気にするな。どうせまだ終わりにしねぇよ」
「えっ!」

母音だらけの甘い声は何度も達しても止まらねぇ、目の前のこいつが俺を締め付けて離しちゃくれねぇのだ。初めはぎこちなかったが、元々優秀な奴だ、コツを掴んで俺が腰を使わなくてもひとりで勝手に奥まで飲み込んで何度ものけ反り甘い声でヨガり狂った。

「下見ろよ、見えんだろ」
「あっ、いやぁ!」
「はっ、嫌か?本当に?お前がそうせてんだぞ、」

海の力の抜けた両足を無理くり開かせお互いのつながり合う場所を露にさせる。海の赤く充血したソコはクパクパと収縮し俺の愚息がみっちり埋まっている。見るに堪えない淫猥さに恥ずかしそうに顔を赤く染めるが恥ずかしがりながらもそういうのが大好きな海は凝視していつまでもつながり合う場所から溢れる互いの体液に目線を外すことが出来ない。

「もうマトモには戻れねぇな、俺も、お前も…」
「ん…それでも、いい…」

何度も焦がれたように。目の前の海がやがて意識を飛ばしてくったりと眠りに落ちるまで俺の愚息が精魂尽き果てるまで、その温もりをいつまでもいつまでも貪り続けていた。
連続で弱い箇所を突き上げられ、悲鳴に変わる。行き過ぎた快楽の果てにふらりと後ろから仰向けに倒れるように気を失った海を掴んで抱き寄せ、ベッドに寝かせて髪を撫でると遠のく意識の中で確かに頷いた気がした。

身体で深く深くつながり、心まで俺に差し出した海をまた抱き締めた。もう二度と離さねぇ。身体も、そして心まで惹かれ合い互いに結ばれたのなら、もうきっと離せない…。

「海……必ず、戻ってこい、俺の傍に…」

あの地下街で出会い、イザベル、ファーラン、そしてこいつの父親は壁の外へ解き放たれた鳥になって自由な世界へ羽ばたいていった。
今、こうして壁の内側の世界にとり残された俺達2人は身体を繋げている間だけは安らげた。
今、本当の意味でガキの頃の俺では想像すらつかなかった永遠の意味を知る。
どれだけこの世界が残酷なのか、まだ知らない。
楽園があるとしたら、もうここにしか存在しない。
俺にはもうこいつしかいないのだから。

Fin.
2019.10.12
【破壊衝動/Side Levi】

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