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【I arise to broken nights】

「ねぇ、リヴァイ、みんな寝てるのかな」
「寝てんじゃねぇのか」
「そっか、」

リヴァイの部屋で負傷した彼の膝を気遣いながらも深く熱く肌を重ねあった後、行為ですっかり夢中になった互いの身体を清めるために寝静まった古城の静かな夜。2人は共同浴場に居た。

「貸せ、俺が洗う」
「え、いいよっ、大丈夫...」
「うるせぇな、昔もこうやって洗ってただろ」
「そうだけど...」

しかし、さっきは暗闇の中だったし(彼は見えていたと思うけど)お互いに明るい場所で裸になるのとでは訳が違うと思う。海は頑なにタオルを剥がそうとせず、怪我の為負傷した左足の包帯を濡らさないようにテープで補強したリヴァイにも腰にタオルを巻いてと懇願するくらい恥ずかしがり、さっきまで理性を捨てていきなり自分の上に跨りゆるゆると腰を振り始めた海の面影はもう何処にも感じられなかった。

泡立てるスポンジと簡易的なタオルをひったくられるように共同の浴場の椅子に座りさらせれて互いの身体を洗い合いながらリヴァイは器用で繊細な手つきでそっと泡立てた色素の薄い海の長い髪を石鹸を使ってたっぷりの泡で泡立てて丁寧に洗い上げていく。

「っ、んっ、」
「どうした」
「っ、...」

わざとなのか、項を辿り肩に触れて、そして背中を伝う泡が水滴を受けて流れていく。焦れたような手つきに思わず先程の余韻を思い出して甘く身じろいだ。
もしかしてこのまま彼は自分の全身を余すことなく洗うつもりなのだろうか。昨日の夜からの今朝の壁外調査、そして深夜に至るまでの幾度かの行為の後、疲れてだるく、甘い余韻のまま今にでも寝てしまいたいのに、潔癖症のリヴァイはシーツを汚して身体も清めずにそのまま寝るのはあまりよしとしない性分である。しかし、余すことなく明るい所で全身を見られるのは恥ずかしいものがある。まして筋肉が落ちたと言うことは脂肪に変わったと言うことでもある。自分の体のラインが、はっきりと分かる姿に海は戸惑いを抱いた。、

「あっ、待って...!」
「邪魔だ、洗えねぇだろうが」
「でも...っ、」
「期待させて悪ぃが、ただお前の身体を洗うだけだ。要望にお答えしてぇが俺も歳だからな」
「馬鹿っ、きっ、期待なんて、し、してないったら...!」

何が歳だこの体力おばけは!海は、怪我をしているのに傍から見たらとても怪我をしているようには見えない彼に報復は怖いが内心そう叫びたくなった。
負傷し思い通りに動けない彼のために自ら腰を振り続けてクタクタになった海をそのまま浴室に連れて行きそして今は巻いていたタオルも引き剥がし5年ぶりの大人の女性へと成熟した海の柔らかな肢体を余すことなく煌々とした、照明の中で見つめ全身をゆっくり洗っていて。自分で洗うと突っぱねても彼は受け入れなくて、ただ洗ってやりたいと優しい眼差しが訴えているから拒めない。

「海、」
「は、あっ、うん...あぁ、リヴァイ...っ、」

肌を伝い落ちる泡がついたままの海の長い髪。リヴァイの泡立てた手は首を辿り自分が戯れに着けていた赤い華が咲く鎖骨を、そして両方の胸を泡で包んでほんのり赤く染まる先端をくりくりと弄びながら人差し指と親指で捏ねるように洗う刺激がもどかしい。

ー...それはまるで行為の延長のように感じられて。

「オイ、洗ってるんだから大人しくしろ」
「んァっ、だってぇ...っ」

後ろから抱え込まれるように抱き込まれ、よく見れば目の前の綺麗に磨かれた鏡には真っ赤な顔をしてリヴァイに、胸を鷲掴みにされた海の見るに堪えない艶やかな表情と痴態が映っていた。

「んっ、んんっ、」
「なぁ、気付いてんだよな」
「ん、んあっ、な、にっ、」
「鏡に映ってるお前の顔だ」

普段よりもさらに低いリヴァイの美声が海の耳を掠め、その地を這うような低音の甘い囁きに、濡れた表情に海は思わず息を呑んだ。

「つ、いや、...!あっ、」
「オイオイ。ダメだ、顔はそのまま真正面を向け、」

顎をぐいっと掴まれ固定されるとリヴァイはもう片手で海の柔らかな肌感触を楽しみつつそのまま伝い落ちた。抵抗しようにも屈強な彼の筋肉質な腕はビクともしない。さすが地下街で暮らしていた頃に絡まれた図体のいい男たちを相手に腕相撲で勝っただけはある。たしかあの時は何を賭けていたんだっけ...。

「あっ!ああっ...っ!」
「考え事か?」

しかし、その妖しく這い回るその手つきは絶対にただ海の身体を洗っているだけじゃない。その証拠に彼の手はだんだんとすべらかな肌を辿り下にたどり着き、そして自分の下肢の間へと辿り着いた。目を閉じたくても閉じれば怒られ、鏡から逃れるように目を逸らせば顎を固定されて、鏡に映る自分の表情は今まで見た事がないくらい熱にうかされ涙目で見つめる姿は余りにも淫らだ。

「あっ、んあぁっ、」

リヴァイの指先が辿り着いた海の足の間。そこはしとどに濡れていて。先程受け止めた彼の精液と混ざりあい、触れた拍子に海の胎内から飲み込みきれなかった混ざりあったそれが溢れた。

「いや、っ、ああっ!」

中指と人差し指を突き立てられ、そのまま簡単に彼の指が飲み込まれ、海は彼の指を受け入れ身悶える。泡で滑る身体をリヴァイの力に押さえつけられてしまい、次第にその指の動きを早めていく。

「ダメっ、ああっ、いやぁっ、」
「しっかり掻き出さねぇと、下着汚すのは嫌だろう、」
「っ、んんっ、」

響く卑猥な水音に鏡に映り込む自分の顔が燃えるように赤い、ゆさゆさとも揺れる胸、彼に割り込まれた足の間に収まる何度も往復する指がくっきりと映り込んでその恥ずかしさに海は涙目になりどうすることも出来ない。

「痛くねぇか」
「っ、んっ、...っ!」
「どっちなんだよ、」
「ああっ、はあっ、気持ち、いいの、ああっ、おかしく、なっちゃう...!」
「とっくになってるじゃねぇか...」

自分の開かれた足の間を何度も行き交う指に、鏡越しに自分を射抜くリヴァイの眼差しが余りにも艶やかで海はただ彼は自分の身体を洗っているだけなのだからと、感じないように必死に抑え込むのに、彼はまるでそれを見越すかのようにその手つきをますます、激しいものへと変えてゆく。

「ああっ、んああっ!」
「オイオイオイ、洗ってるだけなのにグズグズじゃねえか」

明らかに彼が吐き出した精よりも海の透明な愛液の方が多い気がするのはきっと。抱かれるのは5年ぶりなのに、彼の愛部によってあっという間に5年間誰も受け入れていなかった胎内は順応に彼の形を思い出して反応を示していた。

「ダメっ、本当に、ああっ、」
「止めていいのか、」
「っ、...洗うだけって...うそ...っ」

全身を泡だらけにしながらリヴァイにもたれかかって仰け反る海の姿にリヴァイは満足したように、身体を洗うのを止めて愛液を掬うと海の感じる突起を中指と人差し指で律動させながら親指でゆるゆると擦り始めたのだ。同時に弱いところを攻められ、さらに胸の硬く隆起した頂きも捏ねられ、その刺激の強さに目を見開いて腰を跳ね上げる海の瞳から行き過ぎた快楽の果てに溢れた涙が頬をつたい落ちた。

「いや、ああっ、リヴァイ、ああんっ!」
「っ、...キリがねぇな、洗ってる意味ねぇじゃねぇかよ」
「んんっ、ああっ、もっ、...だめぇっ!」

普段よりも高い声、甘く焦れたような海の声に充てられリヴァイは、海の柔らかで色白な臀部に先程既に果てたばかりなのに海の普段とは全く違う艶やかな姿に再び思い切り雄々しく勃ち上がる自身をグイグイと押し付けた。
本当に足を負傷しているのか疑わしい程腕力は健在で軽々と海を抱き抱えるといきなり頭からお湯をかけ海の泡を完全に洗い流してしまったのだ。

「きゃっ!何!?」

ぶるぶると首を振りながら頭から浴びたお湯に海がむせ返りそうになり慌てている間に男は海を目の前の鏡に押し付けそのまま泡を洗い流しても愛液で濡れたままの膣口を猛る自身で探し宛てがうとそのまま背後から勢いよく焦らしもせずに一気に柔らかな粘膜の中へ吸い込まれるように貫いたのだった。

「んあ...!はぅ、んんっ、うっ、んんっ、あっ、いやぁ、ああっ、」
「っ、く、...確かに...嫌になるくらいに締め付けてくるな.....っ、」
「んああっ!ああっ!くるし、っ、ああっ!待っ、て...!ああっ、」
「5年も待たせた...積年の思いだ、...は、っ、覚悟しろ」
「あっ、ああっー、やぁっ、あっ、あっ、」
「っ、鏡でよく見ておけよ、...っ、お前かどんだけイヤらしい女になっちまったのかをよ、」

後ろから勢いよく貫かれそのままリズミカルにズンズンズンと突き上げられて海は仰け反りながら何度も何度も刻み込まれる快楽に限界だと訴えるも彼の腕にガッチリ抱き込まれ逃げる事が出来ない。
横向きに押し倒され、好き勝手に怪我した足も構わずに繋がり合う2人の足の間からは絶え間なく愛液が伝い落ちる。

リヴァイは呻きながらも律動を始めて何度も海の身体を横に抱き直すとまたズルルルルと自身を引き抜けばまた一気に貫き、海のクリトリスをぎゅうっと愛液で濡れた手で捏ねれば海はまん丸の目を見開き横向きになったことで触れやすくなった海のあの頃よりもひと回りふくよかな形のいい胸を鷲掴んで揺さぶりながら幾度目かの挿入に貫かれ、泣きながら達した。

「あっ、んあっ、ダメっ、ああっ、ケガ、してるのに...っ!」
「足りねぇよ...っ、お前のへっぴり腰で...満足、出来るかよ、」
「アア!ッ、ンアアッ!!ダメえ、ッ、...ん、んんっー!」
「ハッ、海...、」

甘い声と荒々しい息遣い、激しくぶつかり合う互いの肌の音、とても聞くに耐えない卑猥な音色にぎゅううっと強く締め付け、元々名器なのかそもそも入口がまだ自分のカタチを思い出しきれて居なくて頑なに閉ざすのか、数回激しく抜き差しをした後、なし崩しに抱かれた海は泣きながら震えて達すると、リヴァイも海のしなやかな背中から腰柔らかな臀部に欲を放ってそのまま果てたのだった。

「ンンっ...あっ、んんっ、」

ぐったりする海を片腕に抱きシャワーで浴びた体液を流れる感触さえ刺激になり過敏な体は何度も震え、そしてされるがままに海はリヴァイに抱き締められながら浴槽に浸かった。

「悪ぃ、ヤリ過ぎたか」
「っ、酷いよ...後ろからなんて、」
「の、割には喘ぎまくってたじゃねぇか」
「ムッ!誰のせいよっ」
「んな怒んなよ、次は優しくしてやるから」
「知らないっ!体力おばけ!」

真っ赤な顔に上気した頬、長い髪を乱し激しく乱れていたのに。湯船に濡らさぬようにくるくるときっちり纏めた後れ毛を揺らしてそっぽを向いてしまった横顔はまるで幼子のように見えた。

海の項から見えた白い剥き出しの肩が湯船から見える。こうして二人きりで抱き合い湯船に浸かっていると、まるで二人で暮らした地下街の頃に戻ったかのようで懐かしさを覚える。
2人がまだ若く、イザベルとファーランがいた頃の記憶。偶に気を遣って二人きりにしてくれた時の事。誰もいない二人きりの空間。2人の寝室は、あのバスルームは、まるで時間が戻った時のように、ここにこうして存在しているようだった。

「本当に悪ぃと思ってんだ。だがお前を前にするとどうしても抑えきれねぇ」

星は見えなくても閉ざされた四角い部屋の片隅で、こうして見つめ合うだけで、言葉を交わしてキスをするだけで、幸せだった。

「わ、たしも…こうして抱きあってると思い出すよ。リヴァイとこうしてお風呂に入ってたこと。ただこうしていられるだけで幸せだったよ。地下街のアジト、まだ残ってるのかな?」
「地下街の連中はどいつもこいつも居住を探して奪い合いだ。あの綺麗な部屋に住みたいと思う人間なんてごまんといるだろう」
「ふふっ、確かにそうかもね、ここの旧調査兵団本部だってリヴァイが徹底的に掃除させたからきれいなんだもんね…」

そう懐かしむあの頃は未だ若くて、巨人の恐怖が常に外の世界で付きまとっていることも考えずに過ごしていた…。イザベルもファーランも居てくれた。地下街という治安は悪かったが、それでも今の仲間たちが巨人に食われ続けていく悪夢を思えばあの頃はとても幸せであったことを振り返る。そして、海は泣いていた。

「海…そんなに泣くんじゃねぇ、いつか本当に、目玉が溶けちまうぞ」
「それって、ジョーク?いいの…リヴァイが泣けないなら、私が…その分泣くから、」

そうしてはらはらと涙を流す姿は見ているこちらも胸が締め付けられるようだった…。手を伸ばせば届く距離にいる海を引き寄せて、剥き出しの肩に触れ唇がうなじを伝う。誰もが寝静まった深夜の共同の浴室に響くお互いの声。お互いに隠すようにこの5年間持っていた指輪は今は重ね合う左手に輝いていた。

「お前が居る、お前が居りゃあ、俺はどんな巨人だろうが、戦い続ける。当分は無理そうだが」
「リヴァイ、」
「海…分かってると思うが、お前の故郷を取り戻す為にはエレンの力が何としても必要だ。だが、今日みてぇな命を賭してまでエレンを守るなら…それはミカサに任せろ。あいつはエレンになると知らねぇがとんでもねぇ力を発揮しやがる。あいつは…恐らく俺と同じ人間だ。馬鹿みてぇに湧き上がる力を、あいつも持ってやがる。お前もブチ切れると化け物みてぇになるが、お前は暴走するから駄目だ。そいつが女型の巨人になる前に捕まえる事に専念しろ」
「うん…でもね、アニはね、私の命の恩人なの…だからと言ってソニーとビーン。マルコも、もしかしたらアニがあの時の騒動に紛れて殺して立体機動装置を奪ったんじゃないのかって。それに、アニに…に殺された…シスさんやネスさん、昨日みんなで楽しく過ごしていたペトラちゃん、オルオ、グンタ、エルド…みんな、みんな、凄い残酷な方法で殺したアニを許せないよ。でも、殺してしまわないように、しなきゃ、だよね…」
「くれぐれも頼むぞ。お前、おっとりしてるように見えて、容赦ねぇからな。大事な生き証人だ、万が一手元が狂って殺しちまえば、今度こそお前は犯罪者だ」

女型の巨人の冷たい目が自分を見下していた。今も夢でうなされそうな悪夢の光景、グンタ、ペトラ、オルオ、エルド…ー。その虚無の瞳には無念が色濃く浮かんでいた。
責任ある立場のリヴァイといくら元・調査兵団分隊長といえどもう海を知る兵士はいないし、自分よりも立場が上となった元部下たちはではもう役職のない自分は一般兵と同じ扱いである。
その自分と兵士長であるの彼との身分違いの恋に異を唱える者が出て来るかもしれない、それに、彼を目当てに調査兵団に資金援助していた貴族の令嬢たちもきっといたはずだ。それでもそんな名誉よりも自分との婚儀を選んで5年間待ち続けてくれていた。
そこにはもう誰も二人の世界の邪魔をする者はいなかった。二人は向かい合って座り、言葉なく見つめ合い、また抱き合った。この5年間、もともと筋肉質だった男の体躯は幾多もの壁外調査などを経て傷つき、さらに鍛え抜かれてたくましくなっていて。その真逆に調査兵団から離れた彼女は筋肉が脂肪に代わり兵士としての身体から女性としての体つきとなった自分との違いを感じさせた。

「エレンを隠す意味がなくなった今、もうここ(旧調査兵団本部)に用は無い。明日にはここを出てトロスト区に戻る。ここはもう離れる、荷物をまとめておけよ」
「え、」
「今回殉職した兵士共の遺体はもう埋葬されたはずだ」
「ああ…そっか…そう、だよね、」

リヴァイの言葉に海はまた泣いた。いつまでも泣き止まないから男はもう泣くなと海を抱き締めていた。もう昨日の日々には戻れないのだと、もう戻りたくてもあの日々は、みんながいたリヴァイ班は事実上の解散となり、二度と戻らない。
ここは思い出が強すぎるから…だから、4人の思い出を嫌でも思い出して、余計にその喪失感で押しつぶされて眠れなくなりそうだから。エレンも同じ気持ちだったのだろう。それを見てリヴァイも、己の無力さを痛感するばかりなら…。だからこそここを離れることで彼らと過ごした日々を忘れないために。この作戦を何としても成功させるために。ここを決意のもと離れる事を決めたのだ。いつまでも過去に浸り泣いても4人は帰ってこない。
海はひとしきり泣いて、お互いにとって殉職した仲間たちの喪失感を埋めるように海はまたリヴァイを何度も求めた。

「あっ、んあっ、ああっ」
「っ、」

湯船の中で、ばしゃばしゃと湯を跳ねあげらリヴァイの膝の上に跨り淫らに涙を流しながら腰を揺らす海の艶やかな姿に今日何回目かの、絶頂を迎え海は胎内にリヴァイの吐き出した精を受け止め彼の目線の先で両胸を揺らして達した。

「んんっ、身体が痛い...」
「大丈夫か、」
「お風呂の床は硬いから...ベッドがいい...」
「本部に戻ったら、俺の足が治ったら今度はじっくりたっぷりお前を可愛がりながら愛してぇ...もう少し待ってろ、」

ふにゃりと倒れ込んできた肢体を受け止めて。そう告げながらもズッポリ飲み込んだリヴァイ自身はとても鋭利で先程海のナカに出した筈なのに、すぐまた復活していた。

「まだだ...溜まってんだよ、ヤラせろ」
「ん、あっ、リヴァイ...っ、あっ!もっと、もっとして、もっと抱いてっ!他の人なんか見ないで私を見て...ああっ、あぁんっ!」
「は、とっくにお前しか見てねぇよ、馬鹿野郎...」

湯船を揺らし、そして貪るようにリヴァイは普段の冷静さを失いタガの外れた獣のように海を貫き続けた。そして、海もまるでこの虚しさを彼に埋めてもらうように。男もまた仲間を失った自分への不甲斐なさを、喪失感を埋めるように。

「あっ、ああっ!もう!ダメっ!」
「まだだっ、…まだイクな、…、っ」

彼に真下から突き上げられながら、海は壊れそうな思考の中、もしいつかこの激化する戦いの中で死ぬ時が来たのなら、このまま彼の中に溶けてしまいたいと願った。二度と消せないくらいに抱かれたい壊れるまで、狂おしいほどに彼が欲しい。浅ましくもそう、願うなんて。でも、そうすればもう離れることは無いのだと、信じて。離さないでと、薄れゆく意識の中ただ願った。

Fin.
2019.09.15
【I arise to broken nights】

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