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画面の向こう


『四天ってどうゆう練習してるの?』
『お笑い講座\(^O^)/』
『ふざけてる?(笑)』


「誰とメールしとるん?」
「ん?あぁ…、幸村だよ。」
「まっ、まさかっ!みょうじさん偵察やったんか…!」
「忍足君まじで言ってる?」
「ごめんなさい。」


学校帰り、たまたま忍足君と帰りが一緒になった。


「ってか忍足君家こっちだったんだね。」


9月とはまた違う風が吹き、夏とはまた違う温度になった10月。
立海テニス部のみんなは今だにメールして来てくれる。
それはあたしにとってとても嬉しい事だ。


「意外と家近いんやない?俺こっち。」
「あたしはこっち。じゃあここでお別れだね。ばいばい。」
「おぅ。」


別れの挨拶を告げ、ケータイに目を落とす。
さっき送った時間からもう数分経っているのに返信が来ない。


「…忙しいのかな………?」


その時は気にせずにケータイをポケットに閉まった。









画面の向こうがどうゆう状況だったのかなんてわからないのだ。



例え、
持ち主がその場で倒れケータイを落としていたとしても……。

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「早く救急車を呼ばんかーっ!」




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