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それがあたしの願い


「誰に頼めばいいのかな……。」


四天のマネになろうと思うが、誰に許可を取っていいのかわからない。
入部届をそのままだしていいのか…?


コートの周りを見る限り立海と同じように見える。
マネになろうと思う人はたくさんいるのだろう。
で、しっかりやらないから辞めさせられる…。
立海にいた時もそうだった。
新しいマネが入ってきて嬉しかったが仕事をやってくれなかったり…。
立海のマネになったときはどうゆう風だったかな…?



あ、
蓮二と幸村だ。
蓮二に幸村を紹介されて…


「懐かしいなぁ…」


鮮明に思い出されるあの頃の思い出。


「あ、みょうじさん。」


声のした方を向くとそこにいたのは白石君達だった。


「白石君っ……と、他の皆さんははじめまして。」


確か同じクラスにいた脱色した髪が特徴的な人と、色とりどりのピアスが光る人。


「あぁ、転校してきた!俺、忍足謙也っていいます!よろしくな。」
「みょうじなまえです。よろしくお願いします。」
「敬語なんてなしでええよ。」
「…うん。」


白石君はテニス部だ。
しかも部長らしいし…。


「あのさ…、お願いがあるんだけど…。」
「何や?」





「あたしをテニス部マネにしてください。…全国まで、皆さんをサポートしたいの。」


あたしは頭を下げた。


「……そないなこと言うたってどうせテニス部が目当てなんやろ?」


多分この声はピアスの子の声だろう。
やっぱりそうか…。



「ちょ、財前!そんなこといきなり言うなやっ!」
「大丈夫。…そう思われてもしかたないと思うから。でも、そんな中途半端な気持ちじゃない。…全国へ行きたい。それがあたしの願いなの。」
「……アホらし…。」


ピアスの子はそう言うとあたしに背を向けて歩きだした。


「財前っ。」


白石君は財前と呼ばれた男の子をもう一度呼ぶ。


「…ごめんな。みょうじさん。」

「いや、いいよっ。その子の反応が普通だと思うし…。」
「俺は…、俺はいつでも大歓迎やから。みょうじさんがマネやるの。」
「俺もやで。」
「白石君…、忍足君も…。」


「…ありがとうっ。」


あたしは頬を緩めた。

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「ちょ、白石っ!みょうじさん笑った顔めっちゃかわええやんっ!」

「せやなぁ…。」




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