あたしはここで…
「はいっ、じゃあ2年4組やな。よしっ、心の準備は出来てるか?」
「はい。」
「よしっ、じゃあ行くで。」
担任の先生と思われる人の一歩後ろを歩く。
もう生徒は教室へ入っているようで廊下には誰もいない。
「ここやで。」
顔を上げ、プレートを見ると確かに2年4組の文字。
「俺が呼んだら入って来ぃや。」
それだけ言うと担任はドアを開け教室に入って行った。
「はーい、静かにっ!」
ドアが閉められ廊下にはあたしだけ。
シーンと静まり返っている………
わけない。
教室からは笑い声が聞こえてくる。
えっ?
「よしっ!みょうじっ!入って来いっ!」
「先生それ言いたかったやけやろっ!」
「あ、ばれたかっ!」
……入りにくい…。
「ほらっ、みょうじっ。」
「…はい。」
意を決して一歩踏み出す。
回りの目は見えない。
あたしはここでやってくんだ。
「神奈川からきました。みょうじなまえです。」
すると先生があたしのほうを見て口パクしてる。
も…
『もっと』
え?
「えと…、趣味はピアノで…特技は…え?特技……?うーん……人の相談に乗ることですっ!」
「よしっ!お前ら聞きたいことあるかっ!」
「はいっ!彼氏いますかっ!」
「お前直球すぎるわっ!」
「いません!」
「嘘やろっ!?」
笑いが起きる教室。
とても楽しそうなクラスだ。
ふと目線を反らすと先程見たばかりの人。
白石君がいた。
目があうとにっこりと笑ってくれた白石君。
………幸村とは大違いだ。
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「なまえがなんか失礼なこと考えてる。」
「遠くからの読心術は止めるんだ。」
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