幸村君の彼女5
「精市っ」
部活前、着替えをすましコートへ向かおうとしたら、愛しの彼女が俺に向かって駆けてきた。
「あぁ、どうしたの?」
「えーと…」
なんかすごく困ってる。
「どうしたの?俺に言ってみなよ」
「じゃあ…、後ろ向いてくれないかな?」
「うん」
なんだそんなことかと思って俺はくるりと後ろを向く。
こんな動作でもジャージは落としちゃいけn………
え?
ジャージが肩に……
かかってない……バッと振り返ると後ろには俺のジャージを羽織った彼女が。
「いやー、一回羽織って言ってみたかったことがあるんだよね。
ちょっと精市このジャージ取ってみてよ」
いつも以上に可愛…謎い彼女の肩にかかっているジャージを俺は取る。
あれ?
引き止めもなんにもしないの?
「精市、
これはジャージを取るゲームじゃないよ」
今取ってって言っt…
「やったっ!言えたっ!なんだろ。感激して目から汗が…」
「…結局……?」
「このセリフが言いたかっただけです」
ほんとうに
可愛…謎いと思う。
「それ誰に聞いたの?」
「ん?従姉弟」
「従姉弟?!」
[幸村君の彼女5]