03:病弱スノーホワイト 3 / 10 真麻と2人でなら、運べるだろうか。 そう思案しているときに、私たちに影が落ちる。 「どけ」 現れた赤羽先輩は私を押しのけて登くんを抱き上げた。 至極冷静な状態で、当たり前のことをしているかのような、対応。 「あー、悪ぃ、登の鞄運んでくれ」 「は、はいっ」 登くんが心配で、私と真麻は赤羽先輩についていき、学校へと戻った。 彼の軽いエナメルバッグを運びながら。 保健室へと来て赤羽先輩は登くんをベッドへと寝かせた。 今日も先生は見当たらない。 氷を額に乗っけて、赤羽先輩はため息を吐いて椅子に座る。 「……登くん、大丈夫ですか?」 「あぁ、いつものことだから問題ねぇよ」 いつものこと。 驚いた顔をしてみせれば、赤羽先輩はちらりと視線を登くんに向ける。 ≪≪prev しおりを挟む back |