教師を待つ中、入ってきて教壇に立ったのは見慣れない若い男だった。



「今年から赴任してきた田中満、このクラスの担任です。
どうぞよろしく」

にっこりと優しい笑みを見せる先生。


あぁ、良い人そうだ。





田中先生はにっこりと笑って、紙の束を教卓の上に投げた。







「さっそくだけど、席を決めるためのテストをしましょう」


……は?

席を決めるためのテスト?


普通クジとかじゃないの?
こんな初っ端から、テスト?





「先生、始業式は……」

そうだ。
休み明け初日には毎回始業式というものが存在しているじゃないか。



「今年は始業式はありません。

だって時間の無駄だよね」





テストの枚数を数えながらそう言い放った。

先生の言葉じゃないよね、普通。
ないってどういうこと?

新任の「時間の無駄」の一言でなくなってしまうものなのか?



小さなブーイングがとぶ。

新しい赴任の先生だから、キャラがわかりにくい。
みんな、つっかかりにくいわけだ。




有無を言わせず先生が配ったテストを、渋々解き始めるクラスメートたち。




[2/12]

[*prev] [next#]
[mokuzi]
[しおりを挟む]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -