3-3:タイムマシーンを探せside裕太[ 2/11 ]

 智ちんって会った時から一線引いてるっていうか……さっき無理やり一緒に行動した時隙あらばひとりで行動しようとしてたし。



 もぉー少しくらいは仲良くしようとしてくれたっていいじゃない?
 ねぇ、せめて表面上くらいはさ、僕みたいに仲良くなろうとしてくれたっていいじゃない?

 寮で不仲とか大問題だよ、平川が口挟んでくるよ。
 喋らなくとも隣にいてくれたっていいじゃない。


 っていうか、1人が好きなら寮じゃなくてひとり暮らしすればいいのに。



『1年生の最優秀賞は……5組!』



 ほらね?
 会長の言葉に、前の方の席から大喜びの声。

 副委員長の上原さんだ。
 えっと……学食1ヶ月タダだっけ?
 ちぇー、華ちゃんのお弁当しばらくお預けじゃんか。


 最優秀は嬉しいけれど、そればっかりは嫌だなぁ。


 上原さん、いつも学食たべてたよなー……って、あれ?
 上原さんの隣にいたのは……天野さん、だけ。



 一緒に華ちゃんも行動してなかったっけ……?
 フィナーレだけ別ってのもおかしいよね?



「ねぇ……智ちん」



心配になり、智ちんに問いかける。



「……なんだ?」


 あ、反応してくれた。



『そしてっ! 今年のミスター&ミス逢坂はっ!? 凄いことになりましたよォッ!』



 智ちんに聞こうとした時、会長の大きな声でかき消される。

 投票今日で発表も今日なんだ……生徒会頑張ったんだね。
 遊ぶ暇もなかったんじゃないかな? 可哀想。まっ、他人のことなんか知ったこちゃないけど!


 僕、生徒会には入らないでおこう。
 まぁ、責任のかかる仕事なんて絶対にやらないけどね。



『まず、ミス逢坂!』

「う……うるさい」




 生徒会長叫びすぎだよ!
 耳が痛くなる!




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