1-2:うましかだよー[ 3/16 ]
「おっ……おはよう!」
……目覚ましの正体、わかったよ。
裕太だったんだね。
背中を押さえて、とても痛そう。
背中から落ちたようだ。
「ちっ……頭痛ぇ……ったく、寝起き最悪だ……」
目を擦りながら玲くんがリビングへと入ってくる。
「朝から大きな音だすな。近所迷惑だ、勉強の邪魔だ」
やっぱり勉強してたんだ、智くん。
「よかったな! 裕太! 今日は顔から落ちなくて!」
落ちたことあるの?
ヘラッと笑いながら賢ちゃんが言う言葉に驚く。
みんな起きてきたことだし、ご飯にしよう!
お味噌汁の良い匂いが鼻を掠めた。
「みんな! 朝ご飯食べよう!」
「あぁ……? メシ?」
「ご飯?今日はご飯なの?」
驚いたような2人の言葉。
すぐに大人である賢ちゃんを見る。
「……」
「……何? 華ちゃん」
「朝食いつも抜いてるの?」
それはあまりにも酷くないか。
育ち盛りでしょう、みんな。
「……いつもパンの買い置きなの。朝食抜いてるわけじゃないから」
そういうことか。
キッチンにそういえばパンがあった気がする。
ご飯なの? っていうのは、今日はパンじゃないの? ってことかな。
さっき作ったチャーハンをお皿に盛る。