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12月拍手前半(ユーリ、カシム、マリク)

■里帰り(ユーリ)

「(もう12月か〜里帰りのお土産用意しないとね。何しようかなぁ…)」
「…名前」
「あ、ユーリ。午前はお疲れ様〜」
「うん、お疲れ様」
「街中ではないユーリに会うなんて珍しいなぁ。
可愛い袋、何か買い物だったの?」
「うん、まぁそんな所だよ。君は?」
「私は散歩。もうしばらくしたら里帰りするからお土産探しも兼ねて」
「…里帰り。そう、確か君は地方から引き抜かれたんだったね」
「マネージャーの引き抜きなんて選手程そんな大層なものじゃないけどね〜。
ちょっと順応性あっただけで他の子とあんまり変わらないよ」
「…それが大事だったんじゃないか?僕らには無い素養だ」
「やったね、ユーリのお墨付き」
「僕に箔を押されても大して自慢にはならないよ」
「そんな事ないよ、自信になるもの。ありがとう」
「…どういたしまして」
「じゃあ、そろそろ私行くね。パカ〜(※またね)」
「…名前」
「?」
「これ、君に…少しだけれど。
早いけどクリスマスプレゼント。
もう君、故郷に帰るんだろう」
「わぁ、良いの?ありがとう!
でもまた何で私に?」
「…最初から渡すつもりで話しかけたのだけど、里帰りの話が少し羨ましくて言い出せなくなってしまったんた。
1年間ありがとう、君がいてくれてとても助かったんだ。
来年も…宜しく」
「…、ありがとう。
私も充実した生活が送れたよ。
こちらこそ、来年もよろしくお願いします!
後はねぇ、ユーリが来たいならまた私の実家に泊まりに来なよ〜、何も無い田舎だけど」
「えっ…」
「取り敢えずこの冬は片付けてないから無理だけど。
田舎のお土産 沢山買ってくるし、馴染めそうな雰囲気だったら夏くらいにどう?」
「…ーーーうん、ありがとう。
じゃあその為に、無事に行って帰って来てよ」
「はぁい。パカ ヤ スコーラ!(※行ってきます)」


■アドベントカレンダー(カシム)
「カシム〜」
「名前。どうかした?」
「見てみてコレ、可愛いでしょう!」
「何それ、立体のカレンダー?」
「アドベントカレンダー!
日にちの部分が開けられるようになってるの」
「へぇ、洒落てるね。…でもそんな物どこで?」
「ふふー、良いでしょ。
いつも挨拶してる事務員のおじいちゃんに貰っちゃった」
「ちょっと…財団の事務所に入り浸ったら駄目だろ」
「だってフロイとかレオナルドさんに呼ばれるからさぁ。
それより何日か開けたらお菓子入ってたからお裾分け〜、ハイ!」
「良いの?」
「うん、もう私 何個か食べたから。
あっ、もう過ぎた日にちの分だけだからね!」
「ハイハイ。じゃあ遠慮なく、…チョコだ」
「私のは苺チョコレートだった。おやつって美味しいよね〜」
「そうだね。計算されてるから過不足とかないんだろうけど、配給される分だけだと何か心許ない」
「計算が追いついてないんじゃない?
私達 成長期ですから〜」
「それはあるか」
「そうそう、だから食べて良しー」
「それならもう1つ貰おうかな。
…というか、その事務員さん名前にくれたのに良いの?」
「良いんじゃないかなぁ?
そのお爺ちゃん、お孫さんが亡くなったから財団の子達は皆可愛いんだって言ってたし。
だから大丈夫、ただし後でお土産持ってお礼言いに行こ!」
「あぁ成る程、それには良いアイデア。
大いに賛成…なんだけど。
プレゼントなんかした事ないな、何が良いんだろ」
「2人で協力して手袋かマフラー買おう!」
「分かった、それなら早速探しに行こう。
丁度、午後は練習が休みだ」
「そうだっけ?ラッキー!」
「いい加減練習日程くらい把握しなよ…」
「えーっ、いつも一緒のカシムが居るのに覚える必要がないじゃん!」
「はぁ…、君ってヤツは…」
「良いじゃない、一連托生!」
「分かったよもう。全く、仕方ないんだから…」


■冬の歌(マリク)
「こんな遠い街にも〜、
夢を与えてくれる〜♪」
「…ーーーさん、」
「白い粉雪が優しく〜♪」
「…ーーー名前さん」
「わッ!?
…何だ、マリク君かぁ…驚かさないでよ、心臓止まるかと思ったよ」
「ご、ごめんなさい…!
それよりもフロイさん達が探してました。
ミーティングするからって…」
「ミーティング?そっか、ありがとうマリク君。
マリク君も呼ばれてるでしょ、一緒に行こっか」
「ハイ!」
「それにしても急だな〜、またフロイの思いつきかな」
「それは何とも…、それより、あの…名前さん」
「はい?」
「さっきの、良い歌ですね。
それに名前さんが歌上手だったとか知らなかった」
「いやぁ、上手くはないけどね〜。
あの歌は好きかな…昔日本に居た頃チョコレートのCMでやってたのが耳に残ってる」
「へぇ…やっぱり故郷は懐かしいですか?」
「いや、そこまでは。
親がいたら別だったんだろうけど、もう帰る場所ではないかな…でもあのチョコレートは好きだったなぁ〜。
今度買ったらマリク君にもあげるよ」
「ありがとうございます、それは嬉しいんですけど…」
「?」
「名前さんが歌ってた歌の続きが知りたいです。
今度歌って下さい!」
「えぇっ」
「だって、良いなって思ったから…」
「う〜ん…、まぁそこまで言うなら良いよ」
「本当ですか!」
「うん、でも2人だけの時にね。
恥ずかしいから!」

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