×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




10月拍手(奥野、源田、坂野上)

■中秋の名月(奥野)

「…名字さん、こんばんは」
「奥野君?こんばんは!
どうしたの、今日遅くまで起きてるね」
「少し目が冴えてしまって。
音がしたと思ったので来てみたら名字さんでしたね」
「あー、起こしちゃったかな?
ごめんな、今日は中秋の名月だからお月見しようと思って」
「そうなんですか、それはまた風流な…良いですね」
「あはは、まぁ折角だからくらいの軽い気持ちなんだけどね。
良ければ奥野君も一緒にどう?」
「喜んで」
「やったー、じゃあ飲み物とお団子持ってこよ!
2人だったら美味しいよね」
「こんな時間に?」
「えへへ、たまにはイレギュラーもアリだよ!」
「…それもそうですね。お月見ですし」
「夜が嫌なら明日の朝まで月は出てるから奥野君の好きな時に食べよう!」
「いえ、一番綺麗に見られる時間に食べましょう」
「おぉ…!予報見たら深夜だけど大丈夫?」
「ええ、大丈夫です。
名字さんと居ると楽しいので、あっという間に時間が経ちますから」


■金木犀(源田)

「…ーーーはぁ…」
「どうしたのか、名字」
「わっ!?ビックリした…源田君かぁ。
練習今日もキツかったね〜お疲れ様」
「お前もな、お疲れ様。
それよりあんな大きな溜息、珍しいな。何か悩んでるのか?」
「ううん、全然!
金木犀の良い香りを思い切り吸ってて、遂に吸えなくなって吐いただけ」
「何だそれは…、まぁ名字らしいか」
「あっ馬鹿にしてる〜!良いでしょう、誰にも迷惑かけてないもん」
「おいおい、別に馬鹿にはしてないぞ。
それに俺もこの香りは好きだしな」
「へぇ…そうなんだ?意外かも。
何か源田君、甘い香り得意じゃなさそう」
「偏見だな」
「偏見だね。じゃあ馬鹿にしたのコレでチャラね」
「そうか、それなら仕方ないな」
「良いんだ」
「名字が拗ねると長いからな」
「源田君それイエローカードだから!」
「おっと…口が滑ったか」
「もー、2枚目出して退場の前に早く帰りなよ?」
「名字はどうするんだ?」
「後もう少しだけこの香りに包まれて帰りまーす」
「じゃあ俺も付き合おう」
「え?良いよ、疲れてるでしょ源田君。
私の事は気にせず帰った方が…」
「途中まで送る、最近すぐ暗くなるからな」
「…それは確かに」
「練習していると暑くて忘れがちだが、
金木犀が香るのは秋になった証拠…陽の入りも早い」
「うーん…そう言えばそうだね。
あんまり気にしてなかったけど…源田君を待たせるのも悪いし、ちょっと肌寒いかも。
それじゃ、一緒に帰りますか」
「…俺が言わなくても夕方や夜は気にするようにしておけよ。
お前は女子なんだからな」


■スポーツの秋(坂野上)

スポーツの秋(坂野上)

「はー…暑くもなく寒くもなく、良い時期になったけど…秋って結構雨多いよね」
「秋雨ってやつだよね。
グラウンドに屋根がないから俺達 利根川泉州にはちょっと厳しいな〜」
「ね、折角 部員も集まったのに士気が下がっちゃうな」
「予報じゃ今週末も雨だし、土曜日の体育祭も延期ぽいよね」
「個人的には早くやりたいけど、天気の事はどうにもならないからねぇ」
「へぇ〜名前、体育祭楽しみにしてたの?
意外。面倒くさがってると思ってた!」
「いや、面倒くさいけど。
延期が続いて流れると不戦敗ぽくなるのが嫌っていうか…やるなら勝ちに行くしかないというか」
「ははっ、負けず嫌いなんだ!
でもスポーツ事には向いてるよね」
「まぁ、極端過ぎるのは良くないんだけどね。
部の皆に怖がられてそうだし、気をつけよう…」
「そんな事ないよ、名前って利根川には珍しいタイプだから良い刺激になってるさ!」
「そうかな」
「そうそう!俺もそんな風に聞いたら体育祭、やる気出てきたよ。
よーし、優勝目指して一緒に頑張ろー!」
「昇…、ありがとう」
「どういたしまして〜」
「でも私は紅で昇は白、一緒に頑張るの部活対抗リレーくらいで別チームだから。
後は対戦相手だよ」
「えーっ!そうだっけ!!?」
「そうですー。もう、要領割といいのに変な所抜けてるよね。
部活は良いけどちゃんと他の事も集中しときなよ」

[ 24/64 ]

[*prev] [next#]
[短編目次へ]
[しおりを挟む]