×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




キャラポス私服(吹雪士郎、水神矢、吹雪アツヤ、野坂)

■郷土愛(吹雪士郎)

「…あっ、いた!士郎君ー!」
「名前ちゃん、探させてごめんね」
「いやぁ…女の子達に流されて行った時はどうしようかと…携帯があって良かった」
「本当だね。無事に合流できて良かった」
「…?それ何?」
「たい焼きだよ、名前ちゃんを待つ間に買ったんだ。
 北海道の大納言小豆って書いてあったから売り上げに貢献しようと思って」
「郷土愛強いねぇ」
「名前ちゃんはそうでもないの?」
「好きなのは好きだよ、勝手分かるし過ごしやすいからね。
 でも凄くこだわりや思い入れはないかも?」
「そうなんだ…でもそれくらいが良いのかも。
 女の子はお嫁さんになったら生まれ故郷を離れるかも知れないしね」
「そう言えばそうだね。旦那さんと暮らす所、良い所だと良いなぁ〜」
「…北海道は良い所だよ。どうかな?」
「えっ…、え??」
「ふふ、何でもない。さ、冷めないうちに食べよう」




■行先きは(水神矢)

「(そーっと…)…わぁっ!!」
「っ!!?…名字さん…!?驚いた…!」
「ごめんなさい、イヤホンしてたからちょっと悪戯しちゃった…
 そんなに驚くって思わなくて…」
「いや…周りに注意を向けていない俺も悪かったんだ、気を付けるよ」
「うん、私も…。それより、水神矢君はどこかに行く途中?博物館とか図書館?」
「き、期待に添えなくて済まない…映画館に行くんだ」
「あっ…、そうなんだ…実は私も映画館に行くの」
「それは奇遇だな。名字さんは何を観るんだ?今、恋愛物 上映していたっけ?」
「れ、恋愛物は苦手で…何だか観てるの恥ずかしくて…」
「そっ、そうだったのか…勝手に決めつけてしまったな…」
「いや、そんな…!…えっと、水神矢君は何を観るの?
 私は水辺の動物のドキュメンタリー」
「水辺の動物の…!?俺もそうなんだ。良かったら一緒に行かないか?」
「わぁ…!嬉しい、1人も良いけど誰かと観た方がきっと楽しいだろうし。
 是非お願いします!」
「あぁ、喜んで!」




■満たすモノ(吹雪アツヤ)

「うめー!やっぱ食うなら米か餅入れねーと腹が膨れねーな」
「それ五平餅って言うんだっけ。アツヤ君、タレ マフラーに付けないようにね?」
「分かってるっつーの。そんな下手な食い方しねぇ!
 つーか名前、お前も何か食えよ!練習の後、腹減らねーのか?」
「綿あめ食べたよ?」
「あんなもん食べた内に入んねぇし…。何だ、肉とかたこ焼きとかイカ焼きとか…もっとあるだろ」
「ん〜…じゃあたこ焼き食べようかな、買って来るから待っててね。
 他の人に迷惑かけちゃ駄目だよ、お行儀良くね」
「お前は俺のお袋か…その辺のチビじゃねえんだぞ…」


*


「(―――…暇。名前がいねーと祭りも屋台もつまらねぇ…)」
「―――…ただいま〜」
「遅え。5本くらい買ったのに餅食い終わっちまったじゃねーか」
「と言われる思ってアツヤ君の分も買って来てあげたよ!はい、たこ焼き」
「なっ…!?へ、変な気回してんじゃねーよ…!」
「はいはい。あ、アツヤ君はこっちの8個入りの方ね。私はこれ」
「あー?またちょっとしか入ってねぇのを買ったのか」
「うん。アツヤ君がお餅 美味しそうに食べるの見た後だから
 やっぱりお腹あんまり空かなくて。楽しい気持ちで満たされてるからかなぁ」
「! そ、うかよ…」
「えー、信じてないの?…まぁ、アツヤ君にもいつか分かる時が来るよ」
「…うるせぇ。それぐらい、俺にだって分かってるっての!」




■仕掛け絵本(野坂)


「(…! 名字さんだ…)…名字さん」

「…? え、野坂君?こんにちは、珍しい所で会うね」

「こんにちは。今日は西蔭と勉強に来たんだ。
 王帝の図書館だと本の内容が少し専門的だから」

「そっか、図書館ならもう少し一般的だもんね」

「名字さんは何か探しに来たの?」

「私は今、丁度見つけて…」

「それ?随分大きいけど…」

「うん、仕掛け絵本。不思議の国のアリスなんだけど、開いたらページが立体になる作りだから分厚いの」

「…確かに、王帝にはない本だね」

「(小さい子みたいって呆れられちゃったかな…)…うん。
前にテレビで紹介されていて、買うにはちょっと高価だから借りて楽しもうかなって」

「そう…。(名字さんの興味を引く仕掛け絵本…気になる…)
 …君が借りる前に一度、僕も一緒に見ても良いかな」

「え?(あれ?意外と興味を持ってくれてる…)う、うん」

「ありがとう、じゃあそこに座ろうか」


*


「見て、名字さん。
 このページなんか特に、トランプ兵の重なり具合や奥行きが立体的で見事だよ」

「そう、このページが一番凝っていて凄いなって思ったの…!」

「夢中になるね、良い作品を教えてくれてありがとう」

「そ、そんな私は何もしてないよ…。
 でも野坂君とこんな風に絵本読むって思わなかったから嬉しいな」

「僕も自分で驚いてる、意外な発見があるものだね…今度また、一緒にここに来ない?  もっと他の作品もあるだろうから、見つけるのも楽しいかも知れない」

「本当?じゃあ、また誘うね!」

「うん。楽しみにしているよ」


[ 52/64 ]

[*prev] [next#]
[短編目次へ]
[しおりを挟む]