勘違いが生んだ災難


初めまして。

いや、もしかしたら

俺のことは話だけなら

聞いたことがあるかもしれない。

俺は蓬莱夜月。

帰宅部だ。

さて、

帰宅部と言って

君たちが思い浮かべるのは何か。

大抵の場合それは、

部活に入らず、

授業が終われば即帰る者のことを指す。

俺の知っている帰宅部もそうであった。

重要なのは、

これが過去の知識だということ。

俺の通う学校にも帰宅部がある。

入部届を出さなければならない時点で、

何かおかしいとは思った。

だが、部活に入らないにしても、

とりあえずの手続きは必要なのだ、

と自分を納得させ、

それを提出してしまった。

今思えば、

もうこの時点で後戻りはできなかったのだろう。

その後、部活の召集がかかる。

毎週活動だとか

いまいち話が掴めなかったのだが、

はめられたと気付いたのは

部長のこの言葉。

「では、これにて、

生徒全員に

速やかかつ安全に

帰宅してもらおう部の

ミーティングを終える。」

なんだそれ。

辞めると話をすれば無理だと。

俺はこれからどうすればいいのか。

そんなことを考えながら

今日もよくわからない

帰宅部へ

向かうのである。





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