指切り (☆わか様へ☆) (※一応R18表現あります) 三箇日も過ぎたせいか神社には疎らに人が見えるだけだった。 出店も出ておらず普段と何ら変わらない雰囲気。 唯一つ何時もと違うのはー。 「…別に女装しなくても良かったかなぁ?」 「何だよ、お前がして来たんだろ?」 「そうなんだけど…」 口を尖らせて自分を上目遣いで見やる。 …本当に女子にしか見えないな。 毎度酷い出来だが、今日は何故そんなに可愛いのだろうか。 家族に手伝って貰った…? いや、それは無いか。 冬季長期休暇、それぞれ帰省は決まって居たが、三箇日が済んでから初詣に行こうと伊作に誘われた。 待ち合わせ場所に現れた伊作は何故か女装姿で、まあ理由は聞かなかったのだが大体分かる。 「…折角今年一番に留に会うし、初詣だし、逢引きの気分を味わいたかったんだよ…」 「…」 「…だけど留、あんまり楽しそうじゃないから…女装が嫌だったのかなってー」 「…ちげーよ。お前が…お前の事、ちらちら見てるんだよ」 「…誰が?」 「知らない奴らが!だから面白くなかったんだよ。…お前がそんな風に俺の事想ってしてくれたって、分かってるからな」 「留さん…」 「ほらっ、賽銭投げるぞ!」 見詰められて恐らく赤くなった顔を見られまいと階段を駆け上がった。 伊作が隣りに寄り添う。 自分の後に続いて賽銭を投げた。 ー願い事、か。 神頼みでなくてそもそも抱負を述べる機会だろうが、どうしても願いになっちまうな。 この時勢に、それも忍になる自分にとっては浅はかな願いかも知れない。 後数カ月もすれば自分達は忍として生きて行くのだから。 だけど願わずには居られないだろ。 …こいつと少しでも長く一緒に居たい。 隣りで目を閉じて必死に何かを祈る横顔を見詰めた。 暫くして顔を上げた伊作が自分に気付いて恥ずかしそうに笑う。 「ずっと見てたのか?必死になって、恥ずかしいなぁ。留は何をお願いしたの?」 「言ったら叶わないんじゃないのか?」 「そんな事無いんじゃない?」 「…お前は?」 「…僕はね、」 そう言うとそっと自分の袂を掴み、耳元で囁くように打ち明けた。 「…留と、今年もその後もずっとずっと、一緒に居られますように、ってね♪」 …それは反則だろ。 悪い考えを浮かべる自分には気付かず微笑む伊作の手を掴んで引っ張って歩くと、時々躓きながら引き摺られるようについて来る。 「ちょっと…留っ、どこにー」 「…お前が悪いんだぞ。可愛い事言いやがって」 境内の裏側の雑木林が広がる場所まで辿り着くや否や伊作に口付けると、驚いて後ろへ飛び退いたが大木に背中を打ち付ける。 また直ぐに近付いて口を塞ぐと、何とか辞めさせようと胸元を押して来るのでその手も後ろの木に張り付けてやった。 初めは抵抗して居たが、舌を割り入れると暫くしてふっと力が抜けるのが分かる。 押さえていた手も全く抵抗しなくなった。 「はっ…と、め…こんな、所で…何を…あっ」 「…姫始め?」 「何言ってるんだよ…っ、こんな、こんな、外で…人だってー」 「誰も居ない。お前があんな事言わなけりゃ、今日は黙って帰すつもりだったのに」 「な、に…?」 「お前だって、今日そのつもりで来たんだろ?女装なんかして」 「…違う」 「嘘付くな。全部分かってる」 伊作の顔がみるみる内に真っ赤に茹で上がる。 何か言い返そうと、しかし何も思い浮かばない様子で自分を睨んだ。 その姿も可愛くて思わず吹き出してしまう。 頬を膨らませて自分の鼻を摘まんで来たその手の平に口付けると再び体が固まった。 「…本当に、ここで?外じゃなくたってー」 「…伊作、もう喋るな。俺…話してる余裕ねえから」 「留…あ…っ」 女物の着物を肌蹴させるのには慣れて居ないが、裾を開いて手を差し入れると直ぐに肌が触れて思わず伊作を見詰めた。 「…お前、何で下帯付けてないんだ」 「…だ、だって、形が出ちゃうから…ああっ!留…っ、そんな、急にっー」 「それも嘘だろ…観念しろよ」 「あっ、あっ…待って、ああっ!?」 立たせたまま裾を開けて既に硬くなり始めている下半身を扱くと伊作が体を震わせた。 ぎゅっと目を閉じ、声を抑えるように手の甲を口元に押し付けている様も更に自分を煽る。 今度は屈んでそれを口に含むと、伊作が大きく体を揺らした。 「ひあっ…と、め…っ、やだ…や…っ、ああっ」 嫌だと言うのが本心でない事は分かっている。 外でしているせいか何時より感度が良い事に本人は気付いているのだろうか。 喉の奥まで含んだまま頭を前後に動かすと伊作の膝ががくがくと震え始めたので、自分の肩に伊作の手を回してやると体重を預けるように上半身を凭れさせて来た。 それを確認して更に愛撫を続ける。 「…留、とめっ…恥ずかしい…よっ…はあっ…ああっ」 「…いさ、あんまり声出すな」 「…人が?」 「違う。俺が我慢出来なくなるから」 「…馬鹿三郎」 何日間か触れて居なかっただけなのに、全身が伊作を欲しがって居るのが分かる。 早まる気持ちを抑えようとするのに、伊作の熱い息が耳を撫でてどうしようもない。 舌で裏筋の下から上へ舐め上げる度に伊作のそれがぴくぴくと反応した。 手で扱きながら先走りをちゅっと吸い上げると慌てて自分の髪を引く。 「あっ、あっ、…待って!僕もう…っ、着物、借り物だから…汚したら…っ!」 「…分かったから、ほら」 「あっ、…ああああっ!!!」 先端を親指でぐりぐりと弄ればあっという間に達してしまった。 もう片方の手で放たれた精液を受け止めたが、勢いが良過ぎて少しばかり着物を汚した事は黙っておこう。 自分に凭れかかったまま荒い呼吸をする伊作に声を掛ける。 「大丈夫か?」 「はあっ…はあ…大丈夫、な訳ないだろ!留の助平っ!」 「…まだ終われねぇんだけど」 「!!!…本当に、ここで?」 「…後ろ向いて木に手付いて」 泣きそうな顔をした伊作が渋々向きを変えて尻を突き出した。 …やはり女装姿でこんな事をしているせいだろうか。 裾を腰まで捲り上げて自分に下半身を晒す姿を見ていると、これは伊作だと分かっているのに何だか倒錯的な気分になって体が熱くなった。 先程受け止めた精液を指に絡めて伊作の後ろへ塗りつけると、びくっと体を震わせる。 指で周りを何度もなぞり一本を挿し入れると、ずぶずぶとあっという間に入った。 「中、熱いな」 「あっ…う…」 次いで二本目、三本目を入れて抜き差しすると、静かな林にずちゃずちゃと厭らしい水音が響く。 早く入れたいのを必死に堪えて慣らしに専念していると、ふと視線を感じて伊作を見た。 「何だ、痛いか?」 「…あっ、違う…気持ち、良いんだけど…ああっ、もう…留が欲しいよ…留を、頂戴…」 「…助平なのはお前だろっ」 「…や、ああああっ!!!…と、め…大き…っ、ああっ、あんっ…ひあっ!!!」 我慢していた物が溢れて一気に伊作に挿し入れた。 腰を掴んで奥まで何度も突き上げると、ぱんぱんと卑猥な音が鳴り響くがもう気にする余裕は無い。 良く知っている筈なのに、中の熱さと余りの気持ち良さに達してしまいそうになるのを耐えた。 「くっ…やべぇ…」 「ああっ、あんっ…留っ、もっと…突いてぇ…っ」 「…お前ちょっと黙ってろって!」 堪える自分を容赦無く煽る天然ぶりに一喝するがもう限界は近かった。 知り尽くしている伊作の一点を擦り上げると大きく仰け反る。 「ああああっ!!!!とめぇ…っ、ひあっ!!!」 「…行くぜ、伊作っ」 両側から双丘を手で拡げながら最奥まで突き上げる。 余りの圧力に伊作が木にしがみ付いた。 そのまま力一杯突き上げて中に放つ。 「くっ…!!」 「んああっ…あっ、あっ、…ああああっ!!!!」 「…いさ」 全部出し切りふっと手を放すと、崩れるように地べたにへたり込んだ伊作がこちらを睨んだ。 「…中に出したな。帰りどうしたらいいんだよ」 「…着物が汚れたら駄目だろ。帰りは負ぶって家まで送る」 「…家じゃ無い」 「は?」 「この足で忍術学園まで戻るつもりだった。今日も一度戻って荷物を置いてから来たし」 「じゃあ俺も一緒に戻るからー」 「謝ってくれよ」 「…誰に」 「化粧した上に着物を貸してくれた彼に」 …年明け早々吹き飛ばされるのか。 丸焦げになった自分を想像して肩を落とすと、伊作が顔を覗き込んで来た。 「休みの間も、留に会いたくて…今日会うのが待ち遠しくて。来年はこうして初詣来れるか分からないだろう?」 「…伊作」 「君と寄り添っても可笑しく無いように女装して来たんだけど…」 「済まん、俺ー」 こんな所で盛った自分が恥ずかしくなって頭を垂れると、ちゅっと啄ばむように口付けられた。 「いさ…」 「…なんてね、僕も今日留に触れたかったから。今年も宜しくね」 そう言って笑った伊作に今度は自分から口付けた。 「…来年も今位が良いかもな」 「何?」 「初詣だろ。人も少ないし、ゆっくり出来るし」 そうなれば、それは“約束”で無くて“願い”ー。 「うん、そうだね。…だけど、来年は外は嫌だ」 「悪かったって!」 「あはは!はい、指切り」 「…ん」 「ゆ〜びき〜りげんま〜ん、嘘付いたら宝烙火矢で吹きとーばす、」 「…笑えねー」 「指切った!」 (おまけ) 「…言い訳位は聞いてやろう」 「…姫始め、と言いますか」 「…伊作、お前着替えて来い。その間にこいつが全部責任を取る」 「…じゃ、じゃあ」 「伊作っ!?」 「さて、試作品を見せよう。黒色火薬の量を多目に調合したのだが、どの位の威力か試してみよう」 「…伊作〜っ!!!」 (完) わか様、新年から駄文を送り付けまする(笑) 素敵な人形のお礼にと思ったのですが、とんだ罰ゲームになりまして申し訳ありません(>人<;) 見捨てずどうぞ本年も宜しくお願い致します! 有難う御座いました☆ ←/→ top |