ブルーベリーガーデン



私が 貴方が 私たちがいて
甘くて 冥くて 小さなあの庭
私と 貴方と 他に誰もいない
甘い風の吹く あの庭


夏が近づくと思い出す
手のひらにのせて溢れた記憶
蒼く霞んだあの木の陰で
貴方が見ていた古い物語

私はそれを覗き込んで
白い帽子の鍔の影
貴方をそっと抱き込んで
名前も知らない恋をする

聴かせてください
まだ誰も知らない
二人だけの秘密の話

私が 貴方が ただ隣にいて
甘くて 冥くて 確かなあの庭
私と 貴方と 他に誰もいらない
柔らかにたわむ あの庭


聴かせてください
私を抱きしめて
聴いていてください
秘密の影のなか


私が 貴方が 私たちがいて
甘くて 冥くて 小さなあの庭
私と 貴方と 他に誰もいない
甘い風の吹く あの庭

もう見つからない あの庭




ブルーベリーガーデン


- 6 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -