いずれ病む身体ですもの後悔はするはずもない春はあけぼの

百日紅よみ名を知らず胸に咲く恋の別名と思い歩みし

白き息吐いて静かに薄氷の砕ける音を君は聞いたか

あなたから零れる雨を吸い上げて夏の蒼さに別れを告げる

エマイユのような人だね忘れてはならぬと笑う君の笑顔は

六月の坩堝に落ちて口ずさむアイネ・クライネ・ナハトムジーク

いつか僕錆びていくから此処にある悲しい螺子を外しておくれ

右目には星の種火を絶やさずに往けやこの途、白々と闇

この場所を出たらしばらく地図はない「次の十字路右へ曲がって」

土星には土星の花が咲くんだ、と、そうね貴方の嘘はささやか



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