いずれ病む身体ですもの後悔はするはずもない春はあけぼの
百日紅よみ名を知らず胸に咲く恋の別名と思い歩みし
白き息吐いて静かに薄氷の砕ける音を君は聞いたか
あなたから零れる雨を吸い上げて夏の蒼さに別れを告げる
エマイユのような人だね忘れてはならぬと笑う君の笑顔は
六月の坩堝に落ちて口ずさむアイネ・クライネ・ナハトムジーク
いつか僕錆びていくから此処にある悲しい螺子を外しておくれ
右目には星の種火を絶やさずに往けやこの途、白々と闇
この場所を出たらしばらく地図はない「次の十字路右へ曲がって」
土星には土星の花が咲くんだ、と、そうね貴方の嘘はささやか
[ 4/5 ][*prev] [next#]