ノーラッド

長く続いた街道の果てに、赤茶けた鉱山を背にした町が広がっていた。乾燥した、気温の高い町だ。
鉱夫達は慣れたようすでトラックの荷台でコーヒーを注ぎながら過ぎてゆくが、乾燥地帯に不慣れな私には、あの照り返す金属の板に乗ってあかい道を揺られていくのを勧めないと言った。彼らの忠告を聞き入れ、今は洞窟を整備して造られたカフェで、冷たいレモン水を飲んでいる。

夕方がくれば、10℃は気温が下がる。それまでゆっくり休むといいと、日に焼けた肌の女店主が教えてくれた。トルティーヤを注文してある。日はじきに西へ傾くだろうが、昼食がまだなのだ。


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