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街でしゃーろっくをみた。今度は何の事件だと思い尾行するとスイーツ巡りをしている様だった。なんだ、と安心してると目があう。するとやっと気づいたしゃーろっくはチョコレートパフェを片手に手を俺に向けて手をふった。子供らしい姿に思わず笑みがこぼれる。


「赤井さんまた偶然だね」
「ああ、そうだな。お前とはよく会うな」
「これ美味しいよ。一口食べる?…あ、甘党じゃないか赤井さん」
「ああ」


隣の空いてる席に腰を下ろす。隣を見れば美味しそうにパフェを食べるしゃーろっく。なんだか気が緩む。次会うときもこうであってほしい。切実に頼む。
そういえばこの子の親は…まずいるのだろうか。


「…ひとりで出掛けてきたのか?」
「うん。私今おじいちゃんとおばちゃんの家に遊びに来てイギリスにいるの。観光しまくりたい子供の体力についていけないでしょ?」
「観光…?」


この間、「赤井さん最近イギリスに来たばっかりだよね。ならここは私の領域」と言ってたからイギリスに住んでいるのかと思っていたが、違ったらしい。それを問い詰めると終わったことだと言われた。…嘘だったのか。


「知らない土地の事件に巻き込まれるのは危ないからやめろ」
「赤井さんこそ」
「俺はいいんだ」
「なにそれー!」
「大人の特権だ」
「…ははーん。今まで見ないことにしてあげたけど、赤井さんあっち系の仕事してるでしょ」
「あっち系とはなんだ」
「アルファベット3文字系かヤクザ」
「…………。」


なんだそれは、と思ったのと同時にヒヤリともし、思わず黙ってしまった。どうやらこの子を怒らせてはいけないらしい。


「あはは、ドンピシャ〜」
「…何が食べたい」
「次の店いこー!」



しゃーろっくは立ち上がって、俺の手を引いた。その手は小さくて温かくて、チョコレートの香りがした。





記憶を水葬せよ、情を埋葬せよ、
mae ato


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