相手の気持ちも考えろ



瞳孔さんとジミーさんに会って知らずうちにあのおっきい建物の中に入ってしまった。

いやいや何で?
だから私何かした?
ってか瞳孔さん達が入るってことはここはきっと警察署とかそんな感じの場所なんだよね。
………。



「何かすみませんでしたァァァ!!」



叫びながら瞳孔さんの横を通りながら私は走りさる。
すると瞳孔さんは待ちやがれ!!と言いながら私を追いかけてきた。

だから何で私が追いかけられなきゃいけないんだ!
さっきまでいたジミーさん(勝手に命名)もどっか行っちゃったし身代わりになる人どこかにいないかな…。
って警察署入った時点で私敵扱いされるんじゃない!?



「お前、何で逃げんだよ!!」


「追いかけられたら逃げるのが人間の本能だからですゥゥゥ!!」


「いや、最初に逃げたのお前だし!」


「だって、私無罪だし!!何でこんな所に来なくちゃいけないんだァァァ!!」



無我夢中に瞳孔さんに捕まらないように走る。走ってる場所は廊下だから今履いている靴下のせいで滑りそうだ。

まぁ、それは相手も同じだから追いつかれる心配はないけど。

息を切らせながら走っていると急に私の目の前に人が飛び出してきた。



「あっ、そこの君危ない!!」



と言っても、もうすでに遅かった。
急ブレーキをかけれない私はそのまま飛び出してきた男の人とぶつかってしまった。
そしてそのまま私は男の人を押し倒すように転んだ。



「いった〜…。あ、君大丈夫?」



すぐさま体を起こして男の子に手を差し伸ばす。



「痛った…」



男の子は私の手を掴んで起き上がった。
男の子は栗色の髪で、目は赤色。
整った顔立ちでスタイル抜群だ。

よく見れば私より年下かも…。
18歳くらいだろうか。



「君、ごめんね。悪気があったわけじゃないんだ。全て今走って来てる瞳孔さんのせいで…」


「へー。やっぱ土方さんのせいですかィ」



土方…あぁ、瞳孔さんのって土方っていうんだ。
栗髪君は立ち上がると同時に栗髪さんは瞳孔さんに見せつけるように私の肩を抱いた。

え、何これデジャヴ?



「土方さん…見損ないやしたよ…。こんな小さい子にまで手を出すだなんて」


「「…はぁ!?」」



私と瞳孔さんの声が重なった。
いや、だって、私が小さい子…?
いやいやいや私一応二十歳だし。
身長小さくても二十歳だし。

少しイラッてきた私は眉間に皺を寄せる。



「てめっ、総悟!!んなわけねーだろ!!近藤さんがこいつが落としたハンカチを持ってるから見つけたら連れて来いって言われたから連れてきただけだ!何で俺がガキに手を出さなきゃならねー」


「……」


「近藤さんがですかィ。まぁ、いいや。土方コノヤローはロリコンってことわかりやしたし」


「……」(イラッ)


「っざけんな!!何でこんなガキ追いかけただけでロリコンになんだよ!!」


ブチッ


「それは勿論…」


「てめーらいい加減にしろォォォ!!」



抱かれていた手を払いのけ、私は手で瞳孔さんと栗頭君の頭を同時に叩いた。
いわゆるチョップというものだ。



「ってめ、何しやがる!!」


「あのね、さっきから黙って聞いてりゃ私が何の罪もなく連れてこられたことがわかったけどさ。何で私がガキ扱いされなきゃいけないわけ!?私はガキじゃありませんってば!!」


そう言っているうちにだんだんと腹が立ってきたのでまた2人にチョップを入れた。

だけど2人はチョップされたことに何か気にせず、私が言ったことに理解しようと目をパチクリとしている。
普通意味わかるだろ、オイ。



「え、…お前15歳とかじゃないわけ?」


「違います」


「じゃ、13歳ですかィ?」


「何で下がったの!?」



流石に腹が立った私は腰に両手をあて、威張るように言った。



「私はこう見えても20歳です」


「「………」」



そう言った私に信じようともせず、目を点にしている。

あぁ、腹立つ人達だ。どうしてそこまで信じてくれないのだろうか。
やっぱ小さすぎるから?
いやいや、そんな見た目で決めるだなんて人間として最低です。



「お前…本当に20歳なんですかィ?」


「うん」


「話し方も子供なんだな」


「そんなことありませんよ」


「本当だ。チビのくせに大変だな」



そう言いながら私の頭をポンと撫でてる瞳孔さん。
何か子供扱い何ですけど。
そんなに私が二十歳だって認めたくないんですか、そうなんですかコノヤロー。


「それより、お前名前は?」


「加々美実乃ですけど」



少し警戒しながらも名前を言った。
そして一歩下がり、相手を睨む。



「あなた達は?」


「俺は沖田総悟でさァ。んでこいつがマヨ」


「んだよマヨって!!俺は土方十四郎だ!!」


「へー沖田さんと土方さんね。一応よろしくしたくないけどよろしく」



どっちだよ、と土方さんにツッコまれたがあははーと笑って返してやった。
…まぁ、もうチビって言わないなら仲良くしてあげてもいいけどね。
あれ、これツンデレっぽくない?
私ツンデレキャラじゃないんですけど。……まぁ、いっか。



「あ、そうだ。確か近藤さんっていう人が私のハンカチ持ってるって言ってなかったっけ?」


「あ、あぁ。そうだったな。ついて来い」



土方さんに言われた通りちゃんと土方さんについて行った。
何故か沖田さんもついて来てるけど気にしない。

歩いている途中、土方さんは煙草を取り出すと煙草に火を付け吸い始めた。

煙が後ろへと来るから丁度私の顔にかかる。
煙草吸う時はちゃんと周りの気持ちも考えてほしいもんだ。





(煙草吸うの止めてくれやせんか?臭ぇ)

(あ、それ私も賛成ー)

(ってめーら切腹すっぞゴラァ)

(煙草止めろって言っただけで切腹とかここ本当警察署…?)




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