青い短髪


今日全然話せなかった……

いやいつも結局赤司の読書の時間を邪魔しちゃいけないと思って話せないんだけどね

自分の考えに自分で訂正し、
友達と話し込んでしまいいつもより少し遅い時間の夕方の道を一人、歩く。

赤司のことを考えると、
胸がきゅぅぅっとして声が聞きたくなる
だからなるべく考えないようにするんだけど…

考えちゃう…んだよね…。

「…はぁ」

「…はぁ」

ん?
私の他に誰かのため息…?
息を吐き出した音がした方を見ると、
相手も同じ事を思ったのか目があった

「…?誰だお前」

…不審な目で私を見る、青い髪の人。
いやいや私もあなたに問いかけたいよ。

「そちらこそ、」

私も負けじと不審な目を向け
そういえば彼はばつが悪そうな顔をした。

「あー悪ぃ。人に聞くときは自分から名乗れって話だよな。俺は青峰大輝。お前は?」

…見た目によらず律儀な。
どこかのお侍さんかよ
でも青峰大輝っていうのか

…またつまらぬものを覚えてしまった……(失礼だけど)

「私は…名乗るほどのものではないよ」

これ一回言ってみたかったんだよね。
つい出来心で言っちゃったけど引かれたかな?
チラッと彼を見ると

「ぷはっ、どこの侍だよ」

笑いながらつっこまれた。
あれ、いいやつっぽいこの人。

prev next

[back]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -