おでこ


「ねむ……」

昼休み、広い図書室の隅っこで呟き、
窓の外でサッカーをやっている人たちをぼーっと眺める

そろそろ赤司がくるはず



赤司とは一年生の時同じクラスで仲よくなった。
皆が皆、話しかけずらいとか言うけど(実際私もそう思ってた)話してみると全然そんなことなかった
ちょっと、いやかなり頭がいいただの男の子

二年になってクラス替え、
神様なんているはずもなく、クラスはバラバラ。
仲よかったけどクラスが違うと話す時間ももちろん無くなる。


私は赤司と話せなくなるのが嫌だった。
だから今も昼休み図書室に15分だけ本を読みに来る赤司を待っている。


もちろん、私も本を読みに来てると装って。

「気持ち悪いなぁ」

小さく自嘲する。
赤司がこのことを知ったらなんて言うんだろう
怖くて考えたくもない


「なにが気持ち悪いって?」


吃驚して体が固まる
声からして誰だかわかってる。
わかってるからこそ振り向けない。

「…無視するなんていい度胸だね、きたかぜ」

「や、やぁ赤司くん」

窓の外を見ながら話す私に苛ついたのか
頭を掴まれグルリと無理やり向かされた

両手で正面に向かされたから、
もちろん赤司との顔の距離は近い。

「…あれ?顔赤いけど熱でもあるのか…?」

ニヤニヤしながらわざと言ってくる赤司は確信犯だ。
そんな確信犯に熱なんてないのに熱あるって意地で答えた。
赤司は数秒考える動作をし、コツンと、

おでこをくっつけてきた

「……?!」

あまりの近さに吃驚してガタンと席を立つ私にわざとらしく「熱なんてないじゃないか」と追い討ちをかけた。

わなわなしてる私を見てクスクス笑ってる赤司。
なんて言っていいかわからないし、逃げ出したい一心で叫んだ

「あ、赤司のあほっ……!」

後ろで「あほときたか」って笑われてたけど私はそれどころじゃない


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