361-370



君の顔を見ないようにこの目を潰したのに、
瞼の裏側に君のあの笑顔が焼きついてどうにも忘れられないんだ。

■ 361



大人になるために許さなければならないなら私は子供でいい。

■ 362



本当のことを言えば離れて行かなかった。
なんてくだらない結果論だ。

■ 363



パイプの煙、くゆらせて。
漆喰の下駄、でもって。
いなせな背中、あなたの背中。

■ 364



彼はズルズルと俺をダメにしようと全身全霊をかけて挑んでくる。

■ 365



なかったことにできたらと魂を分割して、
切り離して、遠くに置いて。
泣いていたんだ、ずっとずっと。
気づかれなくても泣いていたんだよ、
魂が足りないと誰かのせいにしながら。

■ 366



浮気したらできる限り悪い人でいてほしい。
いい人のフリをして謝りにこないで。

■ 367



「なんでもするから」と懇願する彼。
「なんにもしなくてよかったのに」と目を瞑る私。

■ 368



船を送り出す。
新しい旅路へ、祝いの言葉と共に。
どうか君の行く道に幸多からんことを。

■ 369



折れない、めげない、諦めない。
私にとっての美しさは意地を貫き通すことだった。

■ 370


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