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02



「ところで天国はどんな感じなの? やっぱ雲の上とかでふわふわ〜っと生活したりしてるの?」

「何だその幼稚な発想は、何百年前はそんな感じだったらしいがいい人達が集まるところだからな。住みやすそうにするために色々と三次元に近い感じだぞ」

天国のイメージが崩れ落ちた……

ってことは学校とかもあるのか、やだなぁなんか思い出しちゃうぜ。

大きいビルとかも建ってるのかな、ガスとか電気はどうしてるんだ?

「じゃあお前はいい奴と判断し、10分以内にこのカゴに収まりきらない位のリンゴをとってこの場所に戻ってこい。ハサミは渡さん、素手でもぎ取れ!」

「ワカリマシター」

「片言やめろ! それじゃあ開始ー!」

開始と同時に自分の頭位の大きさの籠を脇に抱えながらキョロキョロと木々を見渡しリンゴを探す。

道久導として鋭利そうな木の枝で木の幹にバッテン印をつけながら進んでいった。

まず時間なんて分からないからもぎ取れるだけもぎ取っていく。

今たぶん8分くらい経ったかな?

そろそろ戻らないと、溢れたしな。

くるりと後ろを向いてヤバいと瞬時に思った。

ここどこ二回目ですありがとうございまーす。

やっべぇ、マジでヤバイぞ地獄ライフは味わいたくない!

あ、そうだこのためにバッテン印つけたんじゃないか。

辺りをキョロキョロと見渡し、木の幹の中から見つけ出した。

「よっし」

真っ直ぐ進んで来たのが幸いだった。

真っ直ぐ行けばネズミのところに行ける!

溢れるリンゴの入ったカゴをリンゴがこぼれないように抱き締めながら全速力で走った。

何だか身体が軽い気がする、もしかしてここは重力があんまりないのかな?

バッテン印の幹を尻目にもうすぐだ、間に合えと心の中で唱えながらネズミの真ん前にダイブした。

ネズミは切り株に寄っかかっている時計を見て言った。

「九秒だ、ギリギリだなー」

「はぁはぁ、はぁ……とこ、ろではい、リンゴ」

全速力で走ってきたものだから息切れしながらリンゴをドスンとネズミの前に置く。

それを見るとネズミは目をキラキラさせて「もうちょっと欲しかったけど、まぁいいか」なんて言いつつもリンゴを美味しそうに頬張っているところを見て凄く癒された。

疲れは癒されないけど。

「で、どう!? オッケー?」

「ふぁよはろう、ひいぼ (まぁよかろう、いいぞ)」

食べながら食うなや。

ってオッケー!?

やった! トリップ出来る! 夢のトリップ!!

今なら感謝するぜ、篠宮さん。

そしてお母さんお父さんクソ弟愛しのにゃんこ・うにちゃん、私は二次元に飛び立ちます。

「んで、色々と手続きがあるんだよ。
それ終わってからリボーンの世界に行ってね」

「はーい、手続きって何するの?」

「まぁ黙ってこれに記入しろ、二次元世界でのプロフィールだ。好きに改造しても良いぞ」

え、じゃあ美少女設定出来るじゃんか!

イェッス! ネズミ様イェッス!!

あれ、というか………

「ネズミさんの名前何?」

「俺の名前? 特にないけど、ニックネームはネズミだ」

まんまだ!!

それニックネームじゃなくて動物名じゃ?

「んじゃネズミさんね、紙ちょーだい」

手をぐいっとネズミさんに向かって突き出す。

ネズミさんは「はいはい」とラノベ系やれやれ主人公のようにドヤ顔で尻尾を振った。

何やってんだ? と思ったその瞬間、私の目の前にアニメの様なパソコンじゃない新聞の様な言い表せないものが出てきた。

近未来的だ……。

これに記入すれば良いのか、いつの間にか手に握られていたペンを走らせる。

ネズミさんをチラッと見てみるとリンゴをを貪ってる。

ちくせう、なんでこっち向いて食べないんだよ。

取り敢えず記入しよう。

最強美少女設定は嫌いなんだよな。

夢小説、二次創作物何年も読み漁ってるからな。

っと、これには今の自分じゃなくて二次元での世界のプロフィールだっけ。

ー名前ー

帆風 ホカゼ ハルカ

帆風って名前憧れなんだよね、自分の苗字フツーだから。

ー性別ー

もちろん女

ー年齢ー

ツナたちと同じ

ー時間軸ー

うーん、原作開始の三ヶ月前

ー容姿ー

容姿は大事だからね。
紺色の背中までの長い髪
目の色は紺色
ユニちゃん並の美少女!
笑うともっと可愛い、的な

ー身長ー

152cm

ー体重ー

40kg

ー属性ー

雲と晴れ

ー武器ー

厨二心をくすぐるモーニングスター

ーオプションー

原作キャラ全員と関われること
原作が終わるまで死なないこと
無双しなくていい
終わり

これだけか、案外いい感じではないか?

何年も妄想想像して一番可愛いと思える髪型だ!

「出来たよー!」

ネズミさんはリンゴを半分ほど平らげ、お腹が出て口周りに身がついていてより一層癒された。

人間だと引くけど。

「あぁ、つか原作終わるまで死なないって不死身じゃねぇか」

まぁ、いっか。

そう呟くと切り株に寄っかかっていた時計を私に乱雑に投げ渡した。

調度ネックレスの飾りになりそうなサイズだ。

まぁネズミさんはちっちゃいから仕方ない!

(でも何故?)




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