暖かい声 [ 22/27 ]





※枕営業バニー



枕営業ならバーナビーは無心になれた。相手の気に入る仕草、声、反応すればすべて上手くいく、今までならそう思って何にも考えないでスポンサーに奉仕できていた。しかし、虎徹という男を好きになってから知らない男に、好きでもない男に跨がり、いいようにされるのが嫌で嫌でたまらなくなる。たまに女を抱くこともあって、無駄に香る甘い香水もこびる仕種にもほとほと嫌気がさしていた。
妙に甘えた様な声をだす女も嫌いだし、それ以上に自分がそんな女みたいなことをやるのはまして嫌いになった。どんどん堪えられなくなって、バーナビーはついに自分の生い立ちや虎徹の優しさに付け込んで、セフレみたいな関係になる。虎徹は少しバーナビーが気になってるくらい。
きっと、虎徹さんはバニーちゃんのよりどころが自分しかいないのを気づいて、いつか若気のいたりって思うのを待ってる。バーナビーはバーナビーで、毎日営業に呼び出さたあと震える手で自分を洗って、まるで何事もなかったように虎徹にコールするんだよ。汚い自分をぬりかえて欲しくて
ある日虎徹はスポンサーとホテル(普通の)に入ってくバーナビーをみるんだ。言いようもない雰囲気にひっかかるものを感じつつ帰宅する。数時間後、バーナビーから電話がかかってきて誘われる。虎徹さんは何かに感づく。それで調べて『違う男とバニーが会った後に電話がくる』事実に気づく
虎徹さんはその事実にどうしようもないくらい怒りを覚えてだな。イライラとしてるとこで、またバーナビーが枕営業に行くのを目撃してしまう。
そのころバーナビーは、もう既にいっぱいいっぱいで、虎徹を騙してることも嫌で、今日で虎徹を誘うのは最後にしようかと決めるんだ。
営業が終わって、暗がりの人通りが少ないゴールドとシルバーの境目のホテル街から外れた一角で、バーナビーは虎徹にコールする。これで最後これで最後…そう自分にいあ聞かせながら、受話器を耳にあてる。1コールもしないで出た虎徹の第一声は予想外なものだった。
『何?バニーちゃんは、また抱かれたりないから俺誘うの?』
いつもより棘のある…虎徹の…
『え…』
『何も知らないと思ったの?人恋しいからっていってた癖に、違ったんだろ…?』
『え、あの…』
『今更ごまかしても今日もホテル行っただろお前』
『み、見て…たんですか…?』
『あ?そうだよ見ー(ブチッ)
バーナビーは何時もと違う自分を蔑む愛しい男の声に堪えられなくて携帯の電源を切ってしまう。
虎徹さんだけには、枕営業のことを知られたくなくて必死に虎徹さんを繋ぎとめようとして、今回だってこれが最後にしようと、次からは抱きしめて名前を呼んでもらうだけで我慢しようと思っていたのに。

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