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はれて両思いになった二人は、数日してシュテルンビルトに戻る。あの突発的な旅行は互いをより深く理解するためだったのかもしれないとバーナビーは思いながらゴールドステージの仮住まいに帰宅。そこで虎徹さんは思い出したように言う。
『お前、本当はここに住んでないだろ…?』
『話してくれないか…?』
そういう虎徹の目はひどく真剣で、バニーは観念するしかなかった。
『わ、笑わないで下さいね』
そういって赤いバニーの車でブロンドステージにいく。例のマンションの前に車を止めると、虎徹はまさか…という顔でバーナビーを見つめた。
『少し待ってて下さい』
そういって、先にバーナビーは部屋へ。流石に、襷とかぬいぐるみとかピンズを大事そうに飾ってるのは見られたくない…それらをロフトの棚に隠し虎徹をよびにいく。
『おいおい…バニー………』
部屋に入った虎徹が少し顔を赤らめながら呟く。それ以上に顔が赤いバーナビー。
虎徹が部屋を使ってたころと、あまり変わらない同じ位置におかれた植木、テレビ、CDや雑誌置場
『虎徹さんがいた跡がなくなるのが嫌だったんです』
顔を真っ赤に俯くバーナビー。虎徹は、そんな彼を引き寄せた。
『まだ、早いかと思ったけどダメだわ、お前可愛すぎ…。』
『は?』
歯切れ悪そうに言う虎徹はふいにゴソゴソと持っていた小さいバックから何かを取り出し、バーナビーと向き合う。
『本当は、もっと落ち着いてからにしようとおもったんだ』
『まだ、互いの気持ち確認したばかりだしな』
そういって小さな箱を差し出す。それがなにかだなんて中を見ないでもバーナビーには分かった。
受け取った小さな箱を開けると光るシンプルな金の指輪。
『結婚指輪とまではいかねぇんだけど、な』
『俺は友恵の指輪はやっぱり外せないけど…』
そう申し訳なさそうに言う虎徹に『僕はそんな貴方が好きなんです、かまいませんよ』そう早口にまくし立てる。視界が涙でぼやけ始める。
『嬉しいです』
そういって迷わず金のリングを左手の薬指に嵌める。自然と二人はキスをした。まるで誓いのキスのように。
『ペアリングではないんですか』
ふと気になり虎徹に聞くと彼は困ったように頬をかいた。
『一応ペアなんだけど』
『つけてくれないんですか?』
『ペアリング持ってますか?出して下さい』
渡されたペアリングを有無言わせず、虎徹の薬指にはめる。もちろん友恵の指輪はそのままで。
『おい、いいのか?』
『これが、いいんです。』
そういってまた二人はキスをする。今度こそそれは、誓いのキスであった。

そのあと帰省した虎徹がHERO復活の相談をしにきて、結局一緒にすむことになるのはまた別の話



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