授業


笑っているのに気づいたミカゲがこちらを見て二カッと太陽のように輝く笑顔を見せた。
ミカゲの笑顔は落ち着く。
いつも傍に居てくれるような安心感がある。
テイトが優しく輝く月ならば、ミカゲは明るく照らしてくれる太陽と例えられるだろう。


「あ、大変もうこんな時間だ、早く行こ?」

「あぁ、そうだな」

「そんじゃ行くか!」

私たちは足並みを揃え、何時ものように雑談を交えながら歩き始めた。



▽▽▽



教室のドアをガラリと開けると数名の視線が突き刺さる。
だが、私達だと分かると視線を前に戻し、再び友人と話始めたり、机に向かったりと様々だ。
恐らく、先生が来たのかと思ったのであろう。
私達はいつものように自分達の席についた。
すると再びガラリと教室のドアが開き、先生がやって来た。


「さて、それては授業を始めます」

先生はにこりと授業開始を告げた。
その途端、ゆるりと眠気が私を襲う。
今日は天気もいいし、暖かくて眠くなる。
ウトウトしながら欠伸を噛み締めた。
授業なんて全く耳に入ってこない。


「シュリをスカウトにくるんじゃねえの?」

「そんなことないさぁ!」

「すげーじゃんシュリ!」

“スカウト”
この単語から、明日の卒業試験の話をしていると推測できた。
卒業試験には毎年、上層部の人たちが視察に来るらしいから、そこでスカウトがあるかもしれない、という話の流れになっている所か。
卒業試験、合格出来るだろうか。
出来れば、合格して、そしてテイトとミカゲと一緒の所へ行きたい。
そんなことを考えていたらふと、先生と目が合った。


「そういえばキアラ=ルージュ、テイト=クライン、君達は一度も私の実技授業にでてくれなかったね…」

先生はふと、思い出したようにテイトと私を見る。
その言葉には嫌味などの感情は入っておらず、本当にふと、零した言葉なのがわかった。


「俺たちは実技一般はすべて免除されているはずです」

テイトが静かに、先生を真っ直ぐに見据えて言い放った。
すると先生は苦笑し「そうだったね」と答えた。


「テイト=クラインは、顔に傷がついたら大変だからなぁ…」

シュリ=オークがテイトを馬鹿にしたように笑う。
それにつられ、周りの生徒も嘲笑うかのように口を開く。
私が眉を寄せてシュリ=オークを睨みつけていると、シュリ=オークの後ろの席に座っていたミカゲと目が合った。
ミカゲはニヤリと笑うと右手に瞬時にザイフォンを発動させた。
そのザイフォンはシュリ=オークとその周りの生徒の教科書を吹き飛ばした。
教科書で隠していた、未成年が読んではいけないような雑誌も一緒に。


「先生、シュリ君がエロ本持ってきてまーす!」

「…のようですね」

わざとらしく大声で発言したミカゲ。
いやらしい本が先生の前にも落ちており、先生の声は怒りと呆れで震えていた。
私がポカンと口を開けていると、ミカゲはにっこりと笑った。
私は心が暖かくなるのを感じ、私も微笑んだ。



*2015/05/16
(修正)2015/12/17


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