幼い君に別れを告げる (ロコ→夏)
2010/07/11 10:40
稲妻3の(軽く?)ネタバレ注意です!
ゲームをやり終えた方、ネタバレ大丈夫よ、な方のみ、スクロールお願いします!
ダイスケにナツミが日本代表のマネージャーに戻ると告げられたのは、ついさっきで、
ボクが走って追いかけて、やっと追いついたと思ったら、彼女は荷物を持ってコトアールのエリアから出る為の循環バスに乗るところだった。
「っ!ねえ、待ってっ、ナツミ!」
「どうしたのよロココ」
準備体操もなく、いきなり全速力で走ったから息が上がってしまった。
「なんでっ、何も言ってくれなかったんだよっ!」
「だって教えたら、あなた私を引き留めたでしょう?」
くすくすと上品に笑うナツミ、今まで何度その綺麗な微笑を見ただろう。
それがもう見られなくなるなんて嫌だ。
「嫌っ、嫌だよ!行かないでよナツミ!ボクもっとナツミといたいよ」
「ごめんなさい、ロココ。私行かなくちゃ。大介さんに言われたし、私、元は彼らのマネージャーですもの」
ナツミは苦笑してボクの頭を撫でる。
その手が離れるのが酷く切なくて、悲しくて泣きそうになった。
「そんな悲しそうな顔しないで…短い間だったけど、ありがとう」
ボクの頭からゆっくりとナツミの手が離れていく。
いやだ、嫌。
離れないで、行かないで、ずっと傍に居てよ。
「さよなら、ロココ。決勝戦で会いましょう。」
「…ナツミ!ボク、ナツミが好きだ!」
バスに乗り込んだナツミは一度だけ振り返り、優しく微笑んだ。
prev | next